FSS スケジューラ (フェアシェアスケジューラ) および FX スケジューラ (固定優先順位スケジューラ) は、新しいユーザープロセスのスケジューラです。 両方のスケジューラでは、タイムシェアリング (TS) スケジューリングクラスおよび対話 (IA) スケジューリングクラスと同じ範囲の優先順位 (0 から 59) を使用します。
FX は、プロセスを確実な優先順位で実行する、固定優先順位スケジューラです。 FX はデフォルトのスケジューラではありません。 TS では負荷を分散します。 FX では負荷を分散しません。 同じシステムで FX と TS を使用できますが、FX の優先度を高く設定し過ぎると、TS で実行するプロセスが停止状態になります。
FSS を使用すると、CPU 資源の配分を明示的にプロジェクトに割り当てることによって、アプリケーションのパフォーマンスが保証されます。 その他の FSS の利点は、次のとおりです。
システムでの CPU 資源の細かい配分を可能にする。
作業負荷に対して重要度に基づいて有効な CPU 資源を割り当てるように制御する。 作業負荷の重要度は、各作業負荷に割り当てる CPU 資源の配分数によって表されます。
プロセッサセットを使用するのでなければ、同じシステムで FSS を TS または FX と併用しないでください。 プロセッサセットを使用する場合、同じ CPU で競合しないように、各プロセッサセットで実行するすべてのプロセスが同じスケジューリングクラスにある限りは、同じシステムで FSS を TS、IA、FX と併用できます。 特に、プロセッサセットを使用して FX クラスのアプリケーションで FSS クラスのアプリケーションの停止状態を招く優先順位を使用しないようにするのでなければ、FX スケジューラは新しい FSS スケジューリングクラスと併用しないでください。
次の表に、上記のスケジューラや、プロジェクト、タスクなどの他の Solaris 資源管理に関する機能、システム資源をより良く管理するための情報を示します。
トピック |
参照箇所 |
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FSS スケジューラおよび FX スケジューラの使用方法 |
『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』の「フェアシェアスケジューラ」 |
FSS |
FSS(7) |
FX |
priocntl(1) と dispadmin(1M) のマニュアルページ |
プロジェクト |
『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』の「プロジェクトとタスク」 |