Solaris のシステム管理 (上級編)

バックアップ時の問題の解決

この節では、データをバックアップまたは復元するときのいくつかの基本的な問題の解決方法について説明します。

ファイルシステムのバックアップ中に、ルート (/) ファイルシステムが一杯になる

ファイルシステムをバックアップしている際に、ルート (/) ファイルシステムが一杯になる場合があります。 このとき、媒体には何も書き込まれず、ufsdump コマンドは、媒体の 2 番目のボリュームを挿入するようにプロンプトを表示します。

エラーの原因 

問題の解決方法 

-f オプションに無効な宛先デバイス名を使用した場合、ufsdump コマンドはファイルをルート (/) ファイルシステムの /dev ディレクトリに書き込み、このファイルシステムが一杯になる。 たとえば、/dev/rmt/0 ではなく /dev/rmt/st0 と入力した場合、バックアップファイルはテープドライブには送信されず、/dev/rmt/st0 がディスクに作成される

/dev ディレクトリで ls -tl コマンドを使用して、新しく作成された異常に大きなファイルを特定して削除する

バックアップコマンドと復元コマンドが対応していることを確認する

ufsrestore コマンドを使用できるのは、 ufsdump コマンドを使用してバックアップしたファイルを復元する場合だけです。 tar コマンドを使用してバックアップした場合は、tar コマンドを使用して復元します。 他のコマンドで書き込まれたテープを ufsrestore コマンドを使用して復元しようとした場合、テープが ufsdump フォーマットでないことを知らせるエラーメッセージが表示されます。

現在のディレクトリが間違っていないことを確認する

ファイルを復元する場合に、間違った場所に復元してしまうことがよくあります。 ufsdump コマンドは、常にファイルシステムのルートからのフルパス名でファイルをコピーします。したがって ufsrestore コマンドを実行する前に、ファイルシステムのルートディレクトリに移動しなければなりません。 それよりも下のディレクトリでファイルを復元すると、そのディレクトリの下に完全なファイルツリーが作成されます。

対話型コマンド

対話型コマンドを使用すると、次の例のような ufsrestore> プロンプトが表示されます。


# ufsrestore ivf /dev/rmt/0
Verify volume and initialize maps
Media block size is 126
Dump   date: Thu Aug 30 10:13:46 2003
Dumped from: the epoch
Level 0 dump of /export/home on starbug:/dev/dsk/c0t0d0s7
Label: none
Extract directories from tape
Initialize symbol table.
ufsrestore > 

ufsrestore> プロンプトでは、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の「UFS バックアップおよび復元コマンド (参照情報)」に記載されているコマンドを使用して、ファイルを検索し、復元するファイルの一覧を作成し、そして、それらのファイルを復元できます。