Solaris 9 9/05 ご使用にあたって

第 2 章 実行時の注意事項とバグ情報

この章では、問題として認識されている実行時の問題について説明します。

ハードウェア関連の注意事項とバグ情報

Solaris 9 9/05 リリースのハードウェア関連の注意事項とバグ情報について説明します。

サポートされる USB デバイスと対応するハブの構成

このリリースの Solaris は、USB 1.1 と USB 2.0 の両方のデバイスをサポートします。次の表は、特定の構成で動作する USB デバイスをまとめたものです。接続の種類は、コンピュータに直接接続しても、USB ハブ経由で接続してもかまいません。USB 1.1 デバイスとハブは低速または全速であり、USB 2.0 デバイスは高速であることに注意してください。ポートと動作速度の詳細については、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』を参照してください。

表 2–1 USB デバイスと構成

USB デバイス 

接続の種類 

USB 2.0 ストレージデバイス 

直接、USB 1.1 ハブ、USB 2.0 ハブ 

USB 1.1 デバイス (オーディオデバイスを除く) 

直接、USB 1.1 ハブ、USB 2.0 ハブ 

USB 1.1 オーディオデバイス 

直接、USB 1.1 ハブ 

USB 2.0 オーディオデバイス 

サポートされません。 

SPARC: PGX32 ハードウェアで拡張表示識別データが遅延する (6272648)

PGX32TM フレームバッファー上の拡張表示識別データ (Extended Display Identification Data: EDID) が 、モニターが電源管理状態から切り替わった際には、即座に表示されないことがあります。モニターは、すでに電源管理状態ではありません。 しかしながら、fbconfig -prconf コマンドで生成される出力は EDID データ領域を「使用不可能」として示します。数秒の遅延の後このコマンドを再入力すると、このデータ領域は「使用可能」になります。

回避方法: 無し

USB 2.0 ホストコントローラを持つシステムがハングアップまたはパニックすることがある (5030842)

USB 2.0 ホストコントローラを持つシステムは、このリリースの Solaris を実行していると、頻繁にハングアップまたはパニックすることがあります。これらの問題は、NEC 製チップセットを搭載していない USB 2.0 デバイスに起因します。これらの問題が発生した場合、Enhanced Host Controller Interface (EHCI) に関連するエラーメッセージが生成されます。

回避方法: システムのハードウェア構成によって、次のいずれかを実行してください。


注 –

USB 2.0 ポートは 2 つのハードウェア構成要素で動作します。

x86 ベースのシステムには、OHCI 用のドライバと UHCI 用のドライバが存在します。SPARC ベースのシステムには、OHCI 用のドライバが存在します。したがって、SPARC ベースのシステムの場合、EHCI を無効にしても、OHCI を持つ USB PCI カードは動作します。また、x86 ベースのシステムの場合、EHCI を無効にしても、OHCI または UHCI を持つ USB PCI カードは動作します。どちらの場合も、EHCI を無効にしたポートに接続されている USB 2.0 デバイスは、USB 1.1 デバイスの速度で動作します。

自分の SPARC ベースのシステムで EHCI と OHCI が存在するかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

# prtconf -D

次の例のように、EHCI エントリは 1 つまたは複数の OHCI エントリの後に出力されます。


pci, instance #0 (driver name: pci_pci)
usb, instance #0 (driver name: usba10_ohci)
usb, instance #1 (driver name: usba10_ohci)
usb, instance #0 (driver name: usba10_ehci)

スマートカードのバグ情報

Solaris 9 9/05 オペレーションシステムのスマートカードのバグ情報について説明します。

スマートカードに対してシステムが反応しない (バグ ID: 4415094)

ocfserv が終了し、ディスプレイがロックされている場合は、スマートカードを挿入しても取り出しても、システムはロックされたままになります。

回避方法: 次の手順を実行してシステムのロックを解除してください。

  1. ocfserv プロセスが終了したマシンにリモートログインして接続します。

  2. スーパーユーザーになります。

  3. 端末ウィンドウで次のように入力して、dtsession プロセスを終了させます。


    # pkill dtsession
    

ocfserv プロセスが再起動し、スマートカードのログインおよびその他の機能が復元されます。

スマートカード Console の「構成ファイルを編集」メニュー項目が使用できない (バグ ID: 4447632)

スマートカード Console の「構成ファイルを編集」メニュー項目を使用して 、/etc/smartcard/opencard.properties にあるスマートカードの構成ファイルを編集することができません。メニュー項目を選択すると、テクニカルサポートを受けないと編集を継続できないことを示す警告メッセージが表示されます。

回避方法: スマートカード Console の「構成ファイルを編集」メニュー項目は使用しないでください。スマートカードの設定に関する情報は、『Solaris スマートカードの管理』を参照してください。

共通デスクトップ環境 (CDE) に関する注意事項とバグ情報

Solaris 共通デスクトップ環境 (CDE) の実行時に発生するバグの情報および注意事項について説明します。

共通デスクトップ環境 (CDE) に関する注意事項

Solaris 9 では、文字集合 JIS X 0212:1990 に対するフォントが、「HeiseiMin-W3H」から、「HG-GothicB-Sun」と「HG-MinchoL-Sun」に変更になりました (今までの平成明朝体も引き続きインストールされますが、利用するにはシステム側の変更が必要となります)。

また、文字集合 JIS X 0213:2000 に関しては UTF-8 ロケール上で利用可能ですが、UNICODE3.1 で定義された文字集合が対象となります (ただし、Java および DPS からの利用はできません)。

SPARC: 共通デスクトップ環境のログインサービスにおいて、いくつかの UTF-8 ロケールが利用できない (5042573)

ログインサーバーが起動し、共通デスクトップ環境 (CDE) ログインサービスが起動したとき、次の UTF-8 ロケールが利用できません。

回避方法: これらのロケールを使用するには、まず、これら以外の UTF-8 ロケールにログインします。その後、コマンド行で LC_ALL 変数を設定します。次に例を示します。

export LC_ALL=ar_SA.UTF-8


注 –

この回避方法は SPARC ベースのシステムだけに適用されます。これらのロケールは、x86 ベースのシステムでは利用できません。


CDE のリムーバブルメディア自動実行機能が削除されている (バグ ID: 4634260)

CDE デスクトップ環境のリムーバブルメディア自動実行機能は、Solaris 9 9/05 ソフトウェアから一時的に削除されています。

回避方法: CD-ROM などのリムーバブルメディアの自動実行機能を使用するには、次のいずれかを実行する必要があります。

SPARC: FontList オプションが指定されている場合、コマンド行から起動した dtmail がクラッシュする (バグ ID: 4677329)

dtmail をコマンド行から起動した場合、FontList オプションが指定されていると、IMAP サーバーに接続した後で dtmail がクラッシュします。次の例を参照してください。


/usr/dt/bin/dtmail -xrm "Dtmail*FontList: -*-r-normal-*:"

次のエラーメッセージが表示されます。


Segmentation Fault

この問題は、C および ja ロケールの両方で発生します。

回避方法: dtmail をコマンド行から起動するときは、FontList オプションを指定しないでください。

行数の多い電子メールの表示中に CDE がハングアップしたようになる (バグ ID: 4418793)

Solaris 9 9/05 Unicode または UTF-8 ロケールで、行数の多い電子メールメッセージを読むと、CDE Mailer (dtmail) がハングアップしたようになり、メッセージがすぐには表示されません。

回避方法: 次のどちらかを実行してください。

Solaris PDA Sync がデスクトップ上の最後のエントリを削除できない (バグ ID: 4260435)

デスクトップから最後のエントリを削除した後に、PDA デバイスに対して同期処理を実行すると、最後のエントリが PDA デバイスからデスクトップに復元されてしまいます。たとえば、カレンダの最後のアポイントメントやアドレス帳の最後のアドレスが、削除した後に復元されてしまいます。

回避方法: 同期処理を実行する前に、PDA デバイスから最後のエントリを手動で削除してください。

Solaris PDASync が PDA デバイスとの国際化された複数バイトのデータ交換をサポートしていない (4263814)

PDA と Solaris 共通デスクトップ環境の間で複数バイトのデータを交換すると、その両方の環境でデータが壊れることがある。

回避方法:SolarisTM PDASync を実行する前に、パソコン上で PDA のバックアップ機能を使用してデータのバックアップを取ります。誤って複数バイトのデータを交換したためにデータが壊れた場合は、バックアップからデータを復元してください。

Solaris PDA Sync のロケールとはコードセットが異なる PDA デバイスとデータを交換する場合の注意事項 (バグ ID: 4851847)

Solaris PDA Sync で日本語などの複数バイト文字を扱えるようになりましたが、PDA デバイスではコードセット Shift_JIS、Solaris 環境では ja または ja_JP.eucJP ロケール (コードセット eucJP) のように、PDA デバイスと Solaris 環境で異なるコードセットを利用する環境でデータを交換すると、両方の環境において、交換した複数バイト文字データが壊れる可能性があります。

回避方法: PDA Sync を実行する前に必ず、PDA デバイスに付属しているバックアップ機能やバックアップユーティリティを使用して、PC などにデータの完全なバックアップをとってください。間違ってデータ交換をしてしまった場合には、バックアップデータからデータを復旧させてください。

dtmail で不在返信メッセージを作成すると、dtmail を起動したロケールと同じエンコーディングで不在返信メッセージが保存される (バグ ID: 4394110)

不在返信メッセージを作成する場合、dtmail はその内容を (日本語のメールの場合) ISO-2022-JP エンコーディングではなく、dtmail を起動したエンコーディングで保存します。 このため、不在返信メールを受信した際に、メールの内容が文字化けすることがあります。

回避方法: 不在返信メッセージが保存されている .vacation.msg ファイルを、次のように入力して (日本語のメールの場合) ISO-2022-JP エンコーディングに変更し、保存し直します。


% /usr/bin/iconv -f org_locale -t ISO-2022-JP $HOME/.vacation.msg \
> $HOME/.vacation.msg_tmp
% /usr/bin/cp $HOME/.vacation.msg_tmp $HOME/.vacation.msg

上記の org_locale には、iconv で使用されるコードセット (dtmail で作成した .vacation.msg ファイルのエンコーディングに対応) を指定します。日本語環境では、次の 3 つのいずれかです。

eucJP (ja ロケールの場合)

PCK (ja_JP.PCK ロケールの場合)

UTF-8 (ja_JP.UTF-8 ロケールの場合)

[日本語環境のみ] ja_JP.PCK ロケールおよび ja_JP.UTF-8 ロケールに関する注意事項

[日本語環境のみ] 移動メニューの設定で追加したメールボックス名が文字化けする (バグ ID: 4066565)

Solaris CDE 1.2 より前のメールプログラムで、オプションメニューの「移動メニューの設定」で登録したメールボックス名に日本語文字列が含まれている場合、Solaris CDE 1.2 以降のメールプログラムではそれらのメールボックス名が文字化けすることがあります。

回避方法: Solaris CDE 1.2 あるいは Solaris CDE 1.3 のメールプログラムで、再度登録してください。

GNOME 2.0 に関する注意事項とバグ情報

以下は、GNOME 2.0 デスクトップに関する情報です。

GNOME 2.0 のマニュアル

GNOME 2.0 デスクトップに関するリリースノートおよび問題の解決に関する情報は、http://docs.sun.com で次のマニュアルを参照してください。

日本語入力方式が GTK+2 アプリケーションより先にキーイベントを取得できない (バグ ID: 5013233)

GTK+2 アプリケーションと日本語入力方式で同じキーをそれぞれの処理に割り当てている場合、GTK+2 アプリケーションが日本語入力方式より先にキーイベントを取得します。たとえば、gnome-terminal 上で ATOK12 を利用しているとき、F10 キーを入力しても ATOK12 の文字入力モードが変更せず、gnome-terminal のメニューバーのファイルが表示されます。

回避方法: 重複するキーがある場合は、日本語入力方式のキーバインドを変更してください。

システム管理に関するバグ情報

Solaris 9 9/05 リリースにおけるシステム管理に関するバグ情報について説明します。

Solaris 7 の OS サービスにはパッチが必要 (バグ ID: 4394587)

Solaris 7 のディスクレスクライアントを構成する場合、OS サービスを追加した後、OS サービスにパッチ 106978-10 および 107456-01 を適用する必要があります。

このパッチを適用しないと、ディスクレスクライアント追加時に設定したクライアントのパスワードが、正しく反映されない場合があります。

パッチを OS サービスに追加する方法については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。

Solaris 8、6/00、10/00 の OS サービスにはパッチが必要 (バグ ID: 4384092)

Solaris 8、Solaris 8 6/00、Solaris 8 10/00 のディスクレスクライアントを日本語環境で構成する場合は、OS サービスを追加した後、OS サービスにパッチ 110416-02 を適用する必要があります。

このパッチを適用しないと日本語入力システム ATOK12 が正しく動作せず、 CDE 上でアプリケーションが正しく起動できないなどの問題が発生することがあります。

パッチを OS サービスに追加する方法については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。

Solaris 2.6 3/98 または 5/98 の Sun4U OS サービスにはパッチが必要 (バグ ID: 4150243、4388885)

Solaris 2.6 3/98 または 5/98 の Sun4U ディスクレスクライアントを構成する場合は、 OS サービスを追加した後、OS サービスにパッチ 105654-03 を適用する必要があります。

このパッチを適用しないと Sun4U ディスクレスクライアントがブート中にハングアップすることがあります。

パッチを OS サービスに追加する方法については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。

SPARC: 保存停止・復元再開サイクル中にパニックが発生すると、システムがハングアップすることがある (5062026)

保存停止・復元再開 (cpr) サイクル中にパニックが発生すると、システムがハングアップすることがあります。この問題は、XVR-1000 グラフィックスアクセラレータをインストールした Sun BladeTM 2000 ワークステーションで多く発生します。まれに、ほかの SPARC ベースのシステムでも、パニックが発生したときに同様なハングアップが発生することがあります。パニックが発生した時、コアダンプは保存されず、コンソールにプロンプトが表示されなくなります。この問題は、カーネルデバッガ (kadb) をアクティブにしていると発生しやすくなります。

回避方法: システムを使用できる状態に復元するには、手作業でシステムをリブートしてください。

SPARC: キーボードシーケンスを使用してシステムを停止すると、システムがパニックすることがある (5061679)

Stop-A や L1-A などのキーボードシーケンスを使用してシステムを停止しようとすると、システムがパニックすることがあります。この場合、次のようなエラーメッセージが表示されます。


panic[cpu2]/thread=2a100337d40: pcisch2 (pci@9,700000): 
consistent dma sync timeout

回避方法: OpenBootTM PROM に入るときには、キーボードシーケンスを使用しないでください。

x86: 新しいフレームワークを読み込んだ後にのみ、Universal Serial Bus Architecture モジュラーデバッガが自動的に構成されない (バグ ID: 4982529)

Universal Serial Bus Architecture (USBA) モジュラーデバッガ (mdb) コマンドは、いくつかの x86 システム上では自動的に構成されないことがあります。

回避方法: USBA の mdb コマンドにアクセスするには、mdb を開始した後で次のコマンドを実行して usba mdb モジュールを手動で読み込みます。


> ::load usba

usba mdb モジュールを読み込んだ後で、次のコマンドを実行すると、すべての USB コマンドのリストを取得できます。


> ::dcmds ! grep usb

Solaris SOFTWARE 1 of 2 CD を使用している場合、ロケール管理ツールがロケールのインストールに失敗する (4967742)

Solaris SOFTWARE 1 of 2 CD を使用して必要なパッケージをインストールしている場合、ロケール管理ツール (localeadm) は新しいロケールの設定に失敗します。この失敗は、Solaris SOFTWARE 1 of 2 CD からパッケージをインストールしているときに発生します。このツールは 1 of 2 CD を自動的に排出しません。結果として、次の CD を挿入できず、インストールを継続できません。

回避方法: 自分のロケール用のパッケージをインストールする場合には、Solaris DVD またはネットワークインストールイメージを使用してください。どちらも利用できない場合は、次の手順を実行してください。

  1. インストールしているロケールを設定するために必要な Solaris パッケージの一覧を取得します。

    % localeadm -v -q option

    option は、設定しているロケールの名前です。たとえば、西ヨーロッパロケールの場合は「weu」を入力します。

    パッケージの一覧は、次のインストール CD で見つかった順に表示されます

    • Solaris SOFTWARE 1 of 2 CD

    • Solaris SOFTWARE 2 of 2 CD

    • Languages CD

  2. 一覧に表示されたパッケージを、それぞれの CD から自分のマシンまたはネットワーク上のディレクトリにコピーします。これらのパッケージへの各 CD における正確なパスを知るには、find コマンドを使用します。

  3. localeadm コマンドを再実行して、これらのパッケージをインストールします。ソースディレクトリは、前の手順でパッケージをコピーしたディレクトリです。

x86: BIOS のブート時に F4 キーを押すと Service パーティションのブートに失敗する (バグ ID: 4782757、5051157)

これは、Solaris 9 9/05 (x86 版) ソフトウェアがインストールされた、Service パーティションを保持する Sun LX50 のブート時に発生します。F4 ファンクションキーを押すことで Service パーティションのブートを選択できますが、オプションを選択すると画面が空白になります。システムは Service パーティションのブートに失敗します。

回避方法: BIOS ブート画面の表示時に、F4 キーを押さないでください。タイムアウト後に「Current Disk Partition Information」画面が表示されます。type=DIAGNOSTIC に対応する「Part#」列の番号を選択します。続いて Return キーを押します。Service パーティションがブートします。

Solaris WBEM Services 2.5 デーモンは com.sun アプリケーションプログラミングインタフェースプロバイダを検出できない (バグ ID:4619576)

Solaris WBEM Services 2.5 デーモンは、com.sun.wbem.provider インタフェースまたは com.sun.wbem.provider20 インタフェースに書き込まれたプロバイダを検出できません。これらのインタフェースに書き込まれたプロバイダ用に Solaris_ProviderPath インスタンスを作成した場合でも、Solaris WBEM Services 2.5 デーモンはプロバイダを検出しません。

回避方法: デーモンがこのようなプロバイダを検出できるようにするには、Solaris WBEM Services 2.5 デーモンをいったん停止してから再起動します。


# /etc/init.d/init.wbem stop

# /etc/init.d/init.wbem start

注 –

javax API を使用してプロバイダを作成した場合は、Solaris WBEM Services 2.5 デーモンを停止してから再起動する必要はありません。Solaris WBEM Services 2.5 デーモンが javax プロバイダを動的に認識します。


XML/HTTP トランスポートプロトコル環境では com.sun アプリケーションプログラミングインタフェースメソッド呼び出しが失敗することがある (バグ ID: 4497393、4497399、4497406、4497411)

javax アプリケーションプログラミングインタフェースではなく、com.sun アプリケーションプログラミングインタフェースを使用して WBEM ソフトウェアを開発する場合、全面的にサポートされるのは、Common Information Model (CIM) リモートメソッド呼び出し (RMI) だけです。XML/HTTP など、他のプロトコルについては、com.sun アプリケーションプログラミングインタフェースで完全に機能するという保証はありません。

次の表に、RMI では正常に実行され、XML/HTTP では失敗する呼び出しの例を示します。

メソッド呼び出し 

エラーメッセージ 

CIMClient.close()

NullPointerException

CIMClient.execQuery()

CIM_ERR_QUERY_LANGUAGE_NOT_SUPPORTED

CIMClient.getInstance()

CIM_ERR_FAILED

CIMClient.invokeMethod()

XMLERROR: ClassCastException

Solaris 管理コンソール (Management Console) の Mounts and Shares ツールでファイルシステムのマウント属性を変更できない (バグ ID: 4466829)

Solaris 管理コンソール (Management Console) の Mounts and Shares ツールでは、ルート (/)、/usr/var などのシステムに必須なファイルシステム上のマウントオプションを変更できません。

回避方法: 次のいずれかを実行してください。

[日本語環境のみ] Sun ONE Directory Server (旧 iPlanet Directory Server) の Sun ONE Console で GUI 上のレイアウトの問題がある (バグ ID: 4644430)

Sun ONE Console の「証明書の管理」ダイアログ等でボタンが重なって表示されたり、欠けて表示されたりという問題が発生する場合があります。

回避方法 : ウィンドウの幅を広げることでこの問題を回避できます。

admintool を使用してユーザーを作成する場合の注意事項

admintool 上でログインシェルを sh または ksh に指定してユーザーを作成した場合、ホームディレクトリに自動生成される .profile には以下の 1 行が記述されています。

stty istrip

この行は、入力文字を 7 ビットにストリップすることを意味していますので、このままの設定ではそのユーザーが端末上で日本語入力を行うと、文字が化けてしまいます。

回避方法: 上記の 1 行をコメントにするか、もしくは削除してください。

Solaris ボリュームマネージャの問題

Solaris 9 9/05 リリースの Solaris ボリュームマネージャの問題について説明します。

Solaris ボリュームマネージャの metattach コマンドが失敗することがある

シリンダ 0 から始まっていないルート (/) ファイルシステムをミラー化する場合には、接続されるすべてのサブミラーにシリンダ 0 から始まるものを含めることはできません。

シリンダ 0 から始まるサブミラーを元のサブミラーにあるミラーに接続しようとすると、シリンダ 0 から始まるサブミラーは使用できず、次のエラーメッセージが表示されます。


can't attach labeled submirror to an unlabeled mirror

回避方法: 次のいずれかを実行してください。


注 –

JumpStart インストールのデフォルトでは、swap パーティションがシリンダ 0 から始まっていて、ルートファイルシステム / はディスク上の他の場所から始まっています。システム管理者は通常、スライス 0 をシリンダ 0 から始めようとします。デフォルトの JumpStart インストールにおいてスライス 0 上にあり、シリンダ 0 から始まってないルートパーティションを、別のディスクのシリンダ 0 から始まるスライス 0 にミラー化しようとすると問題が発生する場合があります。その結果、ミラーを追加しようとする際に、エラーメッセージが出力されます。Solaris インストールプログラムのデフォルト動作の詳細については、『Solaris 9 9/04 インストールガイド』を参照してください。


Solaris ボリュームマネージャに関するバグ情報

Solaris 9 9/05 リリースの Solaris ボリュームマネージャに関するバグ情報について説明します。

英語以外のロケールで Solaris ボリュームマネージャ metassist コマンドが失敗する (5067097)

英語以外のロケールでは、Solaris ボリュームマネージャ metassist コマンドでボリュームを生成できません。たとえば、LANGja (日本語) に設定されていると、以下のエラーメッセージが表示されます。


xmlEncodeEntitiesReentrant : input not UTF-8 
Syntax of value for attribute read on mirror is not valid 
Value "XXXXXX"(unknown word) for attribute read on mirror is not among the 
enumerated set 
Syntax of value for attribute write on mirror is not valid 
Value "XXXXXX"(Parallel in Japanse) for attribute write on mirror is not 
among the enumerated set 
metassist: XXXXXX(invalid in Japanese) volume-config

回避方法: スーパーユーザーになって LANG 変数を LANG=C と設定します。

Bourne、Korn、および Bash シェルでは、以下のコマンドを使用します。


# export LANG=C

C シェルでは、以下のコマンドを使用します。


# setenv LANG C

Solaris ボリュームマネージャ RAID-1 (ミラー) または RAID-5 ボリュームがソフトパーティション上に構築されたディスクセット内に作成されると、ホットスペアが正しく動作しない (バグ ID: 4981358)

Solaris ボリュームマネージャ RAID-1 (ミラー) または RAID-5 ボリュームをソフトパーティションの上に構築されたディスクセットに作成すると、ホットスペアデバイスが正しく動作しません。

次の問題が発生する可能性がありますが、ほかの問題が発生することもあります。

論理デバイス名がすでに存在しない場合、Solaris ボリュームマネージャの metadevadm コマンドが失敗する (バグ ID: 4645721)

障害が発生したドライブは Solaris ボリュームマネージャソフトウェアで構成されたドライブに交換できません。交換するドライブは Solaris ボリュームマネージャソフトウェアにとって新しいドライブである必要があります。Sun StorEdgeTM A5x00 上のあるスロットから別のスロットにディスクを物理的に移動した場合、metadevadm コマンドが失敗することがあります。この問題が発生するのは、スライスの論理デバイス名がすでに存在しないのに、ディスクのデバイス ID がメタデバイス複製に存在しているためです。次のメッセージが表示されます。


Unnamed device detected. Please run 'devfsadm && metadevadm -r to resolve.

注 –

このとき、新しい場所にあるディスクにはアクセスできますが、スライスにアクセスするためには、古い論理デバイス名を使用する必要があります。


回避方法: ドライブを物理的に元のスロットに戻してください。

Solaris ボリュームマネージャの metarecover コマンドが metadb 名前空間の更新に失敗する (バグ ID: 4645776)

システムからディスクを物理的に取り外して交換して、metarecover -p -d コマンドを使用して適切なソフトパーティションの特定の情報をディスクに書き込むと、オープンエラーが発生します。このコマンドはメタデバイスデータベースの名前空間を更新せず、ディスクデバイス識別情報の変更を反映しません。この状態になると、ディスクの一番上に構築された各ソフトパーティションでオープンエラーが発生し、次のエラーメッセージが表示されます。


Open Error

回避方法: metarecover コマンドを実行してソフトパーティションを回復するのではなく、新しいディスクにソフトパーティションを作成してください。


注 –

ソフトパーティションがミラーまたは RAID5 の一部である場合、次の metareplace コマンドを -e オプションをつけずに使用して、古いソフトパーティションを新しいソフトパーティションに交換します。


# metareplace dx mirror または RAID5 old_soft_partition new_soft_partition

ネットワーク接続に関するバグ情報

Solaris 9 9/05 リリースのネットワーク接続に関するバグ情報について説明します。

フィルタリングが有効な 2 つの IP ノード間に複数のトンネルを設定するとパケットが失われることがある (バグ ID: 4152864)

2 つの IP ノード間に複数の IP トンネルを設定し、ip_strict_dst_multihoming または他の IP フィルタを有効にした場合、パケットが失われることがあります。

回避方法: 次のいずれかを実行してください。

標準バグ情報

Solaris 9 9/05リリースの標準バグ情報について説明します。

ヘッダーファイルdflcn.hを含む UNIX 98 あるいは UNIX 03 アプリケーションのコンパイルが失敗する。(6295971)

ヘッダーファイル dflcn.h は UNIX(R) 98 あるいは UNIX 03 で許可されていない /usr/include/sys/auxv.h の中のシンボルを表示します。もし、このヘッダーファイルを含む UNIX 98 あるいは UNIX 03 アプリケーションをコンパイルすると、シンタックエラーが生成されます。この結果、このコンパイルは完了しません。

c89 または c99 以外のコンパイラーを使用することによって、このエラーを回避することができます。しかしながら、コンパイルされたアプリケーションは、UNIX 98 あるいは UNIX 03 に準拠しません。さらに、 cc コンパイラーを使用しても、-D_XOPEN_SOURCE フラグが定義されていると、コンパイルは同様に失敗します。たとえば、 -D_XOPEN_SOURCE=600 フラグを使用したアプリケーションをコンパイルすると、次のエラーメッセージが表示されます。


"/usr/include/sys/auxv.h", line 45: syntax error before 
or at: "a_type unprotected"
"/usr/include/sys/auxv.h", line 45: warning: syntax requires ";"
 after last struct/union member
"/usr/include/sys/auxv.h", line 54: zero-sized struct/union
"/usr/include/sys/auxv.h", line 54: warning: syntax error:
 empty declaration
"/usr/include/sys/auxv.h", line 55: warning: old-style declaration 
or incorrect type for: auxv_t

回避方法: 次のパッチを適用してください。

DOCUMENTATION CD に関する注意事項

Solaris 9 9/05 リリースの DOCUMENTATION CD に関する注意事項について説明します。

iPlanet Directory Server 5.1 の文書リンクが適切に機能しない

iPlanetTM Directory Server 5.1 Collection (Solaris Edition) - Japanese において、「DocHome」というタイトルのリンクが機能しません。また、異なるブック間のリンクが機能しません。これらのリンクを選択した場合、Not Found エラーがブラウザに表示されます。

回避方法: 当該システム上で iPlanet Directory Server 5.1のドキュメント間を移動するには、 http://docs.sun.com で iPlanet Directory Server 5.1 Collection (Solaris Edition) - Japanese ページに移動します。そこから表示したい文書へのリンクをクリックします。

他のドキュメントパッケージを削除するのに必要な SUNWsdocs パッケージ

SUNWsdocs パッケージが削除されている場合、他のドキュメントパッケージを削除しようとしても失敗します。この状況が発生するのは、SUNWsdocs が他のコレクションとともにインストールされ、ブラウザのエントリポイントを提供しているためです。

回避方法: SUNWsdocs パッケージを削除している場合は、ドキュメントメディアから SUNWsdocs パッケージをもう一度インストールし、そのあとで他のドキュメントパッケージを削除してください。

DOCUMENTATION CD に関するバグ情報

Solaris 9 9/05 リリースの DOCUMENTATION CD に関するバグ情報について説明します。

ヨーロッパロケールの PDF 文書は C ロケールでしか利用できない (バグ ID: 4674475)

Solaris 9 9/05 ソフトウェアと UNIX ベースのほかのシステムにおいて、次のヨーロッパロケールでは、Solaris 9 9/04 DOCUMENTATION CD 1 of 2 の PDF 文書の表示ができません。

この問題が発生するのは、Adobe Acrobat Reader の制限のためです。この問題の詳細については、http://www.adobe.com:80/support/techdocs/294de.htm にある Adobe Technote サイトを参照してください。

回避方法: 次のいずれかを実行してください。

Solaris 9 9/05 ドキュメントパッケージを削除すると、いくつかの Solaris 9 9/05 の文書コレクションが予期せずアンインストールされる (バグ ID: 4641961)

次の場合、いくつかの Solaris 9 9/05 文書コレクションが予期せずシステムから削除されます。

  1. Solaris 9 9/04 DOCUMENTATION CD の 1 of 2 と 2 of 2 を両方ともシステムにインストールした。

  2. 1 の後、prodreg ユーティリティまたはSolaris 9 9/04 DOCUMENTATION CD のインストールプログラムを使用して、あるドキュメントパッケージを削除した。

Solaris 9 9/04 DOCUMENTATION CD の 1 of 2 と 2 of 2 には共通のコレクションが 3 つあります。このようなコレクションが含まれるパッケージをSolaris 9 9/04 DOCUMENTATION CD の 1 of 2 または 2 of 2 のどちらかのインストールから削除すると、このパッケージはシステムから削除されます。

次の表に、予期せず削除されることがあるパッケージの一覧を示します。

表 2–2 両方のSolaris 9 9/04 DOCUMENTATION CD に含まれる ドキュメントパッケージ

HTML パッケージ名 

PDF パッケージ名 

コレクション名 

SUNWaadm

SUNWpaadm

Solaris 9 System Administrator Collection 

SUNWdev

SUNWpdev

Solaris 9 Software Developer Collection 

SUNWids

SUNWpids

iPlanet Directory Server 5.1 Collection 

回避方法: 次のいずれかを実行してください。

ローカライズに関する注意事項

Solaris 9 9/05 リリースのローカライズに関する注意事項について説明します。

ja_JP.eucJP ロケールに関する注意事項

Solaris 8 では、ja_JP.eucJP ロケールは ja ロケールと同等のロケールとして定義されていましたが、Solaris 9 からは「UI-OSF 日本語環境実装規約 Version 1.1」を基準に定義されています。よって、ja ロケールは従来の Solaris の ja ロケールと同じ動作が必要な場合、ja_JP.eucJP ロケールは他の UNIX ベンダーと同じ動作が必要な場合に使用するのが適しています。詳細は『日本語環境ユーザーズガイド』を参照してください

エストニア語タイプ 6 キーボード、フランス語 (カナダ) タイプ 6 キーボード、プログラマ向けポーランド語タイプ 5 キーボードのハードウェアがサポートされない

このリリース用に、エストニア語タイプ 6 キーボード、フランス語 (カナダ) タイプ 6 キーボード、プログラマ向けポーランド語タイプ 5 キーボードの 3 つのソフトウェアサポートが追加されました。

エストニア、カナダ、およびポーランドのユーザーは、必要に応じて標準 U.S. キーボード配列を変更できます。このため、柔軟性の高いキーボード入力が可能になります。

現時点では、この 3 つのキーボードタイプに適合するハードウェアは入手できません。

回避方法: この新しいキーボードソフトウェアを有効利用するには、次のいずれかの方法で /usr/openwin/share/etc/keytables/keytable.map ファイルを編集します。

ローカライズに関するバグ情報

Solaris 9 9/05 リリースのローカライズに関するバグ情報について説明します。

ヨーロッパ言語の UTF-8 ロケールで、ソート機能が正しく動作しない (バグ ID: 4307314)

ヨーロッパ言語の UTF-8 ロケールでソート機能を実行すると、予期しない結果が発生します。

回避方法: フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、スウェーデン語の UTF-8 ロケールでソートを行う前に、LC_COLLATE 変数をその言語の ISO8859-1 ロケールに設定してください。


# echo $LC_COLLATE
>  es_ES.UTF-8
# LC_COLLATE=es_ES.IS08859-1
# export LC_COLLATE

上記のように LC_COLLATE 変数を設定後、ソートを行なってください。

Netscape Communicator 4.78 (日本語版) に関するバグ情報

Netscape Communicator 4.78 (日本語版) に関する注意事項とバグ情報について説明します。

[日本語環境のみ] ページ情報ダイアログ内の日本語が正しく表示されない場合がある (バグ ID: 4269123)

Netscape Communicator 4.78 を ja_JP.PCK ロケールまたは ja_JP.UTF-8 ロケールで使用する場合、ページ情報ダイアログ内の日本語の一部が文字化けしたり、ダイアログのタイトルが表示されないことがあります。ja ロケールで使用している場合は、この問題は起こりません。

[日本語環境のみ] CDE アプリケーションから日本語文字列をコピー&ペーストできない (バグ ID: 4197428)

キーボードの Copy キー、Paste キー、編集メニューの「コピー」、「ペースト」を使用して、端末エミュレータやテキストエディタなどの CDE アプリケーションから Netscape Communicator に日本語文字列をコピー&ペーストできません。

回避方法 : マウスの左ボタンでコピーしたい文字をハイライト表示し、マウスの中ボタン (2 ボタンマウスの場合は右ボタン) を使って、Netscape Communicator 上にペーストしてください。


注 –

マウスボタンのマッピングを左利き用に設定している場合は、左ボタンと右ボタンの機能が逆になります。


Netscape Communicator 4.78 の使用許諾契約書の内容が途中で切れている (バグ ID: 4170571)

Netscape Communicator 4.78 を最初に起動した際に、使用許諾契約書を表示するダイアログが表示されますが、契約書の内容が途中で切れています。

回避方法: 以下の場所にある license ファイルを直接参照してください。

   /usr/dt/appconfig/netscape/lib/locale/<locale>/netscape/license

Netscape 7.0 に関する注意事項

Solaris 版の Netscape 7.0 は、使用中のデスクトップのロケールに対応する言語環境が自動的に選択されて起動します。たとえば、ja ロケールでデスクトップを使用している場合、Netscape は常に日本語環境で起動します。したがって、Netscape 7.0 の「表示」メニューの「言語 / エリアを設定」メニューから言語を切り替えたり、「設定」ダイアログの「コンテンツパック」から言語またはエリアを切り替えたりしても、その操作は無効です。

また、「設定」ダイアログの「さらにダウンロード」および「表示」メニューの「追加ダウンロード」も機能しません。

Sun ONE Application Server のバグ

Solaris 9 9/05 リリースの Sun ONE Application Server のバグについて説明します。

デフォルトのブラウザが Sun ONE Application Server 7 と互換性がない (バグ ID: 4741123)

Solaris 9 9/05 ソフトウェアのデフォルトブラウザで、Sun ONE Application Server 管理インタフェースを使用しようとすると、次のエラーメッセージが表示されます。


Unsupported Browser: Netscape 4.78

It is recommended that you upgrade your browser to Netscape 4.79 or 
Netscape 6.2 (or later) to run the Sun One Application Server 
Administrative UI. Those who choose to continue and not upgrade may
notice degraded performance or unexpected behavior.

注 –

Solaris 9 9/05 リリースに含まれているバージョンの Sun ONE Application Server 管理インタフェースを実行している場合は、Netscape 4.79 または Netscape 7.0 ソフトウェアを使用してください。


回避方法: /usr/dt/bin/netscape の代わりに /usr/dt/appconfig/SUNWns/netscape を使用してください。

Sun ONE Directory Server (旧 iPlanet Directory Server) の問題

Sun ONE Directory Server に関する設定および問題について説明します。

設定の問題

インストール時、識別名 (DN、Distinguished Name) を入力するときには UTF-8 文字セットエンコーディングを使用します。ほかのエンコーディングはサポートされていません。インストール操作では、データはローカル文字セットエンコーディングから UTF-8 文字セットエンコーディングに変換されません。データをインポートするために使用される LDIF (Lightweight Directory Interchange Format) ファイルも UTF-8 文字セットエンコーディングを使用する必要があります。インポート操作では、データはローカル文字セットエンコーディングから UTF-8 文字セットエンコーディングに変換されません。

スキーマの問題

Sun Open Net Environment (Sun ONE) Directory Server (旧 iPlanet Directory Server) 5.1 が提供するスキーマは、RFC 2256 において groupOfNames オブジェクトクラスと groupOfUniquenames オブジェクトクラスに指定されているスキーマとは異なります。Sun ONE Directory Server 5.1 が提供するスキーマでは、member 属性タイプと uniquemember 属性タイプはオプションで選択します。RFC 2256 では、これらのタイプにはオブジェクトクラスごとに少なくとも 1 つの値が存在する必要があると指定されています。

aci 属性は操作属性です。明示的に要求しない限り、検索結果は返されません。

レプリケーションの問題

現在、広域ネットワーク (WAN、Wide Area Network) 上のマルチマスターレプリケーションはサポートされません。

サーバープラグインの問題

Sun ONE Directory Server 5.1 はユーザー ID 番号 (UID) 一意性検査 (Uniqueness) プラグインを提供します。デフォルトでは、このプラグインは起動されません。特定の属性について属性の一意性を確実にするには、属性ごとに属性の一意性検査 (Attribute Uniqueness) プラグインの新しいインスタンスを作成します。属性の一意性検査 (Attribute Uniqueness) プラグインの詳細については、http://docs.sun.com の『iPlanet Directory Server 5.1 管理者ガイド』を参照してください。

現在、参照整合性検査 (Referential Integrity) プラグインはデフォルトでオフです。衝突解決ループを回避するために、参照整合性検査 (Referential Integrity) プラグインは、マルチマスターレプリケーション環境でも 1 つのマスターレプリカだけで有効にする必要があります。連鎖要求を発行するサーバーで参照整合性検査 (Referential Integrity) プラグインを有効にする前に、パフォーマンス資源、時間、および完全性のニーズを解析します。完全性チェックはメモリー資源と CPU 資源を大量に消費する可能性があります。

サービスのロールとクラスの問題

nsRoleDN 属性はロールを定義するのに使用します。この属性は、ユーザーのエントリにおけるロールメンバーシップを評価するのには使用しないでください。ロールメンバーシップを評価するときには、nsrole 属性を調べます。

インデックスの問題

複数のデータベースを持つ場合、仮想リストビュー (VLV、Virtual List View) インデックスは正しく機能しません。

Sun ONE Directory Server に関するバグ情報

Solaris 9 9/05 リリースの Sun ONE Directory Server に関するバグ情報について説明します。

Console を使用してユーザーを無効にできない (バグ ID: 4521017)

Sun ONE Directory Server 5.1 Console を起動し、新しいユーザーまたはロールを「アクティブでない」として作成した場合、新たに作成したユーザーまたはロールがアクティブになります。Console を使用した場合、ユーザーとロールは「アクティブでない」として作成できません。

回避方法: ユーザーまたはロールを「アクティブでない」として作成するには、次の手順に従います。

  1. 新しいユーザーまたはロールを作成します。

  2. 新たに作成したユーザーまたはロールをダブルクリックします。あるいは新たに作成したユーザーまたはロールを選択します。「オブジェクト」メニューから「プロパティ」項目をクリックします。

  3. 「アカウント」タブをクリックします。

  4. 「無効」ボタンをクリックします。

  5. 「OK」をクリックします。

新たに作成したユーザーまたはロールが無効になります。

ルート接尾辞に空白文字が含まれるディレクトリは構成できない (バグ ID: 4526501)

Sun ONE Directory Server 5.1 構成時にユーザーが空白文字が含まれるベース DN を指定した場合 (たとえば、「o=U.S. Government,C=US」)、結果として DN は切り詰められます (たとえば、「Government,C=US」)。構成時に DN を指定するときには、空白文字を使用せずに入力する必要があります (たとえば、「o=U.S.%20Government,C=US」)。

回避方法: ベース DN エントリを修正するには、次の手順に従います。

  1. Console の「サーバとアプリケーション」タブの左側にあるナビゲーション区画において、一番上のディレクトリエントリを選択します。

  2. User ディレクトリサブツリーフィールドにおいて、接尾辞を編集します。

  3. 「OK」をクリックします。

ユーザーパスワードを変更した後もアカウントロックアウトが有効なまま残る (バグ ID: 4527623)

アカウントロックアウトが有効である場合、ユーザーパスワードを変更しても、アカウントロックアウトは有効なまま残ります。

回避方法: ロックアウト属性 accountUnlockTimepasswordRetryCount、および retryCountResetTime をリセットして、アカウントのロックを解除します。

インストール直後に実行された Console バックアップが失敗する (バグ ID: 4531022)

Sun ONE Directory Server 5.1 をインストールして、コンソールを起動し、ディレクトリを LDIF ファイルで初期化し、サーバーをバックアップした場合、Console はバックアップが成功したと報告しますが、実際にはバックアップは失敗しています。

回避方法: データベースを初期化した後、Console から次の作業を行います。

  1. サーバーを停止します。

  2. サーバーを起動し直します。

  3. バックアップを実行します。

DN 属性を正規化するとき、サーバーが大文字と小文字を区別する構文を無視する (バグ ID: 4630941、4933500)

LDAP ネーミングサービスを使用して、大文字小文字の区別以外は同じである自動マウントパス名を複数作成することはできません。大文字と小文字の区別以外は同じ名前のエントリがすでに存在する場合、ネーミング属性が大文字と小文字を区別する構文で定義されるエントリは作成できません (ディレクトリサーバーが許可しません)。

たとえば、/home/foo/home/Foo の両方のパスを作成することはできません。

エントリ attr=foo,dc=mycompany,dc=com が存在する場合、エントリ attr=Foo,dc=mycompany,dc=com は作成できません (ディレクトリサーバーが許可しません)。つまり、LDAP ネーミングサービスを使用する場合、自動マウントパス名は大文字と小文字の区別に関わらず一意である必要があります。

回避方法: ありません。

ExportBackupRestore の実行中または索引の作成中にサーバーを停止すると、そのサーバーがクラッシュする (バグ ID: 4678334)

ExportBackupRestore の実行中、または索引の作成中にサーバーを停止すると、そのサーバーがクラッシュします。

回避方法: 上記操作中にはサーバーを停止しないでください。

レプリケーションが自己署名証明書を使用できない (バグ ID: 4679442)

ユーザーが証明書ベースの認証による SSL レプリケーションを構成しようとするとき、次のいずれかの場合、レプリケーションは機能しません。

回避方法: ありません。

セキュリティに関する注意事項

Solaris 9 9/05 リリースのセキュリティに関する注意事項について説明します。

pam_ldap を有効にしておくと、パスワードなしのログインが失敗する

LDAP 用のアカウント管理 PAM モジュール (pam_ldap) を有効にした後、ユーザーはシステムにログインするときにパスワードを指定する必要があります。結果として、パスワードなしのログインは失敗します。これには、次のようなツールを使用したログインが含まれます。

回避方法: ありません。

UFS ファイルシステムに関するバグ情報

Solaris 9 9/05 リリースの UFS ファイルシステムに関するバグ情報について説明します。

SPARC: マルチテラバイトの UFS ファイルシステムで fssnap を使用しても動作しない (バグ ID: 4836824)

Solaris 9 9/05 リリースでは、fssnap コマンドを使って、サイズが 1T バイトを超える UFS ファイルシステムのスナップショットを作成することはできません。 次のエラーメッセージが表示されます。


fssnap: Fatal: File system /dir/snapshot0 support large files.

回避方法: ありません。

その他

バンドルされたフリーウェアのソフトウェアが国際化対応でない

いくつかのフリーウェアのソフトウェアが Solaris SOFTWARE CD にバンドルされていますが、多くのものは国際化および各国語対応されていません。