クラスタを確立したときに定足数の自動構成を選択した場合は、次の手順を実行しないでください。代わりに、「定足数構成とインストールモードを確認する」に進みます。
次の手順は、新しいクラスタが完全に形成された後に一度だけ実行します。この手順で定足数投票を割り当て、クラスタのインストールモードを解除します。
定足数サーバーを定足数デバイスとして構成する場合は、次の手順を実行します。
定足数サーバーのホストコンピュータに Quorum Server ソフトウェアをインストールして、定足数サーバーを起動します。定足数サーバーのインストールと起動についての詳細は、「定足数サーバーソフトウェアをインストールして構成する」を参照してください。
クラスタノードに直接接続されているネットワークスイッチが次の基準を満たすことを確認します。
スイッチは RSTP (Rapid Spanning Tree Protocol) をサポートしています。
スイッチ上で高速ポートモードが有効になっています。
クラスタノードと定足数サーバー間ですぐに通信できるようにするには、これらの機能の 1 つが必要です。この通信がスイッチによって大幅に遅延すると、クラスタはこの通信の中断を定足数デバイスが失われたものと解釈します。
次の情報を用意します。
構成された定足数デバイスの名前
定足数サーバーのホストコンピュータの IP アドレス
定足数サーバーのポート番号
定足数サーバーを使用し、パブリックネットワークでクラスレスドメイン間サブネット (Classless Inter-Domain Subnetting、CIDS) とも呼ばれる可変長のサブネットが使用される場合、クラスタの各ノード上で、パブリックネットワーク用のネットワークファイルエントリを変更します。
クラスフルサブネットを使用する場合は、RFC 791 で定義されいるように、この手順を実行する必要はありません。
1 つのノードで、スーパーユーザーになります。
または、ユーザーアカウントに「主管理者」プロファイルが割り当てられている場合は、ルートユーザー以外でプロファイルシェルからコマンドを実行するか、またはコマンドの前に pfexec コマンドを付けます。
共有ディスクを定足数デバイスとして使用するには、デバイスのクラスタノードへの接続を確認し、構成するデバイスを選択します。
クラスタの 1 つのノードから、システムがチェックするすべてのデバイスの一覧を表示します。
このコマンドを実行するために、スーパーユーザーとしてログインする必要はありません。
phys-schost-1# /usr/cluster/bin/cldevice list -v |
出力は次のようになります。
DID Device Full Device Path ---------- ---------------- d1 phys-schost-1:/dev/rdsk/c0t0d0 d2 phys-schost-1:/dev/rdsk/c0t6d0 d3 phys-schost-2:/dev/rdsk/c1t1d0 d3 phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t1d0 … |
出力にクラスタノードとストレージデバイス間のすべての接続が表示されていることを確認します。
定足数デバイスとして構成する各共有ディスクのグローバルデバイス ID 名を決定します。
共有ディスクを選択した場合は、その共有ディスクが定足数デバイスとして使用する権限を持つ必要があります。
手順 a の scdidadm コマンドの出力を使用して、定足数デバイスとして構成する各共有ディスクのデバイス ID 名を識別します。たとえば、手順 a の出力はグローバルデバイス d3 が phys-schost-1 と phys-schost-2 によって共有されていることを示しています。
SCSI プロトコルをサポートしない共有ディスクを使用する場合は、その共有ディスクに対してフェンシングが無効になっているか確認してください。
個々のディスクのフェンシング設定が表示されます。
phys-schost# /usr/cluster/bin/cldevice show device === DID Device Instances === DID Device Name: /dev/did/rdsk/dN … default_fencing: nofencing … |
ディスクのフェンシングが nofencing または nofencing-noscrub に設定されている場合は、そのディスクのフェンシングは無効化されます。手順 5 に進みます。
ディスクのフェンシングが pathcount または scsi に設定されている場合は、そのディスクのフェンシングを無効化します。手順 c に進みます。
ディスクのフェンシングが global に設定されている場合は、フェンシングもグローバルに無効化するかどうかを決定します。手順 b に進みます。
代わりに、単に各ディスクのフェンシングを無効化することもできます。これにより、global_fencing プロパティーにどのような値を設定しても、そのディスクのフェンシングが上書きされます。手順 c に進んで、各ディスクのフェンシングを無効化します。
フェンシングをグローバルに無効化するかどうかを決定します。
phys-schost# /usr/cluster/bin/cluster show -t global === Cluster === Cluster name: cluster … global_fencing: nofencing … |
グローバルフェンシングが nofencing または nofencing-noscrub に設定されている場合は、default_fencing プロパティーが global に設定されている共有ディスクのフェンシングが無効化されます。手順 5 に進みます。
グローバルフェンシングが pathcount または prefer3 に設定されている場合は、共有ディスクのフェンシングを無効化します。手順 c に進みます。
各ディスクの default_fencing プロパティーが global に設定されている場合は、クラスタ全体の global_fencing プロパティーが nofencing または nofencing-noscrub に設定されている場合にのみ、各ディスクのフェンシングが無効化されます。global_fencing プロパティーをフェンシングを有効化する値に変更すると、default_fencing プロパティーが global に設定されているすべてのディスクのフェンシングが有効化されます。
共有ディスクのフェンシングを無効化します。
phys-schost# /usr/cluster/bin/cldevice set \ -p default_fencing=nofencing-noscrub device |
共有ディスクのフェンシングが無効になっていることを確認します。
phys-schost# /usr/cluster/bin/cldevice show device |
phys-schost# /usr/cluster/bin/clsetup |
「初期クラスタ設定」画面が表示されます。
代わりに「メインメニュー」が表示された場合は、クラスタの初期設定はすでに正しく行われています。手順 10 に進みます。
「定足数ディスクを追加しますか ?」というプロンプトで、Yes と入力します。
定足数デバイスとして構成するデバイスの種類を指定します。
NAS デバイスは、Open HA Cluster 2009.06 構成の定足数デバイスでサポートされていないオプションです。次の表の NAS デバイスは、情報を得る目的でのみ参照してください。
定足数デバイスの種類 |
説明 |
---|---|
shared_disk |
Sun NAS デバイスまたは共有ディスク |
quorum_server |
定足数サーバー |
netapp_nas |
ネットワークアプライアンス NAS デバイス |
定足数デバイスとして構成するデバイスの名前を指定します。
定足数サーバーの場合、次の情報も指定します。
定足数サーバーのホストコンピュータの IP アドレス
クラスタノードとやり取りする際に定足数サーバーが使用するポート番号
「「Install mode」をリセットしますか?」というプロンプトで、「Yes」を入力します。
clsetup ユーティリティーによって、クラスタの定足数構成と投票数が設定されたあと、「クラスタの初期化は完了しました。」というメッセージが表示されます。ユーティリティーは、「メインメニュー」に戻ります。
clsetup ユーティリティーを終了します。
定足数構成とインストールモードが無効になっていることを確認します。「定足数構成とインストールモードを確認する」に進みます。
中断された clsetup 処理 - 定足数設定プロセスが中断されるか、完了に失敗した場合は、clsetup をもう一度実行してください。