この章では、デスクトップでの作業に必要となる基本的な操作について説明します。
マウスの一般的な使用方法に慣れている場合でも、このマニュアルで使用するマウスボタンの規定および動作について習得する必要があります。この節では、マウスポインタについても説明します。
このマニュアル内のすべての説明は、次の種類のマウスが対象となります。
右利きユーザー用に設定されているマウス
3 ボタンのマウス。2 ボタンのマウスを使用している場合は、2 つのボタンを同時に押すと、マウスの中央ボタンと同じ動作になる
このマニュアルで使用されているマウスボタンの規定は次のとおりです。
マウスボタン |
定義 |
---|---|
左マウスボタン |
マウスの左ボタンは、右利きのユーザー用に設定 |
中央マウスボタン |
マウスの中央ボタンは、右利きのユーザー用に設定 |
右マウスボタン |
マウスの右ボタンは、右利きのユーザー用に設定 |
マウスの利き手を変更するには、「アプリケーション」->「デスクトップ設定」->「マウス」を選択し、該当するオプションを選択してください。マウスの利き手を変更した場合は、このマニュアルで使用されるマウスボタンの規定も逆になります。
次の表は、マウスで実行できる操作を示します。
マウスボタン |
使い方 |
---|---|
左マウスボタン |
|
中央マウスボタン |
|
右マウスボタン |
選択したオブジェクトのメニューを開く (メニューがある場合) |
たとえば、テキストをコピーする場合は、次の手順に従います。
左マウスボタンでテキストを選択します。
テキストをコピーする場所にマウスポインタを移動します。
中央マウスボタンをクリックします。
デスクトップの背景で右クリックして、「デスクトップの背景」メニューを開くこともできます。
このマニュアルで使用されるマウス操作を表す用語は、以下のとおりです。
動作 |
定義 |
---|---|
クリック |
マウスを動かさずに、左マウスボタンを押して放す |
クリック&ホールド |
左マウスボタンを押したまま放さない |
左クリック |
クリックと同じ。 左クリックは、右クリックと混乱する恐れがある場合に、操作を明確にするために使用する |
中央クリック |
マウスを動かさずに、中央マウスボタンを押して放す |
右クリック |
マウスを動かさずに、右マウスボタンを押して放す |
ダブルクリック |
マウスを動かさずに、すばやく2 回押して放す |
ドラッグ |
マウスボタンをクリック&ホールドして、オブジェクトを移動する。たとえば、ウィンドウまたはアイコンをドラッグできる。デスクトップ上では、左マウスボタンおよび中央マウスボタンを使用してドラッグを実行できる |
ドラッグ&ドロップ |
マウスボタンをクリック&ホールドして、オブジェクトを移動する。たとえば、ウィンドウまたはアイコンをドラッグ&ドロップできる。オブジェクトを配置する場所でマウスボタンを放す |
グラブ |
移動する項目をポイントし、マウスボタンをクリック&ホールドする。たとえば、ウィンドウのタイトルバーをグラブし、そのウィンドウを別の場所にドラッグできる |
マウスポインタの外観は、マウスを使っている状況によって変わります。ポインタの外観は、特定の操作、場所、および状態を表します。次の表で、デスクトップ上のマウスポインタについて説明します。
ポインタ |
関連する操作 |
説明 |
---|---|---|
項目をポイントし、メニュー項目を選ぶ |
通常のポインタ。マウスの通常の使用時に表示されるポインタ |
|
ドラッグ&ドロップ |
移動ポインタ。オブジェクトをドロップするときに、そのオブジェクトが元の場所から別の場所に移動されることを示す |
|
ドラッグ&ドロップ |
コピーポインタ。オブジェクトをそのオブジェクトのコピーがドロップする位置に、作成されることを示す |
|
ドラッグ&ドロップ |
シンボリックリンクポインタ。オブジェクトをドロップした位置に、そのオブジェクトのシンボリックリンクが 作成されることを示す。シンボリックリンクとは、別のファイルまたはフォルダを指す特殊な種類のファイル |
|
ドラッグ&ドロップ |
質問ポインタ。オブジェクトをドロップするときに、メニューが開くことを示す。オブジェクトを移動またはコピーするか、あるいはオブジェクトのシンボリックリンクを作成するかを選択できる |
|
ドラッグ&ドロップ |
利用不可を示すポインタ。現在の場所にオブジェクトをドロップできないことを示す |
|
パネルオブジェクトの移動 |
パネルオブジェクトの移動ポインタ。移動するパネルオブジェクトが選択されていることを示す |
|
ウィンドウの横方向のサイズ変更 |
横方向のサイズ変更ポインタ。横方向にサイズ変更するウィンドウの縦ウィンドウ境界が選択されていることを示す |
|
ウィンドウの縦方向のサイズ変更 |
縦方向のサイズ変更ポインタ。縦方向にサイズ変更するウィンドウの横ウィンドウ境界が選択されていることを示す |
|
ウィンドウの横方向と縦方向のサイズ変更 |
コーナーサイズ変更ポインタ。横方向と縦方向にサイズ変更するウィンドウのウィンドウ境界コーナーが選択されていることを示す |
|
ウィンドウ区画または表の列のサイズ変更 |
ウィンドウ区画または表の列のサイズ変更ポインタ。サイズ変更する表の列が選択されていることを示す |
マウスで実行できる操作のほとんどが、キーボードでも同様に実行できます。ショートカットキーを使用すると、操作をすばやく実行できます。
ショートカットキーは、デスクトップでの操作や、パネルおよびウィンドウなどのインタフェース項目での操作に使用できます。また、ショートカットキーはアプリケーションでも使用できます。ショートカットキーをカスタマイズするには、「アプリケーション」->「デスクトップ設定」->「キーボードショートカット」を選択します。
また、デスクトップをカスタマイズして、キーボードの便利な機能を利用することもできます。
以降の節では、使用可能なショートカットキーについて説明します。
デスクトップのショートカットキーを使用して、キーボードからデスクトップ操作を実行できます。次の表に、デスクトップのショートカットキーを示します。
デフォルトのショートカットキー |
機能 |
---|---|
Alt + F1 |
GNOME メニューを開く |
Alt + F2 |
「プログラムを実行」ダイアログを表示する |
Print Screen |
スクリーンショットを撮る |
Alt + Print Screen |
フォーカスがあるウィンドウのスクリーンショットを撮る |
Ctrl + Alt + 右矢印 |
現在のワークスペースの右側のワークスペースに切り替える |
Ctrl + Alt + 左矢印 |
現在のワークスペースの左側のワークスペースに切り替える |
Ctrl + Alt + 上矢印 |
現在のワークスペースの上のワークスペースに切り替える |
Ctrl + Alt + 下矢印 |
現在のワークスペースの下のワークスペースに切り替える |
Ctrl + Alt + d |
すべてのウィンドウを最小化し、フォーカスをデスクトップの背景に移す |
F1 |
オンラインヘルプのブラウザを起動し、適切なオンラインヘルプを表示する |
ウィンドウのショートカットキーを使用して、キーボードからウィンドウの操作を実行できます。次の表に、ウィンドウのショートカットキーを示します。
デフォルトのショートカットキー |
機能 |
---|---|
Alt + Tab |
ウィンドウを切り替える。このショートカットキーを使用すると、選択可能なウィンドウの一覧が表示される。キーを放すとウィンドウが選択される |
Alt + Esc |
ウィンドウを切り替える。キーを放すとウィンドウが選択される |
F10 |
メニューバーの左側にある最初のメニューを開く |
Alt + スペースバー |
ウィンドウメニューを開く |
矢印キー |
メニュー内の項目間でフォーカスを移動する |
Return |
メニュー項目を選択する |
Esc |
開いているメニューを閉じる |
Ctrl + Alt + 右矢印 |
現在のワークスペースの右側のワークスペースに切り替える |
Ctrl + Alt + 左矢印 |
現在のワークスペースの左側のワークスペースに切り替える |
Ctrl + Alt + 上矢印 |
現在のワークスペースの上のワークスペースに切り替える |
Ctrl + Alt + 下矢印 |
現在のワークスペースの下のワークスペースに切り替える |
Ctrl + Alt + d |
すべてのウィンドウを最小化し、フォーカスをデスクトップの背景に移す |
パネルのショートカットキーを使用して、キーボードからパネルでの操作を実行できます。次の表に、パネルのショートカットキーを示します。
デフォルトのショートカットキー |
機能 |
---|---|
Ctrl + Alt + Tab |
パネルとデスクトップの背景の間で、フォーカスを切り替えるこのショートカットキーを使用すると、選択可能な項目の一覧が表示される。キーを放すと項目が選択される |
Ctrl + Alt + Esc |
パネルとデスクトップの背景の間で、フォーカスを切り替えるキーを放すと項目が選択される |
Ctrl + F10 |
選択したパネルのポップアップメニューを開く |
Tab |
パネル上のオブジェクト間でフォーカスを切り替える |
Return |
選択したパネルオブジェクトまたはメニュー項目を選ぶ |
Shift + F10 |
選択したパネルオブジェクトのポップアップメニューを開く |
矢印キー |
メニュー内の項目間でフォーカスを移動する。アプレット内のインタフェース項目間でフォーカスを移動する |
Esc |
開いているメニューを閉じる |
F10 |
メニューパネルの「アプリケーション」メニューを開く (メニューパネルが選択されている場合) |
アプリケーションのショートカットキーを使用して、アプリケーションの操作を実行できます。ショートカットキーを使用すると、マウスを使用するよりもアプリケーションの操作をすばやく実行できます。次の表に、アプリケーションのショートカットキーを示します。
ショートカットキー |
コマンド |
---|---|
Ctrl + N |
New |
Ctrl + X |
Cut |
Ctrl + C |
Copy |
Ctrl + V |
Paste |
Ctrl + Z |
Undo |
Ctrl + S |
Save |
Ctrl + Q |
Quit |
メニューバーとは、 ウィンドウ上部にあるバーのことで、アプリケーション用のメニューが含まれています。アクセスキーとは、メニューバー、メニュー、またはダイアログにある下線付き文字のことで、これを使用して作業を実行できます。メニューバーでは、各メニューのアクセスキーに下線が付いています。
メニューを開くには、Alt キーを押して、アクセスキーを押します。メニューでは、各メニュー項目のアクセスキーに下線が付いています。メニュー項目を選択するには、メニュー項目のアクセスキーを押します。次の表に、テキストエディタのアクセスキーの例を示します。
アクセスキー |
機能 |
---|---|
Alt + F |
「ファイル」メニューを開く |
N |
「ファイル」メニューから「新規」を選択する |
アクセスキーを使用して、ダイアログ内の要素にアクセスできます。ダイアログでは、ほとんどのダイアログ要素の 1 文字に下線が付いています。特定のダイアログ要素にアクセスするには、Alt キーを押して、アクセスキーを押します。次の表に、テキストエディタの「設定」ダイアログにあるアクセスキーの例を示します。
アクセスキー |
機能 |
---|---|
Alt + U |
「デフォルトのテーマフォントを使用」チェックボックスにフォーカスを移す |
ほかのキーを使用して、ウィンドウ内またはダイアログ内を移動することもできます。
この節では、ウィンドウの使用方法について説明します。
ウィンドウには、複数の区画が含まれていることがあります。 区画とは、ウィンドウ内の一部の領域です。たとえば、Nautilus
ウィンドウには、サイド区画と表示区画があります。区画があるウィンドウの場合、区画間のエッジにサイズ変更ハンドルがあります。区画をサイズ変更するには、サイズ変更ハンドルをグラブし、変更するサイズまでエッジをドラッグします。
ウィンドウには、表に整理された情報を持っている場合があります。この節では、表の操作方法について説明します。
列の幅を変更するには、列の縦方向のエッジの 1 つをドラッグします。
表によっては、特定の列によって情報の並び変えができます。表内の情報を並び変えるには、並び変える情報の列の見出しをクリックします。上矢印が、並び変えられた表の列の見出しに表示されます。次の図に上矢印を示します。
並び変え順を逆にするには、列の見出しをもう一度クリックします。上矢印が下矢印に変わります。下矢印は、列内の情報が、逆順に並び変えられていることを示します。
一部の表では、複数の項目を選択できます。次の表で、表内の項目を選択する方法について説明します。
作業 |
操作 |
---|---|
項目の選択 |
その項目をクリックする |
一連の項目のグループを選択 |
Shift キーを押したまま放さない。グループの最初の項目をクリックして、そのグループの最後の項目をクリックする |
複数の項目を選択 |
Ctrl キーを押したままにする。 選択する複数の項目をクリックする |