クラスタファイルシステムを管理するのに特別な Sun Cluster コマンドは必要ありません。クラスタファイルシステムを管理するには、他の Solaris ファイルシステムを管理するときと同じように、Solaris の標準のファイルシステムコマンド (mount や newfs など) などを使用します。クラスタファイルシステムをマウントするには、mount コマンドに -g オプションを指定します。また、起動時に自動的にマウントすることもできます。クラスタファイルシステムは大域ゾーンからのみ認識できます。クラスタファイルシステムのデータを非大域ゾーンからアクセス可能にする必要がある場合は、zoneadm(1M) または HAStoragePlus を使用して非大域ゾーンにデータをマッピングします。
クラスタファイルシステムがファイルを読み取るとき、ファイルシステムはファイルのアクセス時間を更新しません。
次に、クラスタファイルシステム管理に適用される制限事項を示します。
空ではないディレクトリ上では unlink(1M) コマンドはサポートされません。
lockfs -d コマンドはサポートされません。対処方法として、lockfs -n を使用してください。
クラスタファイルシステムをマウントし直すとき、 directio マウントオプションは指定できません。
directio ioctl を使用して、directio マウントオプションを単一ファイルに設定することはできません。
次の VxFS 機能は、Sun Cluster 3.2 クラスタファイルシステムではサポートされていません。ただし、ローカルのファイルシステムではサポートされます。
クイック入出力
スナップショット
記憶装置チェックポイント
VxFS 固有のマウントオプション:
convosync (Convert O_SYNC)
mincache
qlog、delaylog、tmplog
VERITAS クラスタファイルシステム (VxVM クラスタ機能 & VERITAS クラスタサーバーが必要)
キャッシュアドバイザリは使用可能、効果が認められるのは特定のノードのみ
クラスタファイルシステムでサポートされる VxFS のそのほかの機能とオプションは、すべて Sun Cluster 3.2 ソフトウェアでサポートされます。クラスタ構成でサポートされる VxFS オプションの詳細については、VxFS マニュアルを参照してください。
VxFS を使用して高可用性クラスタファイルシステムを作成するための次のガイドラインは、Sun Cluster 3.2 構成に固有のものです。
VxFS マニュアルの手順に従って VxFS ファイルシステムを作成します。
主ノードから VxFS ファイルシステムをマウントおよびマウント解除します。主ノードは、VxFS ファイルシステムが存在するディスクをマスターします。二次ノードから VxFS ファイルシステムをマウントまたはマウント解除すると、失敗することがあります。
VxFS の管理コマンドはすべて、VxFS クラスタファイルシステムの主ノードから実行します。
VxFS クラスタファイルシステムを管理するための次のガイドラインは、Sun Cluster 3.2 ソフトウェアに固有のものではありません。しかし、これらのガイドラインは UFS クラスタファイルシステムを管理する方法とは異なります。
VxFS クラスタファイルシステム上にあるファイルは、クラスタ内にある任意のノードから管理できます。例外は ioctls で、ioctls だけは主ノードから実行する必要があります。管理コマンドが ioctl に関連するかどうかがわからない場合は、主ノードからコマンドを発行します。
VxFS クラスタファイルシステムが二次ノードにフェイルオーバーされると、フェイルオーバー時に実行中であったすべての標準システム呼び出し操作は、新しい主ノードで透過的に再実行されます。ただし、フェイルオーバー時に実行していた ioctl 関連の操作は失敗します。VxFS クラスタファイルシステムのフェイルオーバーの後で、このクラスタファイルシステムの状態を調べる必要があります。フェイルオーバー以前に古い主ノードから実行された管理コマンドには修正処理が必要になることもあります。詳細については、VxFS のマニュアルを参照してください。