リソースタイプを生成してそのパッケージをクラスタにインストールしたあとは、クラスタ上で実行されているリソースタイプのインスタンス (リソース) を取得する必要があります。一般に、リソースインスタンスを実行するには、管理コマンドまたは Sun Cluster Manager を使用します。しかし、便宜上 Agent Builder はこの目的のためにカスタマイズされたユーティリティースクリプトに加え、ターゲットリソースタイプのリソースの停止と削除を行うスクリプトも生成します。
これら 3 つのスクリプトは install-directory /rt-name/util ディレクトリに格納されており、次のような処理を行います。
起動スクリプト: リソースタイプを登録し、必要なリソースグループとリソースを作成します。また、アプリケーションがネットワーク上のクライアントと通信するためのネットワークアドレスリソース (LogicalHostname または SharedAddress ) も作成します。
停止スクリプト: リソースを停止します。
削除スクリプト: 起動スクリプトによる作業を取り消します。つまり、このスクリプトは、リソース、リソースグループ、ターゲットリソースタイプを停止し、システムから削除します。
これらのスクリプトは、内部的な規則を使用してリソースとリソースグループの名前付けを行います。このため、削除スクリプトを使用できるリソースは、対応する起動スクリプトで起動されたリソースだけです。
Agent Builder は、スクリプト名にアプリケーション名を追加することにより、スクリプトの名前付けを行います。たとえば、アプリケーション名が ftpの場合、各スクリプトは startftp、stopftp、および removeftp になります。
Agent Builder は、各ユーティリティースクリプト用のマニュアルページを install-directory /rt-name/man/man1m ディレクトリに格納します。これらのマニュアルページにはスクリプトに渡す必要がある引数についての説明が記載されているので、各スクリプトを起動する前に、これらのマニュアルページをお読みください。
これらのマニュアルページを表示するには、-M オプションを指定して man コマンドを実行し、この man ディレクトリのパスを指定する必要があります。たとえば、ベンダーが SUNW で、アプリケーション名が ftp である場合、startftp(1M) のマニュアルページを表示するには、次のコマンドを使用します。
% man -M install-directory/SUNWftp/man startftp |
クラスタ管理者は、マニュアルページユーティリティスクリプトも利用できます。Agent Builder で生成されたパッケージをクラスタ上にインストールすると、ユーティリティースクリプト用のマニュアルページは、/opt/rt-name/man ディレクトリに格納されます。たとえば、startftp(1M) のマニュアルページを表示するには、次のコマンドを使用します。
% man -M /opt/SUNWftp/man startftp |