次の手順を実行して、すべてのソフトウェア製品のパッケージとパッチをインストールし、ユーザー環境を設定します。
Oracle ソフトウェアのインストールについては、このマニュアルで後述します。
次のものを用意します。
Java Availability Suite DVD-ROM。Sun Cluster 3.2 ソフトウェアが収録されています。
パッチ。SunSolveSM の Web サイトにアクセスしてダウンロードできます。
管理コンソールでスーパーユーザーになります。
インストール済みの Solaris 10 11/06 ソフトウェアをまだ構成していない場合は、構成を行います。
詳細は、『Sun Ultra 20 Workstation Getting Started Guide』 (819–2148) を参照してください。
Sun Update Connection をダウンロードし、インストールと構成を行います。
詳細は、http://www.sun.com/service/sunupdate/gettingstarted.html を参照してください。Sun Update Connection のマニュアルは http://docs.sun.com/app/docs/coll/1320.2 で入手できます。
Sun Update Connection を使用して、Solaris 10 のパッチをダウンロードし、適用します。
DVD-ROM ドライブに Java Availability Suite DVD-ROM を挿入します。
Solaris_sparc/Product/sun_cluster/Solaris_10/Packages/ ディレクトリに移動します。
クラスタコントロールパネルのソフトウェアパッケージとマニュアルページをインストールします。(日本語環境でクラスターコントロールパネルを使用したい場合は、SUNWjccon および SUNWjscman ソフトウェアパッケージもインストールします。)
admincon# pkgadd -d . SUNWccon SUNWscman |
DVD-ROM に含まれていないディレクトリに移動し、DVD-ROM を取り出します。
host# cd / host# eject cdrom |
クラスタ名と 2 つのノード名を含む /etc/cluster ファイルを作成します。
admincon# vi /etc/clusters sccluster phys-sun phys-moon |
両方のノード名と、各ノードで管理ネットワークへの接続に使用されるホスト名およびポート番号を含む、/etc/serialports ファイルを作成します。
admincon# vi /etc/serialports phys-sun phys-sun 46 phys-moon phys-moon 47 |
Sun Cluster の PATH および MANPATH を .cshrc ユーザー初期化ファイルに追加します。
PATH エントリに、/opt/SUNWcluster/bin を追加します。
MANPATH エントリに、/opt/SUNWcluster/man と /usr/cluster/man を追加します。
変更内容を初期化します。
admincon# cd admincon# source .cshrc |
ここでは、Sun Cluster ソフトウェアのインストールに必要な条件を満たすように Solaris 10 OS をインストールする方法について説明します。
使用しているシステムにすでに Solaris OS がインストールされているものの、Sun Cluster ソフトウェアのインストールに必要な条件が満たされていない場合は、ここで説明する手順を実行して、インストールの必要条件を満たすように Solaris ソフトウェアを再インストールしてください。
次のものを用意します。
SPARC プラットフォーム対応 Solaris 10 11/06 ソフトウェア DVD-ROM。
パッチ。SunSolve の Web サイトにアクセスしてダウンロードできます。
クラスタのすべてのパブリックホスト名と論理アドレスを、ネームサービスに追加します。
この手順の IP アドレスは単なる例であり、実際のパブリックネットワークで使用できる有効なものではありません。この手順を実行するときは独自の IP アドレスに置き換えてください。
192.168.10.1 phys-sun 192.168.10.2 phys-moon 192.168.10.3 apache-lh 192.168.10.4 nfs-lh 192.168.10.5 oracle-lh 192.168.10.6 admincon 192.168.11.1 phys-sun-11 192.168.11.2 phys-moon-11 192.168.11.3 se3510fc 192.168.11.4 admincon-11 |
ネームサービスの詳細は、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』を参照してください。
管理コンソールから、cconsole(1M) ユーティリティーを起動します。
admincon# cconsole & |
cconsole ユーティリティーを使用して個々のクラスタノードと通信するか、またはマスターウィンドウを使用して両方のノードに同時にコマンドを送信します。
phys-sun の DVD-ROM ドライブに Solaris 10 11/06 DVD-ROM を挿入します。
phys-sun のコンソールウィンドウにアクセスします。
phys-sun を起動します。
システムが新規の場合は、電源を入れます。
システムが現在実行中の場合は、システムをシャットダウンします。
phys-sun# init 0 |
ok プロンプトが表示されます。
ok setenv auto-boot? false |
自動再起動を無効にすることで、絶え間なく起動を繰り返すことを防ぎます。
エイリアスをディスクに割り当てることにより、デフォルトのディスクから起動できない場合に 2 台目のディスクにアクセスして起動することが可能になります。
ディスクを表示して起動ディスクを選択します。
ok show-disks … Enter selection, q to quit: X |
エイリアス名 rootdisk を、選択したディスクに割り当てます。
ok nvalias rootdisk Control-Y |
Control-Y のキー操作により、「show-disks」メニューから選択したディスク名が入力されます。
ディスクエイリアスを保存します。
ok nvstore |
前の手順を繰り返して、代替の起動ディスクを特定し、エイリアス名 backup_root を割り当てます。
デフォルト起動ディスクとバックアップ起動ディスクのエイリアスに、boot-device 環境変数を設定します。
ok setenv boot-device rootdisk backup_root |
詳細は、『OpenBoot 4.x Command Reference Manual』を参照してください。
Solaris のインストールプログラムを起動します。
ok boot cdrom |
プロンプトの指示に従います。
手順 3 に戻り、phys-moon について前の手順を繰り返します。
両方のノードで、Sun Update Connection をダウンロードし、インストールと構成を行います。
詳細は、http://www.sun.com/service/sunupdate/gettingstarted.html を参照してください。Sun Update Connection のマニュアルは http://docs.sun.com/app/docs/coll/1320.2 で入手できます。
両方のノードで、Sun Update Connection を使用して、Solaris 10 のパッチをダウンロードし、適用します。
両方のノードで次の手順を実行します。ここで説明する手順では C シェル環境を使用します。別のシェルを使用している場合は、そのシェル環境における同等の作業を実行してください。
詳細は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「ユーザーの作業環境のカスタマイズ」を参照してください。
まだ開いていない場合は、cconsole マスターコンソールウィンドウを開きます。
マスターコンソールウィンドウを使用し、この手順に示したステップを両方のノードで同時に実行します。
umask と環境変数の設定を表示します。
phys-X# umask phys-X# env | more |
まだ設定していない場合は、umask を 22 に設定します。
このエントリによって、新規に作成されるファイルのデフォルトのアクセス権が設定されます。
umask 022 |
/usr/bin
/usr/cluster/bin
/usr/sbin
/usr/ccs/bin
/oracle/oracle/product/10.2.0/bin
/usr/cluster/man
/usr/apache/man
ORACLE_BASE および ORACLE_SID 環境変数を設定します。
ORACLE_BASE=/oracle ORACLE_SID=orasrvr |
設定の変更内容を確認します。
phys-X# umask phys-X# env | more |
ここでは、クイックスタート構成をサポートするために特定のシステム設定を変更する方法について説明します。
両方のノードで、Solaris マルチパス機能を有効にします。
phys-X# /usr/sbin/stmsboot -e |
Solaris の I/O マルチパスを有効にします。
詳細は、stmsboot(1M) のマニュアルページを参照してください。
両方のノードで、/etc/inet/ipnodes ファイルを更新し、クラスタのすべてのパブリックホスト名と論理アドレスを追加します。
loghost エントリを除いて、これらのエントリは両方のノードで同じです。
この手順の IP アドレスは単なる例であり、実際のパブリックネットワークで使用できる有効なものではありません。この手順を実行するときは独自の IP アドレスに置き換えてください。
phys-X# vi /etc/inet/ipnodes |
phys-sun で、次のエントリを追加します。
127.0.0.1 localhost 192.168.10.1 phys-sun loghost 192.168.10.2 phys-moon 192.168.10.3 apache-lh 192.168.10.4 nfs-lh 192.168.10.5 oracle-lh 192.168.10.6 admincon 192.168.11.1 phys-sun-11 192.168.11.2 phys-moon-11 192.168.11.3 se3510fc-11 192.168.11.4 admincon-11 |
phys-moon で、次のエントリを追加します。
127.0.0.1 localhost 192.168.10.1 phys-sun 192.168.10.2 phys-moon loghost 192.168.10.3 apache-lh 192.168.10.4 nfs-lh 192.168.10.5 oracle-lh 192.168.10.6 admincon 192.168.11.1 phys-sun-11 192.168.11.2 phys-moon-11 192.168.11.3 se3510fc-11 192.168.11.4 admincon-11 |
両方のノードで、次のカーネルパラメータが Oracle に必要な最小値以上に設定されていることを確認します。
default プロジェクトの設定を表示します。
phys-X# prctl -i project default |
カーネルパラメータがまったく設定されていない場合や、いずれかのカーネルパラメータが Oracle に必要な最小値 (次の表を参照) に設定されていない場合は、パラメータを設定します。
phys-X# projmod -s -K "parameter=(priv,value,deny)" default |
Oracle のカーネルパラメータ |
必要な最小値 |
---|---|
process.max-sem-nsems |
256 |
project.max-sem-ids |
100 |
project.max-shm-ids |
100 |
project.max-shm-memory |
4294967295 |
新しい設定を確認します。
phys-X# prctl -i project default |
これらの設定は、Sun Cluster のクイックスタート構成において Oracle ソフトウェアをサポートするために必要な最小値です。これらのパラメータについては、『Oracle10g Installation Guide』を参照してください。
両方のノードで、次のエントリを /etc/system ファイルに追加します。
phys-X# vi /etc/system set ce:ce_taskq_disable=1 exclude:lofs |
1 番目のエントリによって、プライベートインターコネクトのための ce アダプタがサポートされます。
2 番目のエントリによって、ループバックファイルシステム (LOFS) が無効になります。Sun Cluster HA for NFS を可用性の高いローカルファイルシステムで構成するときは LOFS を無効にする必要があります。Sun Cluster HA for NFS を構成するときに LOFS を無効にする別の方法や詳細については、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』の「Solaris OS の機能制限」で、ループバックファイルシステムに関する情報を参照してください。
これらの変更は次回のシステム再起動時に有効になります。
両方のノードで、/devices および /dev エントリを更新します。
phys-X# devfsadm -C |
両方のノードで、ストレージアレイが表示されることを確認します。
phys-X# luxadm probe |
この手順では、指定されたディスクがデータベースの複製の作成に使用できるものと仮定しています。この手順を実行するときは、ディスク名を独自のものに置き換えてください。
両方のノードで、状態データベースの複製を作成します。
2 台の内部ディスクのそれぞれに、3 つの複製を作成します。
phys-X# metadb -af -c 3 c0t0d0s7 phys-X# metadb -a -c 3 c0t1d0s7 |
両方のノードで、複製を確認します。
phys-X# metadb flags first blk block count a u 16 8192 /dev/dsk/c0t0d0s7 a u 8208 8192 /dev/dsk/c0t0d0s7 a u 16400 8192 /dev/dsk/c0t0d0s7 a u 16 8192 /dev/dsk/c0t1d0s7 a u 8208 8192 /dev/dsk/c0t1d0s7 a u 16400 8192 /dev/dsk/c0t1d0s7 |
この作業は、一度に 1 つのノードで実行してください。
この手順では、クラスタノードに内部非共有ディスク c0t0d0 および c0t1d0 が含まれていると仮定しています。必要に応じて、ここで説明する手順の内部ディスク名を独自のものに置き換えてください。
phys-sun で、ルートスライス c0t0d0s0 を単一スライス (一方向) 連結に配置します。
phys-sun# metainit -f d10 1 1 c0t0d0s0 |
他方の内部ディスク c0t1d0s0 を使用して 2 番目の連結を作成します。
phys-sun# metainit d20 1 1 c0t1d0s0 |
1 つのサブミラーを使用して一方向のミラーを作成します。
phys-sun# metainit d0 -m d10 |
ルートディレクトリのシステムファイルを設定します。
phys-sun# metaroot d0 |
metaroot コマンドを使用して /etc/vfstab ファイルと /etc/system ファイルを編集し、システムがメタデバイス上またはボリューム上のルート (/) ファイルシステムからブートされるように指定します。詳細は、metaroot(1M) のマニュアルページを参照してください。
すべてのファイルシステムをフラッシュします。
phys-sun# lockfs -fa |
lockfs コマンドを実行すると、マウントされているすべての UFS ファイルシステム上で、すべてのトランザクションがログからフラッシュされ、マスターファイルシステムに書き込まれます。詳細は、lockfs(1M) のマニュアルページを参照してください。
ノードを再起動し、新しくミラー化したルート (/) ファイルシステムを再マウントします。
phys-sun# init 6 |
2 番目のサブミラーをこのミラーに接続します。
phys-sun# metattach d0 d20 |
詳細は、metattach(1M) のマニュアルページを参照してください。
主起動デバイスで起動に失敗した場合は、この代替起動デバイスから起動できます。代替起動デバイスについては、『Solaris ボリュームマネージャの管理』の「RAID-1 ボリュームの作成」を参照してください。
phys-sun# ls -l /dev/rdsk/c0t1d0s0 |
この作業では、Sun Cluster フレームワークのソフトウェアパッケージと、Sun Cluster HA for Apache、Sun Cluster HA for NFS、Sun Cluster HA for Oracle の各データサービスのソフトウェアパッケージをインストールします。
次のものを用意します。
Java Availability Suite DVD-ROM。Sun Cluster 3.2 ソフトウェアが収録されています。
パッチ。SunSolve の Web サイトにアクセスしてダウンロードできます。
phys-sun で、DVD-ROM ドライブに Java Availability Suite DVD-ROM を挿入します。
Java Enterprise System (ES) installer プログラムを起動します。
phys-sun# ./installer |
Java ES installer プログラムの使用法の詳細については、『Sun Java Enterprise System 5 Installation Guide for UNIX』を参照してください。
画面の指示に従い、Sun Cluster フレームワークパッケージをインストールします。
インストールが完了すると、installer プログラムによってインストールの概要が表示されます。この概要により、インストール中にプログラムによって生成された記録を参照できます。これらのログは、/var/sadm/install/logs/ ディレクトリにあります。
DVD-ROM に含まれていないディレクトリに移動し、DVD-ROM を取り出します。
host# cd / host# eject cdrom |
手順 1 に戻り、phys-moon についてすべての手順を繰り返します。
両方のノードで、Sun Update Connection を使用し、必要なパッチをすべてダウンロードして適用します。
ここで説明する手順は両方のノードで実行します。
まだ開いていない場合は、cconsole マスターコンソールウィンドウを開きます。
マスターコンソールウィンドウを使用し、この手順に示したステップを両方のノードで同時に実行します。
Oracle Inventory グループ oinstall とデータベース管理者グループ dba を作成します。
phys-X# groupadd oinstall phys-X# groupadd dba |
Oracle ユーザーアカウント oracle を作成します。
Oracle ホームディレクトリ /oracle/oracle/product/10.2.0 を指定します。dba を一次グループとして設定し、oinstall を二次グループとして設定します。
phys-X# useradd -g dba -G oinstall -d /oracle/oracle/product/10.2.0 oracle |
phys-X# passwd -r files oracle |