この章では、Sun Cluster 定足数サーバー をインストールおよび削除する方法について説明します。この章は、次の節で構成されます。
パブリックネットワークを経由してクラスタに接続されている任意のコンピュータに、定足数サーバーソフトウェアをインストールできます。定足数サーバーはクラスタノード上で実行すべきではありません。
Sun Cluster 定足数サーバー ソフトウェアをインストールするには、少なくとも 1M バイトのディスク容量が必要です。インストールは、ほかの Sun Java Enterprise System コンポーネントからは独立してできます。Sun Cluster 定足数サーバー ソフトウェアは、Java Enterprise System の共有コンポーネントのインストールには依存せず、また Sun Cluster コアソフトウェアやそのエージェントソフトウェアのインストールにも依存しません。
定足数サーバーを使用する場合は、定足数サーバーが動作するクラスタのパブリックネットワークに接続されたポートの Ethernet スイッチのスパニングツリーアルゴリズムを無効にします。
インストールするホストサーバー上でスーパーユーザーになります。
% su - |
インストールにはルートアクセス権が必要です。
(省略可能) GUI で installer プログラムを使用するには、インストール作業を行うホストサーバーの表示環境を、GUI を表示するように設定します。
# xhost + # setenv DISPLAY nodename:0.0 |
インストールメディアをドライブにロードします。
ボリューム管理デーモン (vold(1M)) が実行中で、CD-ROM または DVD デバイスを管理するよう構成されている場合、このデーモンは自動的にメディアを /cdrom/cdrom0/ ディレクトリにマウントします。
ディレクトリを、メディアのインストールウィザードのディレクトリに変更します。
SPARC プラットフォームにソフトウェアパッケージをインストールする場合は、次のコマンドを入力します。
phys-schost# cd /cdrom/cdrom0/Solaris_sparc |
x86 プラットフォームにソフトウェアパッケージをインストールする場合は、次のコマンドを入力します。
phys-schost# cd /cdrom/cdrom0/Solaris_x86 |
インストールウィザードを起動します。
phys-schost# ./installer |
画面の指示に従って、ホストサーバーに定足数サーバーソフトウェアをインストールします。
「あとで設定」オプションを選択します。
インストーラで「あとで設定」オプションを選択できない場合、「今すぐ設定」を選択します。この選択でも、第 2 章「Sun Cluster 定足数サーバー ソフトウェアの構成」の指示に従って、定足数サーバーを構成する必要があります。
インストールが完了すると、インストールログを表示できます。Java Enterprise System の installer プログラムの使用法の詳細については、『Sun Java Enterprise System 2006Q4 Installation Guide for UNIX』を参照してください。
ドライブからインストールメディアを取り出します。
定足数サーバーソフトウェアをサポートするすべての必要なパッチを適用します。
パッチの場所とインストールの指示については、『Sun Cluster 3.2 ご使用にあたって (Solaris OS 版)』の「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。
定足数サーバーのバイナリを PATH 環境変数に追加します。
# PATH=$PATH:/usr/cluster/bin |
定足数サーバーのマニュアルページを MANPATH 環境変数に追加します。
# MANPATH=$MANPATH:/usr/cluster/man |
インストーラは、Sun Cluster 定足数サーバー パッケージの単純な pkgadd インストールを実行し、必要なディレクトリを設定します。ソフトウェアは次のパッケージから構成されています。
SUNWscqsr
SUNWscqsu
SUNWscqsman
これらのパッケージの pkgadd は、/usr/cluster および /etc/scqsd ディレクトリにソフトウェアを追加します。Sun Cluster 定足数サーバー ソフトウェアの場所を変更することはできません。
定足数サーバーに関するインストールエラーメッセージが表示される場合は、パッケージが正しくインストールされているかどうか確認します。
システムでデフォルトの定足数サーバーのみが必要である場合は、「定足数サーバーを起動する」の指示に従って定足数サーバーを起動します。
システムで特別に構成された定足数サーバーが必要である場合、または複数の定足数サーバーが必要である場合は、「同一ホスト上での複数の定足数サーバーの構成」の手順に従って定足数サーバーを構成します。
定足数サーバーソフトウェアのアンインストールを実行する前に、次の作業を完了していることを確認します。
各ノードで、『Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)』の「定足数デバイスを削除する」の手順を実行することにより、削除される定足数サーバーに対して構成されているすべての定足数サーバー定足数デバイスの構成を解除します。
通常の動作では、この手順により定足数サーバーホスト上の定足数サーバーの情報も削除されます。この手順の間にクラスタと定足数サーバーホストの間の通信がダウンした場合は、ホスト上の無効な定足数サーバーの情報をクリーンアップします。このクリーンアップを実行するには、「期限切れの定足数サーバークラスタ情報のクリーンアップ」の手順を実行します。
各定足数サーバーホストコンピュータ上で、「定足数サーバーを停止する」の手順に従って、定足数サーバーを停止します。
(省略可能) 対話型のグラフィカルインタフェースを使用して Java Enterprise System のコンポーネントをアンインストールするには、アンインストールするホストサーバーの表示環境を GUI を表示するように設定します。
% xhost + % setenv DISPLAY nodename:0.0 |
アンインストールするホストサーバー上でスーパーユーザーになります。
ソフトウェアを削除するにはルートアクセス権が必要です。
アンインストーラが格納されているディレクトリに移動します。
phys-schost# cd /var/sadm/prod/SUNWentsysver |
システムにインストールされている Java Enterprise System のバージョンです。
インストールウィザードを起動します。
phys-schost# ./uninstall |
画面の指示に従って、ホストサーバーで定足数サーバーソフトウェアをアンインストールします。
削除が完了したあとは、使用可能なすべてのログを表示できます。Java Enterprise System の installer プログラムの使用法の詳細については、『Sun Java Enterprise System 2006Q4 Installation Guide for UNIX』を参照してください。
(省略可能) 各定足数サーバーホストコンピュータ上で、定足数サーバーのディレクトリをクリーンアップまたは削除します。
デフォルトでは、このディレクトリは /var/scqsd です。