Solaris Volume Manager の構成を計画する際は、次の点を考慮してください。
ローカル ボリューム名 – グローバルデバイスファイルシステム、/global/.devices/node@nodeid がマウントされるそれぞれのローカル Solaris Volume Manager ボリュームの名前は、クラスタ全体で一意になるようにします。また、その名前はどのデバイス ID (DID) 名とも同じであってはなりません。
二重列メディエータ – 2 つの列だけで構成されていて、2 つのノードでマスターされている各ディスクセットでは、そのディスクセット用に構成されている Solaris Volume Manager メディエータを使用する必要があります。列は、ディスク格納装置、その物理ディスク、格納装置から 1 つまたは複数のノードへのケーブル、インタフェースアダプタカードで構成されます。二重列メディエータの構成には、次の規則に従ってください。
各ディスクセットは、メディエータホストとして機能する 2 つのノードで構成します。
メディエータを必要とするすべてのディスクセットに対して、2 つの同じノードを使用する必要があります。これら 2 つのノードがディスクセットをマスターする必要があります。
メディエータは、列およびホストが 2 つずつという要件を満たしていないディスクセットに対しては構成できません。
詳細は、mediator(7D) のマニュアルページを参照してください。
/kernel/drv/md.conf 設定 – SPARC:Solaris 9 OS では、それぞれのディスクセットが使用する Solaris Volume Manager ボリュームは、再構成起動時にあらかじめ作成されます。再構成は、/kernel/drv/md.conf ファイルに含まれる構成パラメータに基づいています。
Solaris 10 リリースで、Solaris Volume Manager はボリュームを動的に構成するように拡張されました。/kernel/drv/md.conf ファイルの nmd パラメータと md_nsets パラメータを編集しなくてすみます。新しいボリュームは必要に応じて作成されます。
Solaris 9 OS で Sun Cluster 構成をサポートするには、nmd フィールドと md_nsets フィールドを次のように変更します。
すべてのクラスタノードの /kernel/drv/md.conf ファイルの内容は、それぞれのノードがサービスを提供するディスクセット数に関係なく、同一である必要があります。このガイドラインに従わないと、重大な Solaris Volume Manager エラーが発生し、データが失われることがあります。
md_nsets – md_nsets フィールドは、システムでクラスタ全体のニーズを満たすために作成できるディスクセットの合計数を定義できます。md_nsets の値は、クラスタ内で予想されるディスクセットの数に 1 を加えた値に設定します。Solaris Volume Manager ソフトウェアは、追加のディスクセットを使用して、ローカルホスト上のプライベートディスクを管理します。
1 つのクラスタで使用できるディスクセットの最大数は 32 です。32 のうち、31 ディスクセットは一般的な使用のためで、1 ディスクセットは、プライベート ディスクの管理用に使われます。md_nsets のデフォルト値は 4 です。
nmd – nmd フィールドは、クラスタに存在するすべてのボリューム名のうち、予想される最大値を定義します。たとえば、あるクラスタの 15 番目までのディスクセットで使用されるボリューム名の最大数が 10 であるが、16 番目のディスクセットで使用されるボリュームの最大数が 1000 である場合、nmd の値を 1000 以上に設定します。また、nmd の値は各デバイス ID 名に十分な数を保証する大きさである必要があります。この値は、各ローカルボリューム名がクラスタ全体で一意になるように十分に大きな値を設定してください。
1 つのディスクセットで使用できるボリューム名の最大数は 8192 です。nmd のデフォルト値は 128 です。
インストール時、これら 2 つのフィールドに、将来予想されるクラスタの拡張を考慮した値を設定してください。クラスタの使用を開始した後で、これらのフィールド値を増やそうとすると、時間がかかります。値を変更すると、すべてのノードで再構成再起動が必要になるからです。また、後でこれらの値を増やす場合、要求されたデバイスを作成するには、ルート (/) ファイルシステムに確保された領域では不十分という可能性が高まります。
同時に、nmd フィールドおよび md_nsets フィールドには、できる限り小さい値を使用してください。デバイスを作成していなくても nmd および md_nsets によって指定された値に基づいて、可能性のあるすべてのデバイス分をメモリー構造上に確保します。最適なパフォーマンスを得るには、nmd と md_nsets の値を、使用するボリュームの数よりもわずかに高く維持します。
md.conf ファイルについての詳細は、「System Files and Startup Files」 in 『Solaris Volume Manager Administration Guide』 (Solaris 9または Solaris 10) を参照してください。