この章では、Sun Cluster モジュールを Sun Management Center グラフィカルユーザーインタフェース (GUI) にインストールするためのガイドラインと手順について説明します。
この節では、Sun Management Center に Sun Cluster モジュール用のソフトウェアをインストールするための情報と手順を紹介します。
Sun Management Center 用の Sun Cluster モジュールにより、Sun Management Center でクラスタを監視できます。次の表に、Sun Management Center 用の Sun Cluster モジュールソフトウェアをインストールするために実行する作業を示します。
表 7–1 作業マップ: Sun Management Center 用の Sun Cluster モジュールのインストール
作業 |
参照先 |
---|---|
1. Sun Management Center サーバー、エージェントおよびコンソールパッケージをインストール |
Sun Management Center のマニュアル |
2. Sun Cluster– モジュールパッケージをインストール |
「SPARC: Sun Cluster モジュールを Sun Management Center 用にインストールする」 |
3. Sun Management Center サーバー、コンソール、エージェントプロセスを起動 | |
4. 各クラスタノードを Sun Management Center エージェントホストオブジェクトとして追加 |
「SPARC: クラスタノードを Sun Management Center エージェントホストオブジェクトとして追加する」 |
5. Sun Cluster モジュールを読み込んで、クラスタの監視を開始 |
Sun Management Center の Sun Cluster モジュールは、Sun Cluster 構成を監視するために使用されます。Sun Cluster モジュールパッケージをインストールする前に、次の必要条件を確認してください。
ディスク容量 - Sun Cluster– モジュールパッケージ用に、各クラスタノードに 25 M バイトの容量があることを確認します。
Sun Management Center インストール - Sun Management Center インストールマニュアルの手順に従って、Sun Management Center ソフトウェアをインストールしてください。
次に Sun Cluster 構成の追加の必要条件を示します。
各クラスタノードに Sun Management Center エージェントパッケージをインストールします。
エージェントマシン (クラスタノード) に Sun Management Center をインストールするときは、エージェント (SNMP) の通信ポートにデフォルトの 161 を使用するか、別の番号を使用するかを選択します。このポート番号によって、サーバーはこのエージェントと通信できるようになります。後で監視用のクラスタノードを構成するときに参照できるように、選択したポート番号を控えておいてください。
SNMP ポート番号の選択については、Sun Management Center のインストールマニュアルを参照してください。
管理コンソールやその他の専用マシンを使用している場合は、管理コンソール上でコンソールプロセスを実行し、別のマシン上でサーバープロセスを実行できます。このインストール方法を用いると、Sun Management Center のパフォーマンスを向上できます。
最もよい結果を得るには、Sun Management Center サーバーとコンソールパッケージをクラスタ以外のマシンにインストールしてください。
サーバーまたはコンソールパッケージをクラスタノードにインストールするように選択すると、次のような悪影響が出る場合があります。
Sun Management Center プロセスからの負荷の増加により、クラスタのパフォーマンスが大幅に低下する可能性があります。これは、特にクラスタノードで Sun Management Center サーバーを実行している場合に、発生する可能性が高まります。
サーバをクラスタノードにインストールすると、Sun Management Center は可用性が高くなりません。別のノードへのフェイルオーバー中などにノードが停止すると、Sun Management Center サービスが停止します。
Web ブラウザ - Sun Management Center と接続するのに使用する Web ブラウザが Sun Management Center でサポートされていることを確認します。サポートされていない Web ブラウザでは、一部の機能が利用できない可能性があります。サポートされる Web ブラウザと構成の必要条件については、Sun Management Center のマニュアルを参照してください。
以下の手順を実行して、Sun Cluster– モジュールサーバーパッケージをインストールします。
Sun Cluster モジュールエージェントパッケージ (SUNWscsal および SUNWscsam) は、Sun Cluster ソフトウェアのインストール中にクラスタノードにすでに追加されています。
Sun Management Center のコアパッケージが適切なマシン上にインストールされていることを確認します。この作業には、各クラスタノードでの Sun Management Center エージェントパッケージのインストールが含まれます。インストール方法については、Sun Management Center のマニュアルを参照してください。
Sun Management Center サーバーマシンに、Sun Cluster– モジュールサーバーパッケージである SUNWscssv をインストールします。
スーパーユーザーになります。
DVD-ROM ドライブに Sun Java Availability Suite DVD-ROM を挿入します。
ボリューム管理デーモン vold(1M) が実行され、CD-ROM または DVD デバイスを管理するように設定されている場合、このデーモンは自動的にメディアを /cdrom/cdrom0/ ディレクトリにマウントします。
Solaris_sparc/Product/sun_cluster/Solaris_ver/Packages/ ディレクトリに移動します (ver は、Solaris 9 の場合 9 または Solaris 10 の場合 10 です)。
phys-schost# cd /cdrom/cdrom0/Solaris_sparc/Product/sun_cluster/Solaris_ver/Packages/ |
Sun Cluster モジュールサーバーパッケージをインストールします。
phys-schost# pkgadd -d . SUNWscssv |
DVD-ROM ドライブから Sun Java Availability Suite DVD-ROM を取り出します。
Sun Cluster モジュールパッチをインストールします。
パッチおよびインストール手順の場所については、『Sun Cluster 3.2 2/08 Release Notes for Solaris OS』の「Patches and Required Firmware Levels」を参照してください。
Sun Management Center を起動します。「SPARC: Sun Management Center を起動する」に進みます。
次の手順を実行して、Sun Management Center サーバー、エージェント、コンソールプロセスを起動します。
スーパーユーザとして、Sun Management Center サーバーマシンで Sun Management Center サーバープロセスを起動します。
install-dir は、Sun Management Center ソフトウェアをインストールしたディレクトリです。デフォルトディレクトリは /opt です。
server# /install-dir/SUNWsymon/sbin/es-start -S |
スーパーユーザーとして、各 Sun Management Center エージェントマシン (クラスタノード) ごとに Sun Management Center エージェントプロセスを起動します。
phys-schost# /install-dir/SUNWsymon/sbin/es-start -a |
各 Sun Management Center エージェントマシン (クラスタノード) 上で、scsymon_srv デーモンが動作していることを確認します。
phys-schost# ps -ef | grep scsymon_srv |
任意のクラスタノード上で scsymon_srv デーモンが動作していない場合、そのノード上でデーモンを起動します。
phys-schost# /usr/cluster/lib/scsymon/scsymon_srv |
Sun Management Center コンソールマシン (管理コンソール) で Sun Management Center コンソールを起動します。
コンソールプロセスを起動するには、スーパーユーザである必要はありません。
adminconsole% /install-dir/SUNWsymon/sbin/es-start -c |
クラスタノードを監視対象のホストオブジェクトとして追加します。「SPARC: クラスタノードを Sun Management Center エージェントホストオブジェクトとして追加する」に進みます。
次の手順を実行して、クラスタノードの Sun Management Center エージェントホストオブジェクトを作成します。
Sun Management Center にログインします。
Sun Management Center のマニュアルを参照してください。
Sun Management Center のメインウィンドウで、「ドメイン」プルダウンリストからドメインを選択します。
作成する Sun Management Center エージェントホストオブジェクトがこのドメインに格納されます。Sun Management Center ソフトウェアのインストール中に、「デフォルトのドメイン」が自動的に作成されています。このドメインを使用するか、別の既存のドメインを選択するか、または新しいドメインを作成します。
Sun Management Center ドメインの作成方法については、Sun Management Center のマニュアルを参照してください。
プルダウンメニューから「編集」?「オブジェクトの作成」の順に選択します。
「ノード」タブを選択します。
「監視ツール」プルダウンリストから、「エージェントホスト」を選択します。
「ノードラベル」および「ホスト名」テキストフィールドにクラスタノードの名前 (phys-schost-1 など) を入力します。
「IP」テキストフィールドは空白のままにしておきます。「説明」テキストフィールドはオプションです。
「ポート」テキストフィールドに、Sun Management Center エージェントマシンのインストール時に選択したポート番号を入力します。
「了解」をクリックします。
ドメインに Sun Management Center エージェントホストオブジェクトが作成されます。
Sun Cluster モジュールを読み込みます。「SPARC: Sun Cluster モジュールを読み込む」に進みます。
クラスタ全体に対して Sun Cluster モジュールの監視および構成機能を使用するのに必要なクラスタノードホストオブジェクトは、1 つだけです。ただし、そのクラスタノードが利用不能になると、ホストオブジェクトを通じてクラスタと接続することもできなくなります。したがって、クラスタに再接続するには、別のクラスタノードホストオブジェクトが必要となります。
次の手順を実行して、クラスタ監視機能を起動します。
Sun Management Center のメインウィンドウで、クラスタノードのアイコンを右クリックします。
プルダウンメニューが表示されます。
「モジュールの読み込み」を選択します。
「モジュールの読み込み」ウィンドウに、利用可能な各 Sun Management Center モジュールと、そのモジュールが現在読み込まれているかどうかが表示されます。
「Sun Cluster」を選択します。「了解」をクリックします。
「モジュールの読み込み」ウィンドウに、選択したモジュールの現在のパラメータ情報が表示されます。
「了解」をクリックします。
数分後、そのモジュールが読み込まれます。Sun Cluster アイコンが「詳細」ウィンドウに表示されます。
Sun Cluster モジュールが読み込まれていることを確認します。
「オペレーティングシステム」カテゴリで、次のいずれかの方法で Sun Cluster サブツリーを展開します。
Sun Management Center の使用方法については、Sun Management Center のマニュアルを参照してください。
Sun 以外のアプリケーションをインストールし、リソースタイプを登録し、リソースグループを設定し、データサービスを構成します。アプリケーションソフトウェアに付属のマニュアルおよび 『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』を参照してください。