Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)

ProcedureHitachi TrueCopy を使用して DID デバイスを複製用に構成する

始める前に

複製されたデバイス用にデバイスグループを構成したあと、複製されたデバイスが使用するデバイス識別子 (DID) ドライバを構成します。

この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短形式については、付録 A 「Sun Cluster オブジェクト指向コマンド」を参照してください。

  1. クラスタの任意のノードで、スーパーユーザーになるか、RBAC の承認 solaris.cluster.modify を提供する役割になります。

  2. すべてのノード上で horcm デーモンが実行中であることを確認します。

    実行されていない場合は、次のコマンドでデーモンが起動されます。デーモンがすでに実行されている場合は、システムによりメッセージが表示されます。


    # /usr/bin/horcmstart.sh
  3. pairdisplay コマンドを実行して、どのノードに二次複製が含まれているかを判別します。


    # pairdisplay -g group-name
    Group PairVol(L/R) (Port#,TID,LU),Seq#,LDEV#,P/S,Status,Fence,Seq#,P-LDEV# M 
    group-name pair1(L) (CL1-C , 0, 9) 54321   58..P-VOL PAIR DATA ,12345 29   -
    group-name pair1(R) (CL1-A , 0, 29)12345   29..S-VOL PAIR DATA ,----- 58   -

    S-VOL 状態のローカル (L) デバイスを持つノードには二次複製が含まれています。

  4. (前の手順で判別した) 二次複製を持つノードで、ストレージベースの複製で使用するための DID デバイスを構成します。

    このコマンドは、デバイス複製ペアの 2 つの独立した DID インスタンスを、1 つの論理 DID インスタンスに結合します。この 1 つのインスタンスにより、そのデバイスをボリューム管理ソフトウェアで両側から使用できるようになります。


    注意 – 注意 –

    二次複製に複数のノードが接続されている場合、このコマンドは、それらのノードのうちの 1 つのノード上でのみ実行してください。



    # cldevice replicate -D primary-replica-nodename -S secondary replica-nodename
    
    primary-replica-nodename

    主複製が格納されているリモートノードの名前を指定します。

    -S

    現在のノード以外のソースノードを指定します。

    secondary replica-nodename

    二次複製が格納されているリモートノードの名前を指定します。


    注 –

    デフォルトでは、現在のノードがソースノードです。-S オプションは、別のソースノードを指定するのに使用します。


  5. DID インスタンスが結合されていることを確認します。


    # cldevice list -v logical_DID_device
    
  6. TrueCopy 複製が設定されていることを確認します。


    # cldevice show logical_DID_device
    

    コマンド出力には、truecopy が複製タイプであることが示されるはずです。

  7. DID の再マッピングによって、すべての複製されたデバイスが正しく結合されなかった場合、手動で個別の複製されたデバイスを結合します。


    注意 – 注意 –

    DID インスタンスを手動で結合する際には、特に注意してください。デバイスの再マッピングが正しくないと、データが破損する可能性があります。


    1. 二次複製が含まれるすべてのノード上で cldevice combine コマンドを実行します。


      # cldevice combine -d destination-instance source-instance
      
      -d destination-instance

      主複製に対応するリモート DID インスタンス。

      source-instance

      二次複製に対応するローカル DID インスタンス。

    2. DID の再マッピングが正しく行われたことを確認します。


      # cldevice list desination-instance source-instance
      

    DID インスタンスの 1 つは表示されないはずです。

  8. すべてのノード上で、すべての結合された DID インスタンスの DID デバイスがアクセス可能であることを確認します。


    # cldevice list -v
    
次の手順

複製されたデバイスグループの構成をを完了するには、次の手順を実行します。