Sun Cluster の cluster(1CL) shutdown コマンドは、クラスタサービスを正しい順序で停止し、クラスタ全体をクリーンに停止します。cluster shutdown コマンドは、クラスタの場所を移動するときにも使用できます。また、アプリケーションエラーによってデータが破損した場合に、クラスタを停止するときにも、このコマンドを使用できます。
クラスタ全体を正しく停止するには、shutdown や halt コマンドではなく、 cluster shutdown コマンドを使用します。Solaris の shutdown コマンドは clnode(1CL) evacuate コマンドとともに使用して、個々のノードを停止します。詳細は、「クラスタを停止する」、または「単一クラスタノードの停止と起動」を参照してください。
cluster shutdown コマンドは、次のアクションを実行することによりクラスタ内のすべてのノードを停止します。
すべての実行中のリソースグループをオフラインにする。
すべてのクラスタファイルシステムをマウント解除する。
アクティブなデバイスサービスを停止する。
init 0 を実行してすべてのノードを OpenBootTM PROM ok プロンプトの状態にする (SPARC ベースシステムの場合) か、あるいは GRUB メニューの状態にする (x86 ベースシステムの場合)。GRUB メニューについては、『System Administration Guide: Basic Administration』の第 11 章「GRUB Based Booting (Tasks)」で詳しく説明しています。
必要であれば、ノードを非クラスタモードで (つまり、ノードがクラスタメンバーシップを取得しないように) 起動できます。非クラスタモードは、クラスタソフトウェアをインストールしたり、特定の管理手順を実行する際に役立ちます。詳細は、「非クラスタモードでクラスタノードを起動する」を参照してください。
作業 |
参照先 |
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クラスタの停止 - cluster(1CL shutdown を使用 | |
すべてのノードを起動してクラスタを起動 クラスタメンバーシップを取得できるように、ノードにはクラスタインターコネクトとの動作中の接続が必要です。 | |
クラスタの再起動 - cluster shutdown を使用 「Press any key to continue」というメッセージが表示された時点で、キーを押すことにより各ノードを個別に起動します。 クラスタメンバーシップを取得できるように、ノードにはクラスタインターコネクトとの動作中の接続が必要です。 |
クラスタノードを停止する場合は、クラスタコンソール上で send brk を使用してはいけません。この機能はクラスタ内ではサポートされません。
この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短形式については、付録 A 「Sun Cluster オブジェクト指向コマンド」を参照してください。
SPARC:Oracle Parallel Server または Oracle Real Application Clusters (RAC) が動作しているクラスタの場合、データベースのすべてのインスタンスを停止します。
停止の手順については、Oracle Parallel Server/Real Application Clusters 製品のマニュアルを参照してください。
クラスタ内の任意のノードで、スーパーユーザーになるか、RBAC の承認 solaris.cluster.admin を提供する役割になります。
ただちにクラスタを停止します。
クラスタ内の 1 つのノードから、次のコマンドを入力します。
# cluster shutdown -g0 -y |
SPARC ベースシステムでは、すべてのノードが ok プロンプトの状態になったことを確認します。x86 ベースシステムでは、すべてのノードが GRUB メニューの状態になったことを確認します。
SPARC ベースのシステムではすべてのクラスタノードが ok プロンプトになるまで、x86 ベースシステムではすべてのクラスタノードが Boot Subsystem の状態になるまで、どのノードの電源も切らないでください。
# cluster status -t node |
必要であればノードの電源を切ります。
次に、正常なクラスタの動作を停止して、すべてのノードを停止し、ok プロンプトが表示されたときのコンソールの出力例を示します。ここでは、-g 0 オプションで停止の猶予期間をゼロに設定し、-y オプションで、確認プロンプトに対して自動的に yes と応答するよう指定しています。停止メッセージは、クラスタ内の他のノードのコンソールにも表示されます。
# cluster shutdown -g0 -y Wed Mar 10 13:47:32 phys-schost-1 cl_runtime: WARNING: CMM monitoring disabled. phys-schost-1# INIT: New run level: 0 The system is coming down. Please wait. System services are now being stopped. /etc/rc0.d/K05initrgm: Calling scswitch -S (evacuate) The system is down. syncing file systems... done Program terminated ok |
次に、正常なクラスタの動作を停止して、すべてのノードを停止したときのコンソールの出力例を示します。この例では、すべてのノードで ok プロンプトが表示されません。ここでは、-g 0 オプションで停止の猶予期間をゼロに設定し、-y オプションで、確認プロンプトに対して自動的に yes と応答するよう指定しています。停止メッセージは、クラスタ内の他のノードのコンソールにも表示されます。
# cluster shutdown -g0 -y May 2 10:32:57 phys-schost-1 cl_runtime: WARNING: CMM: Monitoring disabled. root@phys-schost-1# INIT: New run level: 0 The system is coming down. Please wait. System services are now being stopped. /etc/rc0.d/K05initrgm: Calling scswitch -S (evacuate) failfasts already disabled on node 1 Print services already stopped. May 2 10:33:13 phys-schost-1 syslogd: going down on signal 15 The system is down. syncing file systems... done Type any key to continue |
「クラスタを起動する」を参照し、停止したクラスタを再起動します。
この手順では、ノードが停止され、ok プロンプト (SPARC システムの場合) または「Press any key to continue」メッセージ (GRB ベースの x86 システムの場合) が表示されている状態の、クラスタを起動する方法を説明します。
この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短形式については、付録 A 「Sun Cluster オブジェクト指向コマンド」を参照してください。
各ノードをクラスタモードで起動します。
SPARC ベースのシステムでは、次の操作を実行します。
ok boot |
x86 ベースのシステムでは、次の操作を実行します。
GRUB メニューが表示された時点で、適切な Solaris エントリを選択し Enter キーを押します。GRUB メニューは次のようになっています。
GNU GRUB version 0.95 (631K lower / 2095488K upper memory) +-------------------------------------------------------------------------+ | Solaris 10 /sol_10_x86 | | Solaris failsafe | | | +-------------------------------------------------------------------------+ Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted. Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the commands before booting, or 'c' for a command-line. |
クラスタメンバーシップを取得できるように、クラスタノードにはクラスタインターコネクトとの動作中の接続が必要です。
GRUB ベースの起動の詳細については、『System Administration Guide: Basic Administration』の第 11 章「GRUB Based Booting (Tasks)」を参照してください。
ノードが問題なく起動し、オンラインであることを確認します。
cluster(1CL) ステータスコマンドはノードのステータスを報告します。
# cluster status -t node |
クラスタノードの /var ファイルシステムが満杯になると、そのノード上では Sun Cluster が再起動できなくなる可能性があります。この問題が発生した場合は、「満杯の /var ファイルシステムを修復する」を参照してください。
次に、ノード phys-schost-1 を起動してクラスタに結合させたときのコンソールの出力例を示します。クラスタ内の他のノードのコンソールにも同様のメッセージが表示されます。
ok boot Rebooting with command: boot ... Hostname: phys-schost-1 Booting as part of a cluster NOTICE: Node phys-schost-1 with votecount = 1 added. NOTICE: Node phys-schost-2 with votecount = 1 added. NOTICE: Node phys-schost-3 with votecount = 1 added. ... NOTICE: Node phys-schost-1: attempting to join cluster ... NOTICE: Node phys-schost-2 (incarnation # 937690106) has become reachable. NOTICE: Node phys-schost-3 (incarnation # 937690290) has become reachable. NOTICE: cluster has reached quorum. NOTICE: node phys-schost-1 is up; new incarnation number = 937846227. NOTICE: node phys-schost-2 is up; new incarnation number = 937690106. NOTICE: node phys-schost-3 is up; new incarnation number = 937690290. NOTICE: Cluster members: phys-schost-1 phys-schost-2 phys-schost-3. ... |
cluster(1CL) shutdown コマンドを実行し、クラスタを停止してから、各ノード上で boot(1M) コマンドを使用してクラスタを起動します。
この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短形式については、付録 A 「Sun Cluster オブジェクト指向コマンド」を参照してください。
SPARC:Oracle Parallel Server または Oracle RAC が動作しているクラスタの場合、データベースのすべてのインスタンスを停止します。
停止の手順については、Oracle Parallel Server/Real Application Clusters 製品のマニュアルを参照してください。
クラスタ内の任意のノードで、スーパーユーザーになるか、RBAC の承認 solaris.cluster.admin を提供する役割になります。
クラスタを停止します。
クラスタ内の 1 つのノードから、次のコマンドを入力します。
# cluster shutdown -g0 -y |
各ノードが停止します。
クラスタメンバーシップを取得できるように、クラスタノードにはクラスタインターコネクトとの動作中の接続が必要です。
各ノードを起動します。
停止中に構成を変更した場合以外は、どのような順序でノードを起動してもかまいません。停止中に構成を変更した場合は、最新の構成情報を持つノードを最初に起動する必要があります。
SPARC ベースのシステムでは、次の操作を実行します。
ok boot |
x86 ベースのシステムでは、次の操作を実行します。
GRUB メニューが表示された時点で、適切な Solaris エントリを選択し Enter キーを押します。GRUB メニューは次のようになっています。
GNU GRUB version 0.95 (631K lower / 2095488K upper memory) +-------------------------------------------------------------------------+ | Solaris 10 /sol_10_x86 | | Solaris failsafe | | | +-------------------------------------------------------------------------+ Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted. Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the commands before booting, or 'c' for a command-line. |
クラスタメンバーシップを取得できるように、クラスタノードにはクラスタインターコネクトとの動作中の接続が必要です。
GRUB ベースの起動の詳細については、『System Administration Guide: Basic Administration』の第 11 章「GRUB Based Booting (Tasks)」を参照してください。
クラスタコンポーネントが起動すると、起動されたノードのコンソールにメッセージが表示されます。
ノードが問題なく起動し、オンラインであることを確認します。
scstat コマンドを使用してノードの状態を表示します。
# cluster status -t node |
クラスタノードの /var ファイルシステムが満杯になると、そのノード上では Sun Cluster が再起動できなくなる可能性があります。この問題が発生した場合は、「満杯の /var ファイルシステムを修復する」を参照してください。
次に、正常なクラスタの動作を停止して、すべてのノードを停止し、ok プロンプトが表示され、クラスタが再起動したときのコンソールの出力例を示します。ここでは、-g 0 オプションで停止の猶予期間をゼロに設定し、-y オプションで、確認プロンプトに対して自動的に yes と応答するよう指定しています。停止メッセージは、クラスタ内の他のノードのコンソールにも表示されます。
# cluster shutdown -g0 -y Wed Mar 10 13:47:32 phys-schost-1 cl_runtime: WARNING: CMM monitoring disabled. phys-schost-1# INIT: New run level: 0 The system is coming down. Please wait. ... The system is down. syncing file systems... done Program terminated ok boot Rebooting with command: boot ... Hostname: phys-schost-1 Booting as part of a cluster ... NOTICE: Node phys-schost-1: attempting to join cluster ... NOTICE: Node phys-schost-2 (incarnation # 937690106) has become reachable. NOTICE: Node phys-schost-3 (incarnation # 937690290) has become reachable. NOTICE: cluster has reached quorum. ... NOTICE: Cluster members: phys-schost-1 phys-schost-2 phys-schost-3. ... NOTICE: Node phys-schost-1: joined cluster ... The system is coming up. Please wait. checking ufs filesystems ... reservation program successfully exiting Print services started. volume management starting. The system is ready. phys-schost-1 console login: NOTICE: Node phys-schost-1: joined cluster ... The system is coming up. Please wait. checking ufs filesystems ... reservation program successfully exiting Print services started. volume management starting. The system is ready. phys-schost-1 console login: |