「データ複製」とは、主ストレージデバイスからバックアップまたは二次ストレージデバイスへのデータのコピーです。 主デバイスに障害が発生した場合も、二次デバイスからデータを使用できます。このようにして、データ複製を使用すると、クラスタの高可用性と耐災害性を確保できます。
Sun Cluster はデータ複製に対して次のアプローチをサポートしています。
「ホストベースのデータ複製」では、特別なソフトウェアを使用して、地理的に離れたノード間でディスクボリュームをリアルタイムに複製します。リモートミラー複製を使用すると、主ノードのマスターボリュームのデータを、地理的に離れた二次ノードのマスターボリュームに複製できます。リモートミラービットマップは、主ディスク上のマスターボリュームと、二次ディスク上のマスターボリュームの差分を追跡します。
ホストベースのデータ複製は、特別なストレージアレイを必要としないため、比較的安価なデータ複製ソリューションです。ホストベースのデータ複製は、ローカルに接続されたディスクを使用します。ただし、ホストベースのデータ複製はデータの複製にホストのリソースを消費します。また、Oracle RAC などのスケーラブルアプリケーションをサポートしません。構内クラスタ環境でのホストベースのデータ複製の使用法の詳細については、「ホストベースのデータ複製の使用法」を参照してください。2 つ以上のクラスタ間でのホストベースのデータ複製の使用法の詳細については、『Sun Cluster Geographic Edition Data Replication Guide for Sun StorageTek Availability Suite』を参照してください。
「ストレージベースのデータ複製」は、特別なソフトウェアを使用して、データ複製の作業をクラスタノードからストレージデバイスに移動させます。このソフトウェアリロケーションはノードの処理能力を一部解放し、クラスタの要求にサービスを提供します。ストレージベースのデータ複製は、構内クラスタ構成において特に重要になる場合があります。これは、この種類のデータ複製はスケーラブルアプリケーションをサポートし、ホストの負担を軽減するためです。構内クラスタ環境でのストレージベースのデータ複製の使用法の詳細については、「ストレージベースのデータ複製の使用法」を参照してください。2 つ以上のクラスタとプロセスを自動化する Sun Cluster GeoEdition 製品間でのストレージベースの複製の使用法についての詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition Data Replication Guide for Hitachi TrueCopy』を参照してください。この章の最後にある「例: Sun StorEdge Availability Suite または Sun StorageTek Availability Suite ソフトウェアを使用したホストベースのデータ複製の構成」では、このようなクラスタ構成の完全な例を示します。