Sun Cluster データサービス開発ガイド (Solaris OS 版)

アプリケーションの分析

Agent Builder を使用する前に、高可用アプリケーションまたはスケーラブルアプリケーションにしようとしているアプリケーションが必要な条件を満たしているかを確認します。この分析はアプリケーションの実行時特性だけに基づくものなので、Agent Builder はこの分析を行うことができません。詳細は、「アプリケーションの適合性の分析」を参照してください。

Agent Builder を使用しても、アプリケーションに適した完全なリソースタイプを必ず作成できるとはかぎりません。しかし、一般に Agent Builder は少なくとも部分的なソリューションにはなります。たとえば、比較的機能の高いアプリケーションでは、Agent Builder がデフォルトでは生成しないコード (プロパティーの妥当性検査を追加するコードや Agent Builder がエクスポーズしないパラメータを調節するコードなど) を別途生成する必要が生じる場合があります。このような場合、生成されたコードまたは RTR ファイルを修正する必要があります。Agent Builder は、まさにこのような柔軟性をもたらすように設計されています。

Agent Builder は、生成されるソースコードの特定の場所にコメントを埋め込みます。ユーザーは、この場所に独自のリソースタイプコードを追加できます。ソースコードを修正したあと、Agent Builder が生成した Makefile を使用すれば、ソースコードを再コンパイルし、リソースタイプパッケージを生成し直すことができます。

Agent Builder が生成したリソースタイプコードを使用せずに、リソースタイプコードを完全に作成し直す場合でも、Agent Builder が生成した Makefile やディレクトリ構造を使用すれば、独自のリソースタイプ用の Solaris パッケージを作成できます。