Sun Cluster システムのインストールや構成、管理は、Sun Cluster Manager GUI またはコマンド行インタフェース (Command-Line Interface、CLI) を使って行うことができます。
さらに、Sun Cluster システムには、Sun Management Center ソフトウェアの中で動作するモジュールが含まれています。これは、クラスタの一部の作業を行う時の GUI になります。
Sun Cluster Manager は、Sun Cluster システムの管理に使用するブラウザベースのツールです。管理者は、Sun Cluster Manager ソフトウェアを通して、システムの管理や監視、ソフトウェアのインストール、システムの構成を行うことができます。
Sun Cluster Manager ソフトウェアには、次の機能があります。
組み込まれたセキュリティーや認証のメカニズム
Secure Sockets Layer (SSL) のサポート
役割によるアクセス制御 (Role-Based Access Control、RBAC)
Pluggable Authentication Module (PAM)
NAFO および IPMP グループ管理機能
定足数デバイスやトランスポート、共有ストレージデバイス、リソースグループの管理
プライベートインターコネクトの高度なエラーチェックや自動検知
Sun Cluster コマンド行インタフェース (Command-Line Interface、CLI) は、Sun Cluster システムのインストールや管理を行なったり、Sun Cluster ソフトウェアのボリュームマネージャー部分を管理する一連のユーティリティーです。
Sun Cluster CLI では次の Sun Cluster の管理作業を実行できます。
Sun Cluster 構成の確認
Sun Cluster ソフトウェアのインストールと構成
Sun Cluster 構成の更新
リソースタイプの登録、リソースグループの作成、リソースグループ内のリソースの起動を管理する
リソースグループとデバイスグループのノードのマスターや状態を変更する
役割によるアクセス制御 (Role-Based Access Control、RBAC) に基づくアクセス制御
クラスタ全体の停止
Sun Cluster システムには、Sun Management Center ソフトウェアの中で動作するモジュールが含まれています。Sun Management Center ソフトウェアは、管理や監視の操作を行う際のクラスタの基盤となるものです。システム管理者は、GUI や CLI を通して次の作業を行うことができます。
遠隔システムの構成
性能の監視
ハードウェアやソフトウェア障害の検知と分離
Sun Management Center ソフトウェアは、Sun Cluster サーバー内での動的再構成を管理するインタフェースとしても使用されます。動的再構成には、ドメインの作成や、ボードの動的な接続、動的な切り離しがあります。
従来の UNIX システムでは、root ユーザー (スーパーユーザー) はすべての権限を持ちます。つまり、任意のファイルに対する読み取り権と書き込み権、すべてのプログラムの実行権、および任意のプロセスに終了シグナルを送信する権限があります。Solaris の役割によるアクセス制御 (Role-Based Access Control、RBAC) は、権限をすべて与えるかまったく与えないかの二者択一的なスーパーユーザーモデルに代わるものです。RBAC では、基本的に最小限の特権以外は許可しません。つまり、そのユーザーに必要な特権だけを許可します。
RBAC を使用すれば、スーパーユーザーの権限を分割し、それらの権限を特別なユーザーアカウントや役割としてパッケージ化し、それによって、権限を特定の個人に割り当てることができます。このような分割やパッケージ化によって、さまざまなセキュリティーポリシーの作成が可能になります。たとえば、セキュリティーやネットワーキング、ファイアウォール、バックアップ、システム操作など、さまざまな分野で特定目的の管理者用アカウントを設定できます。