多重ホストデバイスとは、一度に複数の Solaris ホストに接続できるディスクのことです。Sun Cluster 環境では、多重ホスト記憶装置によってディスクの可用性を強化できます。2 ホストクラスタでは、Sun Cluster ソフトウェアは定足数を確立するために多重ホスト記憶装置を必要とします。3 ホストより大きなクラスタでは、定足数デバイスを必要としません。定足数についての詳細は、「定足数と定足数デバイス」を参照してください。
多重ホストデバイスには、次の特徴があります。
単一ホスト障害への耐性。
アプリケーションデータ、アプリケーションバイナリ、および構成ファイルを格納する機能。
ホスト障害からの保護。クライアントがあるホストを介するデータを要求して、そのホストに障害が発生した場合、これらの要求は、同じディスクに直接接続されている別のホストを使用するようにスイッチオーバーされます。
ディスクを「マスター」する主ホストを介する広域的なアクセス、またはローカルパスを介する直接同時アクセス。現在、直接同時アクセスを使用するアプリケーションは Oracle Real Application Clusters Guard だけです。
ボリュームマネージャーは、ミラー化された構成または RAID-5 構成を提供することによって、多重ホストデバイスのデータ冗長性を実現します。現在、Sun Cluster はボリュームマネージャーとして Solaris Volume Managerおよび Veritas Volume Manager をサポートし、また、いくつかのハードウェア RAID プラットフォームでは RDAC RAID-5 ハードウェアコントローラをサポートします。
多重ホストデバイスをミラー化したディスクやストライプ化したディスクと組み合わせると、ホストの障害や個々のディスクの障害から保護できます。
多重ホスト記憶装置の FAQ については、第 4 章よくある質問を参照してください。