Solaris ゾーンは、Solaris 10 OS のインスタンス内で仮想化されたオペレーティングシステム環境を作成する手段を提供します。Solaris ゾーンを使用すると、1 つまたは複数のアプリケーションをシステム上のほかの活動から分離して実行できます。Solaris ゾーンの機能については、『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』のパート II「ゾーン」を参照してください。
Solaris 10 OS 上で Sun Cluster ソフトウェアを実行する場合は、任意の数のグローバルクラスタ非投票ノードを作成できます。
Sun Cluster ソフトウェアを使用して、グローバルクラスタ非投票ノード上で動作するアプリケーションの可用性とスケーラビリティーを管理できます。
Solaris 10 OS が動作するクラスタでは、リソースグループをグローバルクラスタ投票ノードまたはグローバルクラスタ非投票ノードで動作するように設定できます。RGM は、各グローバルクラスタ非投票ノードをスイッチオーバーターゲットとして管理します。リソースグループのノードリストでグローバルクラスタ非投票ノードが指定されている場合、RGM は指定されたノードでリソースグループをオンラインにします。
図 3–8 は、2 ホストクラスタでのノード間のリソースグループのフェイルオーバーを示しています。この例では、クラスタの管理を簡単にするために同一のノードが構成されています。
スケーラブルなリソースグループ (ネットワーク負荷分散を使用) を、クラスタ非投票ノードでも動作するよう構成することができます。
Sun Cluster コマンドで、次の例に示すように、ゾーンの名前をホストの名前に追加し、それらをコロンで区切ることによって、ゾーンを指定します。
phys-schost-1:zoneA
次のいずれかの基準を満たす場合、RGM による Solaris ゾーンの直接サポートを使用します。
アプリケーションがゾーンを起動するために必要な追加のフェイルオーバー時間を許容できない。
メンテナンス中に停止時間を最小にする必要がある。
デュアルパーティションのソフトウェアアップグレードを必要としている。
ネットワーク負荷分散のために共有アドレスリソースを使用するデータサービスを構成している。
アプリケーションで RGM による Solaris ゾーンの直接サポートの使用を計画している場合は、次の要件を満たしていることを確認してください。
アプリケーションが非大域ゾーンでの動作に対応していること。
アプリケーションのデータサービスがグローバルクラスタ非投票ノードでの動作に対応していること。
RGM による Solaris ゾーンの直接サポートを使用する場合、アフィニティーにより関連付けられているリソースグループが同じ Solaris ホストで動作するように構成されていることを確認します。
RGM によるSolaris ゾーンの直接サポートの構成方法の詳細については、次のドキュメントを参照してください。
『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』の「グローバルクラスタ内の非大域ゾーンのガイドライン」
『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』の「グローバルクラスタノード上での非大域ゾーンの設定」
各データサービスガイド
Sun Cluster HA for Solaris Containers データサービスは、各ゾーンを RGM によって制御されるリソースとして管理します。
次のいずれかの基準を満たす場合、Sun Cluster HA for Solaris Containers データサービスを使用します。
代理のルートアクセスを必要とする。
アプリケーションがクラスタでサポートされていない。
同じノードの別のゾーンで動作するリソースグループ間にアフィニティーを必要としている。
アプリケーションで Sun Cluster HA for Solaris Containers データサービスの利用を計画している場合、次の要件を満たすことを確認してください。
アプリケーションがグローバルクラスタ非投票ノードでの動作に対応していること。
アプリケーションがスクリプト、実行レベルのスクリプト、または Solaris サービス管理機能 (Service Management Facility、SMF) のマニフェストによって Solaris OS と統合されていること。
ゾーンを起動するために必要な追加のフェイルオーバー時間を許容できること。
メンテナンス中の停止時間を許容できること。
Sun Cluster HA for Solaris Containers データサービスの使い方の詳細については、『Sun Cluster Data Service for Solaris Containers Guide for Solaris OS』を参照してください。