「クラスタインターコネクト」は、クラスタ内の Solaris ホスト間のクラスタプライベート通信とデータサービス通信の転送に使用される物理的な装置構成です。インターコネクトは、クラスタプライベート通信で拡張使用されるため、パフォーマンスが制限される可能性があります。
クラスタ内のホストだけがクラスタインターコネクトに接続できます。Sun Cluster セキュリティーモデルは、クラスタホストだけがクラスタインターコネクトに物理的にアクセスできるものと想定しています。
1 つのクラスタでは、1 つから 6 つまでのクラスタインターコネクトを設定できます。クラスタインターコネクトを 1 つだけ使用すると、プライベートインターコネクトに使用されるアダプタポートの数が減り、同時に冗長性がなくなり、可用性が低くなります。また、1 つのインターコネクトに障害が発生すると、クラスタについて自動回復を実行しなければならないリスクが高くなります。可能な限り、クラスタインターコネクトは 2 つ以上インストールしてください。冗長性とスケーラビリティーが提供されるので、シングルポイント障害が回避されて可用性も高くなります。
クラスタインターコネクトは、アダプタ、接続点、およびケーブルの 3 つのハードウェアコンポーネントで構成されます 。次に、これらの各ハードウェアコンポーネントについて説明します。
アダプタ – 個々のクラスタホストに存在するネットワークインタフェースカード。アダプタの名前は、デバイス名と物理ユニット番号で構成されます (qfe2 など)。一部のアダプタには物理ネットワーク接続が 1 つしかありませんが、qfe カードのように複数の物理接続を持つものもあります。また、ネットワークインタフェースと記憶装置インタフェースの両方を持つものもあります。
複数のインタフェースを持つネットワークアダプタは、アダプタ全体に障害が生じると、単一地点による障害の原因となる可能性があります。可用性を最適にするには、2 つのホスト間の唯一のパスが単一のネットワークアダプタに依存しないように、クラスタを設定してください。
接続点 – クラスタホストの外部に存在するスイッチ。接続点は、パススルーおよび切り換え機能を実行して、3 つ以上のホストに接続できるようにします。2 ホストクラスタでは、各ホストの冗長アダプタに接続された冗長物理ケーブルによって、ホストを相互に直接接続できるため、接続点は必要ありません。3 ホスト以上の構成では、通常は接続点が必要です。
クラスタインターコネクトの FAQ については、第 4 章よくある質問を参照してください。