Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)

Sun Cluster へのパッチの適用の概要

クラスタの性質上、クラスタを正しく動作させるには、すべてのクラスタメンバーノードが同じパッチレベルにある必要があります。Sun Cluster パッチをノードに適用するときは、パッチをインストールする前に、クラスタメンバーシップからノードを一時的に削除するか、全体のクラスタを停止しておく必要があります。この節では、これらの手順について説明します。

Sun Cluster パッチを適用する前に、パッチの README ファイルを確認します。また、ストレージデバイスのアップグレード要件を確認して、必要なパッチ方法を判別します。


注 –

Sun Cluster パッチを適用する場合は、この章の説明よりも新しい注意事項がないかどうか、README ファイルと SunSolve を参照してください。


すべてのクラスタノードにパッチをインストールする作業は、次のいずれかの状況に該当します。

再起動パッチ (ノード)

パッチを提供するには、boot -sx または shutdown -g -y -i0 コマンドを使用して、ノードをシングルユーザーモードで起動してから、クラスタに結合するために再起動します。まず、任意のリソースグループまたはデバイスグループを、パッチを適用するノードから別のクラスタメンバーに切り替え、ノードをオフライン状態にする必要があります。また、クラスタ全体が停止しないように、パッチまたはファームウェアは 1 つのクラスタノードに適用します。

このようにパッチを適用する間、個々のノードが一時的なものであっても、クラスタ自体は使用できます。パッチを適用したノードは、他のノードが同じパッチレベルになくても、メンバーノードとしてクラスタに結合できます。

再起動パッチ (クラスタ)

ソフトウェアまたはファームウェアパッチを適用するには、boot -sx または shutdown -g -y -i0 コマンドを使用して、クラスタおよび各ノードをシングルユーザーモードで起動する必要があります。次に、ノードを再起動してクラスタに結合します。このようなパッチでは、パッチ適用中にクラスタを使用できます。

非再起動パッチ

ノードをオフライン状態にする必要はありません (引き続きリソースグループやデバイスグループのマスターとして動作可能)。 また、パッチの適用時にノードをオフライン状態に、または再起動する必要もありません。ただし、パッチは一度に 1 つのノードに適用し、次のノードに適用する前に、パッチが動作することを確認する必要があります。


注 –

パッチの適用によって配下のクラスタプロトコルが変更されることはありません。


パッチをクラスタに適用するには patchadd コマンドを、パッチを削除するには (可能な場合) patchrm コマンドをそれぞれ使用します。

Sun Cluster パッチの適用に関する注意事項

Sun Cluster パッチをより効率的に適用するために、次の点に注意してください。