適切な 「ローカルファイルシステム配置のワークシート」に、次の情報を追加してください。
Solaris OS をインストールするときは、必要な Sun Cluster パーティションを作成し、すべてのパーティションが各領域の最小必要条件を満たすようにします。
swap – swap 領域には、Solaris と Sun Cluster ソフトウェアを合わせて 750 MB 以上を割り当てます。最適な結果を得るには、Solaris OS に必要とされるスワップに少なくとも 512 MB を Sun Cluster ソフトウェア用に追加します。さらに、Solaris ホスト上で実行されるアプリケーションが必要とする追加の swap を割り当てます。
別の swap ファイルを作成する場合、グローバルデバイス上に swap ファイルを作成しないでください。 ローカルディスクだけをホストの swap デバイスとして使用します。
(オプション) /globaldevices – グローバルデバイスの scinstall(1M) ユーティリティで使用される、少なくとも 512 Mbytes の規模でファイルシステムを作成してください。 Solaris 10 OS 上で、 その代わり、lofi デバイスを使用する場合、このファイルシステムを作成する必要はありません。 いずれのオプションも機能面では同じです。
ボリュームマネージャー – ボリュームマネージャーで使用するために、スライス 7 に 20 M バイトのパーティションを作成します。クラスタで Veritas Volume Manager (VxVM) を使用しており、ルートディスクをカプセル化する予定の場合は、VxVM で使用できるように、2 つの未使用スライスを用意します。
Solaris OS を対話的にインストールする場合は、上記の必要条件を満たすためにパーティションをカスタマイズする必要があります。
追加のパーティションを計画する際の情報については、次のガイドラインを参照してください。
Solaris OS を実行するほかのシステムと同様、ルート (/)、/var、/usr、/opt の各ディレクトリは、別個のファイルシステムとして構成できます。または、ルート (/) ファイルシステムにすべてのディレクトリを含めることもできます。
次に、Sun Cluster 構成でのルート (/), /var, /usr、/opt の各ディレクトリのソフトウェアの内容を示します。パーティション分割案を計画するときは、次の情報を検討してください。
ルート (/) – Sun Cluster ソフトウェア自体は、ルート (/) ファイルシステムの領域を 40 MB 未満しか占有しません。Solaris ボリュームマネージャー ソフトウェアが必要とする領域は 5 MB 未満、VxVM ソフトウェアは 15 MB 未満です。十分な追加領域と i ノード容量を構成するには、一般的にルート (/) ファイルシステムに割り当てる容量に、100 MB 以上を追加します。この領域は、ブロック特殊デバイスと文字特殊デバイスの両方を作成するために、ボリューム管理ソフトウェアによって使用されます。クラスタ内に多数の共有ディスクがある場合は、特に、十分な領域を割り当てる必要があります。
Solaris 10 OS 上で、グローバルデバイスの名前空間に lofi デバイスを使用するには、100 MBytes の自由空間を設定してください。
/var – Sun Cluster ソフトウェアは、インストール時には /var ファイルシステム領域をわずかしか占有しません。ただし、ログファイル用に十分な領域を別途用意しておく必要があります。また、クラスタ化されたノードでは、標準的なスタンドアロンサーバーよりも、ログに記録されるメッセージが増えることがあります。したがって、/var ファイルシステムには最低でも 100 MB の余裕を設けてください。
/usr – Sun Cluster ソフトウェアは、/usr ファイルシステムの領域を 25 MB 未満占有します。Solaris ボリュームマネージャー および VxVM ソフトウェアが必要とする領域は、それぞれ 15 MB 未満です。
/opt – Sun Cluster フレームワークソフトウェアは、/opt ファイルシステムの領域を 2 MB 未満使用します。ただし、各 Sun Cluster データサービスで 1M から 5 MB が使用されることがあります。Solaris ボリュームマネージャー ソフトウェアは /opt ファイルシステムの領域をまったく使用しません。VxVM ソフトウェアは、そのパッケージとツールをすべてインストールした場合、40 MB 以上を使用することがあります。
また、ほとんどのデータベースおよびアプリケーションソフトウェアは、/opt ファイルシステムにインストールされます。
SPARC: Sun Management Center ソフトウェアを使用してクラスタを監視する場合、Sun Management Center エージェントと Sun Cluster モジュールパッケージをサポートするために、Solaris ホストごとに 25 MB の追加の空間が必要です。
Sun Cluster ソフトウェアはグローバルデバイスの名前空間をホストするためのロケーションを 2 つオプションで提供します。
lofi デバイス (Solaris 10 のみ)
いずれかのローカルディスク上の専用ファイルシステム (Solaris 9 または 10)
この節では、専用パーティションの使用のガイドラインについて説明します。 その代わり、 lofi上にグローバルデバイスの名前空間をホストする場合、この情報は適用されません。
/globaldevices ファイルシステムは通常使用中の root ディスク上にあります。 ただし、論理ボリュームマネージャーのボリュームなどのように、グローバルデバイスのファイルシステムを置く別のストレージを使用する場合は、このファイルシステムを Solaris ボリュームマネージャー 共有ディスクセットの一部やルートのディスクグループ以外の VxVM ディスクグループの一部にしてはいけません。このファイルシステムは、あとで UFS クラスタファイルシステムとしてマウントされます。このファイルシステムには、scinstall(1M) コマンドで認識されるデフォルトの名前 /globaldevices を付けます。
グローバルデバイスファイルシステムに有効なファイルシステムの種類は、UFS のみです。グローバルデバイスファイルシステムを作成したあとで、ファイルシステムの種類を変更しないでください。
ただし、UFS グローバルデバイスファイルシステムは、ZFS を使用する他の root ファイルシステムを持つノード上に共存できます。
scinstall コマンドは、あとでファイルシステム /global/.devices/node@nodeid の名前を変更します。ここで、nodeid は、グローバルクラスタメンバーになったときに Solaris ホストに割り当てられる番号を表します。元の /globaldevices マウントポイントは、削除されます。
/globaldevices ファイルシステムには、ブロック特殊デバイスと文字特殊デバイスの両方を作成するための十分な領域と十分な i ノード容量が必要です。このガイドラインは、クラスタ内に多数のディスクがある場合に、特に重要です。通常のクラスタ構成の場合、ファイルシステムのサイズは 512 MB で十分です。
Solaris ボリュームマネージャー ソフトウェアを使用する場合、状態データベースの複製の作成に使用できるように、ルートディスク上にスライスを別途用意しておく必要があります。つまり、各ローカルディスク上に、複製のためのスライスを別に用意します。ただし 1 つの Solaris ホストにローカルディスクが 1 つしかない場合は、Solaris ボリュームマネージャー ソフトウェアが正しく動作するように、同じスライス内に 3 つの状態データベースの複製を作成する必要が生じることがあります。詳細については、Solaris ボリュームマネージャー のマニュアルを参照してください。
VxVM (Veritas Volume Manager) を使用しており、ルートディスクをカプセル化する予定の場合は、VxVM で使用できるように、2 つの未使用スライスを用意します。さらに、ディスクの始点または終点に若干の割り当てられていない空き領域が必要になります。ルートディスクのカプセル化については、VxVM のマニュアルを参照してください。
表 1–2に、750 MB 未満の物理メモリーを持つ Solaris ホストのパーティション分割案を示します。この案では、End User Solaris ソフトウェアグループ、Sun Cluster ソフトウェア、および Sun Cluster HA for NFS データサービスをインストールします。ディスク上の最後のスライスであるスライス 7 には、ボリューム管理ソフトウェア用に若干の量を割り当てます。
この配置は、Solaris ボリュームマネージャー ソフトウェアまたは VxVM ソフトウェアの使用を意図したものです。Solaris ボリュームマネージャー ソフトウェアを使用する場合は、状態データベースの複製用にスライス 7 を使用します。VxVM を使用する場合は、スライスに 0 の長さを割り当てることで、あとでスライス 7 を解放できます。この配置によって 必要な 2 つの空きスライス 4 と 7 が確保され、ディスクの終端に未使用領域が確保されます。
表 1–2 ファイルシステム割り当ての例
スライス |
内容 |
割り当てサイズ |
説明 |
---|---|---|---|
0 |
/ |
6.75GB |
スライス 1 潤オ 7 に領域が割り当てられたあとに、ディスク上に残っている空き領域。Solaris OS、Sun Cluster ソフトウェア、データサービスソフトウェア、ボリュームマネージャーソフトウェア、Sun Management Center エージェントおよび Sun Cluster モジュールエージェントのパッケージ、ルートファイルシステム、データベースおよびアプリケーションソフトウェア用に使用されます。 |
1 |
swap |
1GB |
512 MB - Solaris OS 用 512 MB - Sun Cluster ソフトウェア用 |
2 |
オーバーラップ |
8.43GB |
ディスク全体 |
3 |
/globaldevices |
512MB |
このスライスは、Sun Cluster ソフトウェアによって後で別のマウントポイントに割り当てられ、クラスタファイルシステムとしてマウントします。Solaris 10 OS 上で、専用パーティションではなく、lofi デバイスを選択する場合、スライス 3 を未使用のままにします。. |
4 |
未使用 |
- |
VxVM でルートディスクをカプセル化するための空きスライスとして確保します。 |
5 |
未使用 |
- |
- |
6 |
未使用 |
- |
- |
7 |
ボリューム管理ソフトウェア |
20MB |
Solaris ボリュームマネージャー ソフトウェアにより状態データベースの複製用に使用するか、スライス解放後に VxVM によってインストールの際に使用します。 |