クラスタインターコネクトは、クラスタノード間のプライベートネットワーク通信にハードウェアパスを提供します。各インターコネクトは、次のいずれかの方法で接続されるケーブルで構成されます。
2 つのトランスポートアダプタの間
トランスポートアダプタとトランスポートスイッチの間
クラスタインターコネクトの目的と機能の詳細は、『Sun Cluster Concepts Guide for Solaris OS』の「Cluster Interconnect」を参照してください。
単一ホストのクラスタの場合、クラスタインターコネクトを構成する必要はありません。ただし、単一ホストのクラスタ構成にあとから投票ノードを追加する可能性がある場合は、将来の使用のためにクラスタインターコネクトを構成することもできます。
Sun Cluster の構成中に、 1 つまたは 2 つのクラスタインターコネクトに対して構成情報を指定します。
使用できるアダプタポートの数が制限されている場合、タグ付きの VLAN を使用して、同じアダプタをプライベートネットワークとパブリックネットワークの両方で共有できます。詳細は、「トランスポートアダプタ」 のタグ付き VLAN アダプタのガイドラインを参照してください。
1 つのクラスタでは、1 つから 6 つまでのクラスタインターコネクトを設定できます。クラスタインターコネクトを 1 つだけ使用すると、プライベートインターコネクトに使用されるアダプタポートの数が減り、同時に冗長性がなくなり、可用性が低くなります。1 度インターコネクトに障害が発生すると、クラスタで自動復旧の実行が必要になるリスクが高まります。できれば 2 つ以上のクラスタインターコネクトをインストールしてください。その結果、冗長性とスケーラビリティーが提供されるので、シングルポイント障害が回避されて可用性も高くなります。
クラスタインターコネクトの確立後に、clsetup(1CL)ユーティリティーを使用して、追加のインターコネクトを合計 6 つまで構成できます。
クラスタインターコネクトハードウェアのガイドラインについては、『Sun Cluster 3.1 - 3.2 Hardware Administration Manual for Solaris OS』の「Interconnect Requirements and Restrictions」 を参照してください。クラスタインターコネクトの一般的な情報については、『Sun Cluster Overview for Solaris OS』の「Cluster-Interconnect Components」および『Sun Cluster Concepts Guide for Solaris OS』 を参照してください。
ネットワークインタフェースのポートなどのトランスポートアダプタ用に、トランスポートアダプタ名とトランスポートの種類を指定します。構成が 2 ホストクラスタの場合は、インターコネクトをポイントツーポイント接続 (アダプタからアダプタ) するか、トランスポートスイッチを使用するかも指定します。
次のガイドラインと制限を考慮してください。
IPv6 – Sun Cluster ソフトウェアは、プライベートインターコネクト経由の IPv6 通信をサポートしません。
ローカル MAC アドレスの割り当て - すべてのプライベートネットワークアダプタは、ローカル MAC アドレスの割り当てをサポートするネットワークインタフェースカード (Network Interface Card、NIC) を使用します。リンクローカル IPv6 アドレスは IPv6 パブリックネットワークアドレスをサポートするためにプライベートネットワークアダプタに必要なもので、ローカル MAC アドレスから派生します。
タグ付き VLAN アダプタ – Sun Cluster ソフトウェアは、プライベートクラスタインターコネクトとパブリックネットワーク間で1 つのアダプタを共有するために、タグ付きVLAN (Virtual Local Area Network) をサポートします。クラスタインターコネクト用にタグ付き VLAN アダプタを構成するには、次のいずれかの方法を使用して、アダプタ名とその VLAN ID (VID) を指定します。
通常のアダプタ名、つまりデバイス名 + インスタンス番号または物理接続点 (PPA) を指定します。たとえば、Cassini Gigabit Ethernet アダプタのインスタンス 2 の名前は ce2 になります。scinstall ユーティリティーで「このアダプタが共有仮想LAN の一部であるかどうか」をたずねられた場合は、yes と答えて、そのアダプタの VID 番号を指定します。
アダプタの VLAN 仮想デバイス名を指定します。この名前は、アダプタ名 + VLAN インスタンス番号です。VLAN インスタンス番号は、公式 (1000*V)+N から導き出されます (ここで、V は VID 番号、N は PPA です)。
たとえば、アダプタce2 上の VID 73 の場合、VLAN インスタンス番号は (1000*73)+2 として計算されます。したがって、このアダプタ名を ce73002 と指定して、共有仮想LAN の一部であることを示します。
クラスタでの VLAN の構成については、『Sun Cluster 3.1 - 3.2 Hardware Administration Manual for Solaris OS 』の「Configuring VLANs as Private Interconnect Networks」を参照してください。VLAN に関する一般情報については、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』の「仮想ローカルエリアネットワークの管理」 を参照してください。
SPARC: Sun LDoms ゲストドメイン – 仮想名 vnetN でアダプタ名を指定します (vnet0 および vnet1 など)。仮想アダプタ名は、/etc/path_to_inst ファイルに記録されます。
SBus SCI アダプタ – SBus SCI (Scalable Coherent Interface) はクラスタインターコネクトとしてサポートされていません。ただし、SCI-PCI インタフェースはサポートされています。
論理ネットワークインタフェース – 論理ネットワークインタフェースは、Sun Cluster ソフトウェアで使用するために予約されています。
特定のトランスポートアダプタに関する詳細については、scconf_trans_adap_*(1M) のマニュアルページを参照してください。
ネットワークスイッチなどのトランスポートスイッチを使用する場合は、インターコネクトごとにトランスポートスイッチの名前を指定します。デフォルト名の switchN (ここで、N は、構成中に自動的に割り当てられた数) を使用するか、別の名前を作成できます。
また、スイッチのポート名を指定するか、デフォルト名をそのまま使用します。デフォルトのポート名は、ケーブルのアダプタ側が接続されている Solaris ホストの内部ノード ID 番号と同じです。ただし、SCI-PCI などの特定の種類のアダプタではデフォルトのポート名は使用できません。
3 つ以上の投票ノードを持つクラスタでは、必ずトランスポートスイッチを使用してください。投票クラスタノード間の直接接続は、2 ホストクラスタの場合だけサポートされています。
2 ホストクラスタが直接接続されている場合でも、インターコネクトのトランスポートスイッチを指定できます。
トランスポートスイッチを指定すると、あとでクラスタに別の投票ノードを追加しやすくなります。