この節では、二重列メディエータホストを構成するための情報と手順について説明します。二重列メディエータは、2 つの列と 2 つのクラスタノードだけで構成されているすべての Solaris ボリュームマネージャー ディスクセットに必要です。メディエータを使用することで、Sun Cluster ソフトウェアは、二重列構成の単一の列に障害が発生した場合に、最新のデータを提示できるようになります。
二重列メディエータ、またはメディエータホストとは、メディエータデータを格納するクラスタノードのことです。メディエータデータは、その他のメディエータの場所に関する情報を提供するもので、データベースの複製に格納されているコミット数と同一のコミット数が含まれています。このコミット数は、メディエータデータがデータベースの複製内のデータと同期しているかどうかを確認するために使用されます。
「ディスク列」は、ディスク格納装置、その物理ドライブ、格納装置から 1 つまたは複数のノードへのケーブル、インタフェースアダプタカードで構成されます。
次の表は、二重列メディエータホストを構成するために実行する作業の一覧を示してします。ここに示す順に従って手順を実行します。
表 4–3 作業マップ: Solaris ボリュームマネージャー ソフトウェアのインストールと構成
作業 |
参照先 |
---|---|
二重列メディエータホストを構成します。 | |
メディエータデータの状態を確認します。 | |
必要に応じて、不正なメディエータデータを修復します。 |
メディエータを使用した二重列構成には、次の規則が適用されます。
ディスクセットは、2 つのメディエータホストのみで構成する必要があります。これら 2 つのメディエータホストは、ディスクセットに使用されているものと同じクラスタノードにする必要があります。
ディスクセットには 3 つ以上のメディエータホストを使用できません。
メディエータは、2 つの列と 2 つのホストという基準を満たさないディスクセットでは構成できません。
上記の規則では、クラスタ全体で 2 つのノードを使用する必要はありません。むしろ、2 つの列を持つディスクセットを 2 つのノードに接続する必要があることだけが規定されています。この規則の下では、N+1 クラスタやその他の多くのトポロジを利用できます。
構成に二重列メディエータが必要な場合は、以下の手順を実行します。
メディエータホストを追加するディスクセットを現在マスターしているノードのスーパーユーザーになります。
ディスクセットに接続されている各ノードを、そのディスクセットのメディエータホストとして追加します。
phys-schost# metaset -s setname -a -m mediator-host-list |
ディスクセット名を指定します。
ディスクセットに追加します。
ディスクセットのメディエータホストとして追加するノードの名前を指定します。
metaset コマンドのメディエータ固有のオプションの詳細については、mediator(7D) のマニュアルページを参照してください。
次の例では、ノード phys-schost-1 と phys-schost-2 をディスクセット dg-schost-1 のメディエータホストとして追加します。どちらのコマンドも、ノード phys-schost-1 から実行します。
phys-schost# metaset -s dg-schost-1 -a -m phys-schost-1 phys-schost# metaset -s dg-schost-1 -a -m phys-schost-2 |
メディエータデータの状態を確認します。「メディエータデータの状態を確認する」に進みます。
「メディエータホストを追加する」の手順に従って、メディエータホストを追加したことを確認します。
メディアエータデータの状態を表示します。
phys-schost# medstat -s setname |
ディスクセット名を指定します。
詳細については、medstat(1M) のマニュアルページを参照してください。
medstat 出力の状態フィールドの値がBad になっている場合は、影響のあるメディエータホストを修復します。
「不正なメディエータデータを修復する」に進みます。
「クラスタファイルシステムを追加する」に進んでクラスタファイルシステムを作成します。
次の手順を実行し、不正なメディエータデータを修復します。
「メディエータデータの状態を確認する」の手順を実行して、不正なメディエータデータを持つすべてのメディエータホストを特定します。
関連するディスクセットを所有しているノードのスーパーユーザーになります。
関連するすべてのディスクセットから、不正なメディエータデータを持つすべてのメディエータホストを削除します。
phys-schost# metaset -s setname -d -m mediator-host-list |
ディスクセット名を指定します。
ディスクセットから削除します。
削除するノードの名前をディスクセットのメディエータホストとして指定します。
手順 3 で削除した各メディエータホストを復元します。
phys-schost# metaset -s setname -a -m mediator-host-list |
ディスクセットに追加します。
ディスクセットのメディエータホストとして追加するノードの名前を指定します。
metaset コマンドのメディエータ固有のオプションの詳細については、mediator(7D) のマニュアルページを参照してください。
次のリストから、ご使用のクラスタ構成に次に適用するタスクを決めます。このリストから複数のタスクを実行する必要がある場合は、このリストのそれらのタスクのうち最初のタスクに進みます。
クラスタファイルシステムを作成するには、「クラスタファイルシステムを追加する」に進みます。
ノード上に非大域ゾーンを作成する場合は、「グローバルクラスタノードに非大域ゾーンを作成する」を参照してください。
SPARC:Sun Management Centerをクラスタを監視するように設定する場合は、「SPARC: Sun Cluster モジュールを Sun Management Center 用にインストールする」を参照してください。
Sun 以外のアプリケーションをインストールし、リソースタイプを登録し、リソースグループを設定し、データサービスを構成します。アプリケーションソフトウェアに付属のドキュメント、および『Sun Cluster Data Services Planning and Administration Guide for Solaris OS』 を参照してください。