Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)

デバイスグループとリソースグループの構成例

この節では、NFS アプリケーション向けにディスクデバイスグループとリソースグループをどのように構成するかを説明します。追加情報については、「複製リソースグループの構成」および「アプリケーションリソースグループの構成」を参照してください。

ここでは、次の手順について説明します。

構成例のために作成されたグループとリソースの名前を次の表に示します。

表 A–3 構成例内のグループとリソースのまとめ

グループまたはリソース 

名前 

説明 

デバイスグループ 

devgrp

デバイスグループ 

複製リソースグループとリソース 

devgrp-stor-rg

複製リソースグループ 

lhost-reprg-primlhost-reprg-sec

主クラスタと二次クラスタの複製リソースグループの論理ホスト名 

devgrp-stor

複製リソースグループの HAStoragePlus リソース 

アプリケーションリソースグループとリソース 

nfs-rg

アプリケーションリソースグループ 

lhost-nfsrg-primlhost-nfsrg-sec

主クラスタと二次クラスタのアプリケーションリソースグループの論理ホスト名 

nfs-dg-rs

アプリケーションの HAStoragePlus リソース 

nfs-rs

NFS リソース 

devgrp-stor-rg 以外のグループとリソースの名前は一例で、必要に応じて変更可能です。複製リソースグループは、devicegroupname-stor-rg というフォーマットでなければなりません。

この構成例では VxVM ソフトウェアを使用しています。Solaris ボリュームマネージャー ソフトウェアについては、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』の第 4 章「Solaris ボリュームマネージャー ソフトウェアの構成」を参照してください。

デバイスグループで作成済みのボリュームを下図に示します。

図 A–8 デバイスグループのボリューム

デバイスグループで作成されたボリュームを示す図


注 –

この手順で定義されたボリュームに、シリンダ 0 などのディスクラベルのプライベート領域を含めてはいけません。VxVM ソフトウェアは、この制限を自動管理します。


Procedure主クラスタでデバイスグループを構成する

始める前に

次の作業を完成していることを確認してください。

  1. nodeA にスーパーユーザーになるか、RBAC の承認 solaris.cluster.modify を提供する役割になりますしてアクセスします。

    nodeA は、主クラスタの最初のノードです。どのノードが nodeA であるかを確認するには、図 A–7 を参照してください。

  2. nodeA でボリューム 1 vol01 からボリューム 4 vol04 を含むディスクグループを作成します。

    VxVM ソフトウェアを使用したディスクグループの構成については、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』の第 5 章「Veritas Volume Manager をインストールして構成する」を参照してください。

  3. ディスクグループを構成して、デバイスグループを作成します。


    nodeA# cldevicegroup create -t vxvm -n nodeA nodeB devgrp
    

    デバイスグループは devgrp と呼ばれます。

  4. デバイスグループのファイルシステムを作成します。


    nodeA# newfs /dev/vx/rdsk/devgrp/vol01 < /dev/null
    nodeA# newfs /dev/vx/rdsk/devgrp/vol02 < /dev/null
    

    vol03vol04 は raw ボリュームとして使用されるため、ファイルシステムは必要ありません。

次の手順

「二次クラスタでデバイスグループを構成する」に進みます。

Procedure二次クラスタでデバイスグループを構成する

始める前に

手順「主クラスタでデバイスグループを構成する」を完了します。

  1. nodeC にスーパーユーザーになるか、RBAC の承認 solaris.cluster.modify を提供する役割になりますしてアクセスします。

  2. nodeC でボリューム 1 vol01 からボリューム 4 vol04 までの 4 つのボリュームを含む ディスクグループを作成します。

  3. ディスクグループを構成して、デバイスグループを作成します。


    nodeC# cldevicegroup create -t vxvm -n nodeC devgrp
    

    デバイスグループは devgrp という名前です。

  4. デバイスグループのファイルシステムを作成します。


    nodeC# newfs /dev/vx/rdsk/devgrp/vol01 < /dev/null
    nodeC# newfs /dev/vx/rdsk/devgrp/vol02 < /dev/null
    

    vol03vol04 は raw ボリュームとして使用されるため、ファイルシステムは必要ありません。

次の手順

「主クラスタのファイルシステムを NFS アプリケーション向けに構成する」に進みます。

Procedure主クラスタのファイルシステムを NFS アプリケーション向けに構成する

始める前に

手順「二次クラスタでデバイスグループを構成する」を完了します。

  1. nodeA および nodeB で、スーパーユーザーになるか、RBAC の承認 solaris.cluster.admin を提供する役割になりますになります。

  2. nodeAnodeB で、NFS ファイルシステム向けのマウントポイントディレクトリを作成します。

    たとえば、次のように使用します。


    nodeA# mkdir /global/mountpoint
    
  3. nodeAnodeB で、マウントポイントに自動でマウントされるようにマスターボリュームを構成します。

    nodeAnodeB/etc/vfstab ファイルに以下のテキストを追加するか、既存のテキストと置き換えます。テキストは 1 行で記述してください。


    /dev/vx/dsk/devgrp/vol01 /dev/vx/rdsk/devgrp/vol01 \
    /global/mountpoint ufs 3 no global,logging

    デバイスグループで使用されているボリューム名とボリューム番号を確認するには、図 A–8 を参照してください。

  4. nodeA で、Sun Cluster HA for NFS データサービスが使用するファイルのシステム情報向けのボリュームを作成します。


    nodeA# vxassist -g devgrp make vol05 120m disk1
    

    ボリューム 5 vol05 には Sun Cluster HA for NFS データサービスが使用するファイルシステム情報が含まれています。

  5. nodeA で、デバイスグループと Sun Cluster ソフトウェアを再同期化します。


    nodeA# cldevicegroup sync devgrp
    
  6. nodeA で、vol05 用のファイルシステムを作成します。


    nodeA# newfs /dev/vx/rdsk/devgrp/vol05
    
  7. nodeAnodeB で、vol05 のマウントポイントを作成します。

    次の例では、マウントポイント /global/etc を作成しています。


    nodeA# mkdir /global/etc
    
  8. nodeAnodeB で、マウントポイントに自動でマウントされるように vol05 を構成します。

    nodeAnodeB/etc/vfstab ファイルに以下のテキストを追加するか、既存のテキストと置き換えます。テキストは 1 行で記述してください。


    /dev/vx/dsk/devgrp/vol05 /dev/vx/rdsk/devgrp/vol05 \
    /global/etc ufs 3 yes global,logging
  9. nodeAvol05 をマウントします。


    nodeA# mount /global/etc
    
  10. vol05 がリモートシステムからアクセスできるようにします。

    1. nodeA/global/etc/SUNW.nfs というディレクトリを作成します。


      nodeA# mkdir -p /global/etc/SUNW.nfs
      
    2. nodeA/global/etc/SUNW.nfs/dfstab.nfs-rs ファイルを作成します。


      nodeA# touch /global/etc/SUNW.nfs/dfstab.nfs-rs
      
    3. nodeA/global/etc/SUNW.nfs/dfstab.nfs-rs ファイルに次の行を追加します。


      share -F nfs -o rw -d "HA NFS" /global/mountpoint
      
次の手順

「二次クラスタのファイルシステムを NFS アプリケーション向けに構成する」に進みます。

Procedure二次クラスタのファイルシステムを NFS アプリケーション向けに構成する

始める前に

手順「主クラスタのファイルシステムを NFS アプリケーション向けに構成する」を完了します。

  1. nodeC で、スーパーユーザーになるか、RBAC の承認 solaris.cluster.admin を提供する役割になりますになります。

  2. nodeC で、NFS ファイルシステム向けのマウントポイントディレクトリを作成します。

    たとえば、次のように使用します。


    nodeC# mkdir /global/mountpoint
    
  3. nodeC で、マウントポイントに自動でマウントされるようにマスターボリュームを構成します。

    nodeC/etc/vfstab ファイルに以下のテキストを追加するか、既存のテキストと置き換えます。テキストは 1 行で記述してください。


    /dev/vx/dsk/devgrp/vol01 /dev/vx/rdsk/devgrp/vol01 \
    /global/mountpoint ufs 3 no global,logging
  4. nodeC で、Sun Cluster HA for NFS データサービスが使用するファイルのシステム情報向けのボリュームを作成します。


    nodeC# vxassist -g devgrp make vol05 120m disk1
    

    ボリューム 5 vol05 には Sun Cluster HA for NFS データサービスが使用するファイルシステム情報が含まれています。

  5. nodeC で、デバイスグループと Sun Cluster ソフトウェアを再同期化します。


    nodeC# cldevicegroup sync devgrp
    
  6. nodeC で、vol05 用のファイルシステムを作成します。


    nodeC# newfs /dev/vx/rdsk/devgrp/vol05
    
  7. nodeC で、vol05 用のマウントポイントを作成します。

    次の例では、マウントポイント /global/etc を作成しています。


    nodeC# mkdir /global/etc
    
  8. nodeC で、vol05 がマウントポイントで自動的にマウントされるよう構成します。

    nodeC/etc/vfstab ファイルに以下のテキストを追加するか、既存のテキストと置き換えます。テキストは 1 行で記述してください。


    /dev/vx/dsk/devgrp/vol05 /dev/vx/rdsk/devgrp/vol05 \
    /global/etc ufs 3 yes global,logging
  9. nodeCvol05 をマウントします。


    nodeC# mount /global/etc
    
  10. vol05 がリモートシステムからアクセスできるようにします。

    1. nodeC/global/etc/SUNW.nfs というディレクトリを作成します。


      nodeC# mkdir -p /global/etc/SUNW.nfs
      
    2. nodeC/global/etc/SUNW.nfs/dfstab.nfs-rs ファイルを作成します。


      nodeC# touch /global/etc/SUNW.nfs/dfstab.nfs-rs
      
    3. nodeC/global/etc/SUNW.nfs/dfstab.nfs-rs ファイルに次の行を追加します。


      share -F nfs -o rw -d "HA NFS" /global/mountpoint
      
次の手順

「主クラスタで複製リソースグループを作成する」に進みます。

Procedure主クラスタで複製リソースグループを作成する

始める前に

手順「二次クラスタのファイルシステムを NFS アプリケーション向けに構成する」を完了します。

  1. nodeA にスーパーユーザーになるか、RBAC の承認 solaris.cluster.modifysolaris.cluster.admin、および solaris.cluster.read を提供する役割になりますしてアクセスします。

  2. SUNW.HAStoragePlus というリソースタイプを登録します。


    nodeA# clresourcetype register SUNW.HAStoragePlus
    
  3. デバイスグループの複製リソースグループを作成します。


    nodeA# clresourcegroup create -n nodeA,nodeB devgrp-stor-rg
    
    -n nodeA,nodeB

    クラスタノード nodeA および nodeB が複製リソースグループをマスターできることを指定します。

    devgrp-stor-rg

    複製リソースグループの名前。この名前で、devgrp はデバイスグループの名前を指定します。

  4. 複製リソースグループに SUNW.HAStoragePlus リソースを追加します。


    nodeA# clresource create -g devgrp-stor-rg -t SUNW.HAStoragePlus \
    -p GlobalDevicePaths=devgrp \
    -p AffinityOn=True \
    devgrp-stor
    
    -g

    リソースを追加するリソースグループを指定します。

    -p GlobalDevicePaths=

    Sun StorageTek Availability Suite ソフトウェアが依存する拡張プロパティーを指定します。

    -p AffinityOn=True

    SUNW.HAStoragePlus リソースが、-x GlobalDevicePaths= で定義されたグローバルデバイスおよびクラスタファイルシステムに対して、アフィニティースイッチオーバーを実行することを指定します。したがって、複製リソースグループがフェイルオーバーまたはスイッチオーバーすると、関連デバイスグループがスイッチオーバーします。

    これらの拡張プロパティーについての詳細は、SUNW.HAStoragePlus(5) のマニュアルページを参照してください。

  5. 論理ホスト名リソースを複製リソースグループに追加します。


    nodeA# clreslogicalhostname create -g devgrp-stor-rg lhost-reprg-prim
    

    主クラスタ上の複製リソースグループの論理ホスト名は lhost-reprg-prim です。

  6. リソースを有効にし、リソースグループを管理し、リソースグループをオンラインにします。


    nodeA# clresourcegroup online -e -M -n nodeA devgrp-stor-rg
    
    -e

    関連付けられたリソースを有効にします。

    -M

    リソースグループを管理状態にします。

    -n

    リソースグループをオンラインにするノードを指定します。

  7. リソースグループがオンラインであることを確認します。


    nodeA# clresourcegroup status devgrp-stor-rg
    

    リソースグループの状態フィールドを調べ、複製リソースグループが nodeA でオンラインとなっていることを確認します。

次の手順

「二次クラスタで複製リソースグループを作成する」に進みます。

Procedure二次クラスタで複製リソースグループを作成する

始める前に

手順「主クラスタで複製リソースグループを作成する」を完了します。

  1. nodeC にスーパーユーザーになるか、RBAC の承認 solaris.cluster.modifysolaris.cluster.admin、および solaris.cluster.read を提供する役割になりますしてアクセスします。

  2. SUNW.HAStoragePlus というリソースタイプを登録します。


    nodeC# clresourcetype register SUNW.HAStoragePlus
    
  3. デバイスグループの複製リソースグループを作成します。


    nodeC# clresourcegroup create -n nodeC devgrp-stor-rg
    
    create

    リソースグループを作成します。

    -n

    リソースグループのノードリストを指定します。

    devgrp

    デバイスグループの名前。

    devgrp-stor-rg

    複製リソースグループの名前。

  4. 複製リソースグループに SUNW.HAStoragePlus リソースを追加します。


    nodeC# clresource create \
    -t SUNW.HAStoragePlus \
    -p GlobalDevicePaths=devgrp \
    -p AffinityOn=True \
    devgrp-stor
    
    create

    リソースを作成します。

    -t

    リソースタイプを指定します。

    -p GlobalDevicePaths=

    Sun StorageTek Availability Suite ソフトウェアが依存する拡張プロパティーを指定します。

    -p AffinityOn=True

    SUNW.HAStoragePlus リソースが、-x GlobalDevicePaths= で定義されたグローバルデバイスおよびクラスタファイルシステムに対して、アフィニティースイッチオーバーを実行することを指定します。したがって、複製リソースグループがフェイルオーバーまたはスイッチオーバーすると、関連デバイスグループがスイッチオーバーします。

    devgrp-stor

    複製リソースグループの HAStoragePlus リソース

    これらの拡張プロパティーについての詳細は、SUNW.HAStoragePlus(5) のマニュアルページを参照してください。

  5. 論理ホスト名リソースを複製リソースグループに追加します。


    nodeC# clreslogicalhostname create -g devgrp-stor-rg lhost-reprg-sec
    

    主クラスタ上の複製リソースグループの論理ホスト名は lhost-reprg-sec です。

  6. リソースを有効にし、リソースグループを管理し、リソースグループをオンラインにします。


    nodeC# clresourcegroup online -e -M -n nodeC devgrp-stor-rg
    
    online

    オンラインにします。

    -e

    関連付けられたリソースを有効にします。

    -M

    リソースグループを管理状態にします。

    -n

    リソースグループをオンラインにするノードを指定します。

  7. リソースグループがオンラインであることを確認します。


    nodeC# clresourcegroup status devgrp-stor-rg
    

    リソースグループの状態フィールドを調べ、複製リソースグループが nodeC でオンラインとなっていることを確認します。

次の手順

「主クラスタで NFS アプリケーションリソースグループを作成する」に進みます。

Procedure主クラスタで NFS アプリケーションリソースグループを作成する

この手順では、アプリケーションリソースグループを NFS に対して作成する方法を説明します。この手順はこのアプリケーションに固有で、別の種類のアプリケーションには使用できません。

始める前に

手順「二次クラスタで複製リソースグループを作成する」を完了します。

  1. nodeA にスーパーユーザーになるか、RBAC の承認 solaris.cluster.modifysolaris.cluster.admin、および solaris.cluster.read を提供する役割になりますしてアクセスします。

  2. SUNW.nfs をリソースタイプとして登録します。


    nodeA# clresourcetype register SUNW.nfs
    
  3. SUNW.HAStoragePlus をリソースタイプとして登録していない場合は、登録します。


    nodeA# clresourcetype register SUNW.HAStoragePlus
    
  4. デバイスグループ devgrp のアプリケーションリソースグループを作成します。


    nodeA# clresourcegroup create \
    -p Pathprefix=/global/etc \
    -p Auto_start_on_new_cluster=False \
    -p RG_dependencies=devgrp-stor-rg \
    nfs-rg
    
    Pathprefix=/global/etc

    グループのリソースが管理ファイルを書き込むディレクトリを指定します。

    Auto_start_on_new_cluster=False

    アプリケーションリソースグループが自動的に起動しないように指定します。

    RG_dependencies=devgrp-stor-rg

    アプリケーションリソースグループが依存するリソースグループを指定します。この例では、アプリケーションリソースグループは複製リソースグループ devgrp-stor-rg に依存しています。

    アプリケーションリソースグループが新しい主ノードにスイッチオーバーすると、複製リソースグループが自動的にスイッチオーバーします。ただし、複製リソースグループが新しい主ノードにスイッチオーバーした場合は、アプリケーションリソースグループを手動でスイッチオーバーする必要があります。

    nfs-rg

    アプリケーションリソースグループの名前。

  5. アプリケーションリソースグループに SUNW.HAStoragePlus リソースを追加します。


    nodeA# clresource create -g nfs-rg \
    -t SUNW.HAStoragePlus \
    -p FileSystemMountPoints=/global/mountpoint \
    -p AffinityOn=True \
    nfs-dg-rs
    
    create

    リソースを作成します。

    -g

    リソースを追加するリソースグループを指定します。

    -t SUNW.HAStoragePlus

    リソースのタイプに SUNW.HAStoragePlus を指定します。

    -p FileSystemMountPoints=/global/

    ファイルシステムのマウントポイントがグローバルであることを指定します。

    -p AffinityOn=True

    アプリケーションリソースが -p GlobalDevicePaths= で定義されたグローバルデバイスとクラスタファイルシステム向けにアフィニティスイッチオーバーを実行するように指定します。したがって、アプリケーションリソースグループがフェイルオーバーまたはスイッチオーバーすると、関連デバイスグループがスイッチオーバーします。

    nfs-dg-rs

    NFS アプリケーション向けの HAStoragePlus リソースの名前。

    これらの拡張プロパティーについての詳細は、SUNW.HAStoragePlus(5) のマニュアルページを参照してください。

  6. 論理ホスト名リソースをアプリケーションリソースグループに追加します。


    nodeA# clreslogicalhostname create -g nfs-rg \
    lhost-nfsrg-prim
    

    主クラスタ上のアプリケーションリソースグループの論理ホスト名は lhost-nfsrg-prim です。

  7. リソースを有効にし、アプリケーションリソースグループを管理し、アプリケーションリソースグループをオンラインにします。

    1. NFS アプリケーション向けの HAStoragePlus リソースを有効にします。


      nodeA# clresource enable nfs-rs
      
    2. nodeA でアプリケーションリソースグループをオンラインにします。


      nodeA# clresourcegroup online -e -M -n nodeA nfs-rg
      
      online

      リソースグループをオンラインにします。

      -e

      関連付けられたリソースを有効にします。

      -M

      リソースグループを管理状態にします。

      -n

      リソースグループをオンラインにするノードを指定します。

      nfs-rg

      リソースグループの名前。

  8. アプリケーションリソースグループがオンラインであることを確認します。


    nodeA# clresourcegroup status
    

    アプリケーションリソースグループの状態フィールドを調べ、複製リソースグループが nodeAnodeB でオンラインとなっているかどうかを調べます。

次の手順

「二次クラスタで NFS アプリケーションリソースグループを作成する」に進みます。

Procedure二次クラスタで NFS アプリケーションリソースグループを作成する

始める前に

手順「主クラスタで NFS アプリケーションリソースグループを作成する」を完了します。

  1. nodeC にスーパーユーザーになるか、RBAC の承認 solaris.cluster.modifysolaris.cluster.admin、および solaris.cluster.read を提供する役割になりますしてアクセスします。

  2. SUNW.nfs をリソースタイプとして登録します。


    nodeC# clresourcetype register SUNW.nfs
    
  3. SUNW.HAStoragePlus をリソースタイプとして登録していない場合は、登録します。


    nodeC# clresourcetype register SUNW.HAStoragePlus
    
  4. デバイスグループのアプリケーションリソースグループを作成します。


    nodeC# clresourcegroup create \
    -p Pathprefix=/global/etc \
    -p Auto_start_on_new_cluster=False \
    -p RG_dependencies=devgrp-stor-rg \
    nfs-rg
    
    create

    リソースグループを作成します。

    -p

    リソースグループのプロパティーを指定します。

    Pathprefix=/global/etc

    グループのリソースが管理ファイルを書き込むディレクトリを指定します。

    Auto_start_on_new_cluster=False

    アプリケーションリソースグループが自動的に起動しないように指定します。

    RG_dependencies=devgrp-stor-rg

    アプリケーションリソースグループが依存するリソースグループを指定します。この例では、アプリケーションリソースグループは複製リソースグループに依存しています。

    アプリケーションリソースグループが新しい主ノードにスイッチオーバーすると、複製リソースグループが自動的にスイッチオーバーします。ただし、複製リソースグループが新しい主ノードにスイッチオーバーした場合は、アプリケーションリソースグループを手動でスイッチオーバーする必要があります。

    nfs-rg

    アプリケーションリソースグループの名前。

  5. アプリケーションリソースグループに SUNW.HAStoragePlus リソースを追加します。


    nodeC# clresource create -g nfs-rg \
    -t SUNW.HAStoragePlus \
    -p FileSystemMountPoints=/global/mountpoint \
    -p AffinityOn=True \
    nfs-dg-rs
    
    create

    リソースを作成します。

    -g

    リソースを追加するリソースグループを指定します。

    -t SUNW.HAStoragePlus

    リソースのタイプに SUNW.HAStoragePlus を指定します。

    -p

    リソースのプロパティーを指定します。

    FileSystemMountPoints=/global/

    ファイルシステムのマウントポイントがグローバルであることを指定します。

    AffinityOn=True

    アプリケーションリソースが -x GlobalDevicePaths= で定義されたグローバルデバイスとクラスタファイルシステム向けにアフィニティスイッチオーバーを実行するように指定します。したがって、アプリケーションリソースグループがフェイルオーバーまたはスイッチオーバーすると、関連デバイスグループがスイッチオーバーします。

    nfs-dg-rs

    NFS アプリケーション向けの HAStoragePlus リソースの名前。

    これらの拡張プロパティーについての詳細は、SUNW.HAStoragePlus(5) のマニュアルページを参照してください。

  6. 論理ホスト名リソースをアプリケーションリソースグループに追加します。


    nodeC# clreslogicalhostname create -g nfs-rg \
    lhost-nfsrg-sec
    

    二次クラスタ上のアプリケーションリソースグループの論理ホスト名は lhost-nfsrg-sec です。

  7. NFS リソースをアプリケーションリソースグループに追加します。


    nodeC# clresource create -g nfs-rg \
    -t SUNW.nfs -p Resource_dependencies=nfs-dg-rs nfs-rg
    
  8. アプリケーションリソースグループが nodeC でオンラインになっていないことを確認します。


    nodeC# clresource disable -n nodeC nfs-rs
    nodeC# clresource disable -n nodeC nfs-dg-rs
    nodeC# clresource disable -n nodeC lhost-nfsrg-sec
    nodeC# clresourcegroup online -n "" nfs-rg
    

    Auto_start_on_new_cluster=False によって、リソースグループは再起動後もオフラインのままになります。

  9. グローバルボリュームが主クラスタにマウントされている場合は、二次クラスタのグローバルボリュームのマウントを解除します。


    nodeC# umount /global/mountpoint
    

    ボリュームが二次クラスタにマウントされていると、同期が失敗します。

次の手順

「データ複製の有効化例」に進みます。