デバイスグループを保守状態にすることによって、デバイスのいずれかにアクセスされたときに、デバイスグループが自動的にオンラインになることを防ぎます。デバイスグループを保守状態にする必要があるのは、修理手順において、修理が終わるまで、すべての入出力活動を停止する必要がある場合などです。また、デバイスグループを保守状態にすることによって、別のノード上のディスクセットまたはディスクグループを修復していても、当該ノード上のデバイスグループはオンラインにならないため、データの損失を防ぎます。
デバイスグループを保守状態にする前に、そのデバイスへのすべてのアクセスを停止し、依存するすべてのファイルシステムをマウント解除する必要があります。
phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。
この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。
デバイスグループを保守状態にします。
修理手順を実行するときに、ディスクセットまたはディスクグループの所有権が必要な場合は、ディスクセットまたはディスクグループを手動でインポートします。
Solaris ボリュームマネージャー の場合:
# metaset -C take -f -s diskset |
Solaris ボリュームマネージャー ディスクセットの所有権を取得する場合、デバイスグループが保守状態にあるときは、metaset -C take コマンドを使用する必要があります。metaset -t を使用すると、所有権の取得作業の一部として、デバイスグループがオンラインになります。VxVM ディスクグループをインポートする場合、ディスクグループをインポートするときは、-t フラグを使用する必要があります。-t フラグを使用することで、当該ノードが再起動した場合に、ディスクグループが自動的にインポートされることを防ぎます。
Veritas Volume Manager の場合:
# vxdg -t import disk-group-name |
必要な修理手順を実行します。
ディスクセットまたはディスクグループの所有権を解放します。
デバイスグループを保守状態から戻す前に、ディスクセットまたはディスクグループの所有権を解放する必要があります。所有権を解放しないと、データが失われる可能性があります。
Solaris ボリュームマネージャー の場合:
# metaset -C release -s diskset |
Veritas Volume Manager の場合:
# vxdg deport diskgroupname |
デバイスグループをオンラインにします。
# cldevicegroup online devicegroup # cldevicegroup enable devicegroup |
次に、デバイスグループ dg-schost-1 を保守状態にし、保守状態からデバイスグループを削除する方法の例を示します。
[Place the device group in maintenance state.] # cldevicegroup disable dg-schost-1 # cldevicegroup offline dg-schost-1 [If needed, manually import the disk set or disk group.] For Solaris ボリュームマネージャー: # metaset -C take -f -s dg-schost-1 For Veritas Volume Manager: # vxdg -t import dg1 [Complete all necessary repair procedures.] [Release ownership.] For Solaris ボリュームマネージャー: # metaset -C release -s dg-schost-1 For Veritas Volume Manager: # vxdg deport dg1 [Bring the device group online.] # cldevicegroup online dg-schost-1 # cldevicegroup enable dg-schost-1 |