Sun Cluster の高可用性環境によって、重要なアプリケーションの可用性がエンドユーザーに対して保証されます。システム管理者の業務は、Sun Cluster 構成の安定した動作を保証することです。
管理作業を始める前に、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』と『Sun Cluster Concepts Guide for Solaris OS』に記載されている計画情報をよく理解しておいてください。ゾーンクラスタの作成手順については、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』の「ゾーンクラスタの設定」を参照してください。Sun Cluster の管理は、次の作業ごとに各マニュアルにまとめられています。
グローバルクラスタまたはゾーンクラスタを定期的に (または毎日) 管理および維持するための標準的な作業。これらの作業は、このマニュアルで説明されています。
インストール、構成、属性の変更などのデータサービス作業。これらの作業は、『Sun Cluster Data Services Planning and Administration Guide for Solaris OS』で説明されています。
記憶装置やネットワークハードウェアの追加や保守などのサービス作業。これらの作業は、『Sun Cluster 3.1 - 3.2 Hardware Administration Manual for Solaris OS』で説明されています。
一般に、Sun Cluster の管理作業はクラスタの稼働中に実行できます。クラスタからノードを取り外す必要がある場合、あるいはノードを停止する必要がある場合でも、残りのノードがクラスタを稼働している間に作業を行うことができます。Solaris 10 では、明記していないかぎり、Sun Cluster の管理作業はグローバルクラスタの投票ノードで行うべきです。クラスタ全体を停止する必要がある手順については、ダウンタイムのスケジュールを通常の業務時間外に設定してシステムへの影響を最小限に抑えてください。クラスタまたはクラスタノードを停止する予定があるときは、あらかじめユーザーに通知しておいてください。
Sun Cluster の 2 つの管理コマンド (cluster および clnode) は、ゾーンクラスタでも実行できます。ただし、このコマンドの対象は、コマンドが発行されたゾーンクラスタに限定されます。たとえば、グローバルクラスタの投票ノードで cluster コマンドを使用すると、投票グローバルクラスタおよびすべてのゾーンクラスタに関するすべての情報が得られます。cluster コマンドをゾーンクラスタで使用すると、そのゾーンクラスタのみの情報が得られます。
clzonecluster コマンドを投票ノードで使用すると、グローバルクラスタ内のすべてのゾーンクラスタが対象になります。ゾーンクラスタコマンドはゾーンクラスタ上のすべてのノードを対象とします (コマンド発行時に停止していたノードも対象になります)。
ゾーンクラスタは、リソースグループマネージャー (Resource Group Manager、RGM) の制御下にあるリソースの委任管理をサポートしています。そのため、ゾーンクラスタの管理者は、クラスタ境界にまたがるゾーンクラスタ依存関係を表示できます (ただし、変更はできません)。クラスタ境界にまたがるゾーンクラスタ依存関係を作成し、変更し、削除できるのは、投票ノード内の管理者のみです。
次の表に、ゾーンクラスタで実行する主な管理作業を示します。
ゾーンクラスタの作成 – clzonecluster configure コマンドを使用して、新しいゾーンクラスタを作成します。手順については、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』の「ゾーンクラスタの設定」を参照してください。
ゾーンクラスタの起動と再起動 – 第 3 章クラスタの停止と起動を参照してください。
ゾーンクラスタへのノードの追加 - 第 8 章ノードの追加と削除 を参照してください。
ゾーンクラスタからのノードの削除 – 「ゾーンクラスタからノードを削除する」を参照してください。
ゾーンクラスタの構成の表示 – 「クラスタ構成を表示する」を参照してください。
ゾーンクラスタの構成の検証 – 「基本的なクラスタ構成を検証する」を参照してください。
ゾーンクラスタの停止 – 第 3 章クラスタの停止と起動を参照してください。