Sun Cluster HA for Oracle データサービスの既存のリソースタイプは次のとおりです。
Oracle リスナーを表す SUNW.oracle_listener
Oracle サーバーを表す SUNW.oracle_server
既存のリソースタイプに加えて、3 種類の追加のリソースタイプが ASM の Sun Cluster HA for Oracle データサービスに含まれています。これらのリソースタイプは次のとおりです。
SUNW.asm_diskgroup、Sun Cluster 構成内の単一またはクラスタインスタンス ASM ディスクグループを表しています。リソースタイプの詳細については、asm_diskgroup(5) を参照してください。
SUNW.scalable_asm_instance、Sun Cluster 構成のシングルインスタンス ASM を表しています。リソースタイプの詳細については、SUNW.scalable_asm_instance(5) を参照してください。
SUNW.scalable_asm_instance_proxy、Sun Cluster 構成内のクラスタ ASM インスタンスのプロキシを表しています。リソースタイプの詳細については、SUNW.scalable_asm_instance_proxy(5) を参照してください。
Sun Cluster HA for Oracle の旧バージョンからアップグレードする場合は、既存のリソースタイプをアップグレードします。
リソースタイプをアップグレードする方法に関する一般的な注意点については、『Sun Cluster Data Services Planning and Administration Guide for Solaris OS』の「Upgrading a Resource Type」を参照してください。
以下の副節では、SUNW.oracle_listener リソースタイプのアップグレードを実行するために必要な情報について説明します。
SUNW.oracle_listener リソースタイプのバージョンと Sun Cluster データサービスのリリースの関係は、次の表のとおりです。Sun Cluster データサービスのリリースは、リソースタイプが導入されたバージョンを表します。この表は、それぞれの新しいバージョンで導入された変更の概要も示しています。
SUNW.oracle_listener リソースタイプバージョン |
Sun Cluster データサービスのリリース |
変更の概要 |
---|---|---|
1 |
1.0 |
なし |
3.1 |
3.1 5/03 |
導入したこのリソースタイプのアップグレードを有効にする指示 |
4 |
3.1 4/04 |
Probe_timeout 拡張プロパティーの導入 |
5 |
3.1 8/05 |
Probe_timeout 拡張プロパティーのデフォルト値が 180 秒に延長されました。 |
登録されているリソースタイプのバージョンを調べるには、次のどちらかのコマンドを使用します。
clresourcetype list
clresourcetype show
このリソースタイプのリソースタイプ登録 (RTR) ファイルは /opt/SUNWscor/oracle_listener/etc/SUNW.oracle_listener です。
SUNW.oracle_listener リソースタイプの各インスタンスの編集に必要な情報は、次のとおりです。
移行はいつでも実行できます。
バージョン 3.1 4/04 で導入された SUNW.oracle_listener リソースタイプの機能を使用する必要がある場合、Type_version プロパティーの値は 4 である必要があります。
バージョン 3.1 8/05 で導入された SUNW.oracle_listener リソースタイプの機能を使用する必要がある場合、Type_version プロパティーの値は 5 である必要があります。
障害モニターが Oracle リスナーの検査で使用する秒単位のタイムアウト値を指定する必要がある場合は、Probe_timeout 拡張プロパティーを設定します。詳細については、「SUNW.oracle_listener 拡張プロパティー」を参照してください。
SUNW.oracle_listener リソースタイプのバージョン 4 を使用する場合、新しいデフォルト値が必要な場合にだけ バージョン 4 にアップグレードします。バージョン 4 のデフォルト値で十分であれば、アップグレードする必要はありません。
次の例は、 SUNW.oracle_listener リソースタイプのインスタンスを編集するコマンドです。
# clresource set -p Type_version=4 \ -p probe_timeout=60 oracle-lrs |
このコマンドは SUNW.oracle_listener リソースを次のように編集します。
SUNW.oracle_listener リソースは oracle-lrs と名付けられます。
このリソースの Type_version プロパティーを 4 に設定します。
障害モニターが Oracle リスナーの検査で使用するタイムアウト値 (秒単位) を 60 秒に設定します。
以下の副節では、SUNW.oracle_server リソースタイプのアップグレードを実行するために必要な情報について説明します。
SUNW.oracle_server リソースタイプのバージョンと Sun Cluster データサービスのリリースの関係は、次の表のとおりです。Sun Cluster データサービスのリリースは、リソースタイプが導入されたバージョンを表します。この表は、それぞれの新しいバージョンで導入された変更の概要も示しています。
登録されているリソースタイプのバージョンを調べるには、次のどちらかのコマンドを使用します。
clresourcetype list
clresourcetype show
この ソースタイプのリソースタイプ登録 (RTR) ファイルは、/opt/SUNWscor/oracle_server/etc/SUNW.oracle_server です。
SUNW.oracle_server リソースタイプの各インスタンスの編集に必要な情報は、次のとおりです。
移行はいつでも実行できます。
バージョン 3.1 10/03 で導入された SUNW.oracle_server リソースタイプの機能を使用する必要がある場合、Type_version プロパティーの値は 4 である必要があります。
バージョン 3.1 8/05 で導入された SUNW.oracle_server リソースタイプの機能を使用する必要がある場合、Type_version プロパティーの値は 5 である必要があります。
サーバー障害モニターの動作をカスタマイズした場合は、Custom_action_file 拡張プロパティーを設定する必要があります。詳細については、「Sun Cluster HA for Oracle サーバー 障害モニターのカスタマイズ」を参照してください。
SUNW.oracle_server リソースタイプのバージョン 4 を使用する場合、新しいデフォルト値が必要な場合のみ バージョン 4 にアップグレードします。バージョン 4 のデフォルト値で十分であれば、アップグレードする必要はありません。
次の例は、 SUNW.oracle_server リソースタイプのインスタンスの編集のコマンドです。
# clresource set -p Type_version=4 \ -p custom_action_file=/opt/SUNWscor/oracle_server/etc/srv_mon_cust_actions \ oracle-srs |
このコマンドは SUNW.oracle_server リソースを次のように編集します。
SUNW.oracle_server リソースは oracle-srs と名付けられます。
このリソースの Type_version プロパティを 4 に設定します。
このリソースの障害モニターのカスタム動作は、ファイル /opt/SUNWscor/oracle_server/etc/srv_mon_cust_actions で指定します。