Sun Java System Microsoft Outlook 版 Connector と Sun Java System Communications Express の相互運用性に関する問題は次のとおりです。
「差出人」ヘッダーのアドレス変更。(4949659)
出席者が出席依頼に返信し、winmail.dat カレンダの出席依頼を添付すると、「差出人」ヘッダーの名前が変更されます。たとえば、Outlook を使用している Joe が予定への出席依頼を Bob に送信します。Bob は元の winmail.dat カレンダ添付ファイルを自動的に返信する電子メールクライアントを使用して Joe に返信します。Joe が返信を開くと、「差出人」ヘッダーは Joe に変更されています。
Outlook では電子メール ID が必須項目です。(4969029)
カレンダ ID は持っているが、電子メール ID は持っていないユーザーに Communications Express で予定への出席を依頼した場合、Outlook ではこのユーザーが出席者として表示されません。Outlook では電子メール ID が必要です。
カレンダの購読を解除しても、フォルダリストからカレンダが削除されません。(5032872)
Communications Express でカレンダの購読を登録または解除した場合、Outlook を再起動しないとその情報は Outlook で更新されません。また、検索用に設定された LDAP が複製である場合、複製が更新されるまで購読リストも更新されません。
Outlook がサーバーと同期するときにエラーが発生します。(6175103)
Outlook がサーバーと同期しているときに Outlook または Communications Express で仕事を作成し、その後その仕事を削除したあとにユーザーが Outlook で仕事フォルダを開こうとすると、「メモリ不足のためすべてのセルを表示できません」というエラーが発生します。回避策として、別のフォルダに切り替えてから再度仕事フォルダに戻るようにします。
アドレス帳のサーバーの連絡先を正しく同期させるには設定パラメータを設定する必要があります。(6229276)
Communications Express から削除された連絡先のエントリを Outlook で検知するには、db_config.properties ファイルの Communications Express 設定パラメータ delete_perm を false に設定する必要があります。エントリを次のように設定します。
delete_perm=false
デフォルトは true です。このエントリは /var/opt/SUNWuwc/WEB-INF/config/ldapstore/db_config.properties にあります。
同じフォルダ名でも大文字と小文字の違いがある場合、その両方を表示することはできません。このようなフォルダは 1 つだけ表示されます。(6268483)
Outlook でフォルダ (TEST など) を作成し、その後 Communications Express で大文字と小文字が違う同じ名前のフォルダ (Test など) を作成すると、最初に作成されたフォルダ (この場合 TEST) だけが Microsoft Outlook 版 Connector で表示されます。
ユーザーが既存のフォルダ TEST を Communications Express で削除し、大文字と小文字の違いがある同じ名前のフォルダ ( Test) を保持 (または作成) した場合、その後ユーザーが初めて Outlook にログインしたときに、フォルダ TEST は削除されていますが、フォルダ Test はユーザーが Outlook を終了して再度ログインするまで表示されません。
Communications Express の相互運用性に関連した、バグ ID のないその他の問題を次に示します。
Communications Express を使用して説明のテキストを編集すると、Outlook の RTF 形式は保持されません。
Outlook と Communications Express でプライバシークラスに違いがあります。
Outlook には「非公開」と「公開」の 2 つのプライバシークラスがありますが、Communications Express には「非公開」、「日時のみ」、および「公開」の 3 つのプライバシークラスがあります。Outlook では、非公開イベントは Communications Express の「日時のみ」のイベントとして作成されます。Outlook の公開イベントは、Communications Express の公開イベントに対応付けられます。同様に、Communications Express の「日時のみ」のイベントは Outlook の非公開イベントに対応付けられ、公開イベントは Outlook の公開イベントに対応付けられます。また、Communications Express の非公開イベントは Outlook の非公開イベントに対応付けられます。Communications Express で非公開イベントとして表示されるように Outlook で非公開イベントを作成するには、「予定の公開方法」フィールドから「空き時間」を選択します。ほかのユーザーが Communications Express の非公開イベントを共有のカレンダフォルダで参照することはできません。
Outlook と Communications Express では、空き/予定ありの実装方法が異なります。
Communications Express では、デフォルトの非公開イベントは空きです。イベントを空き/予定ありの検索対象とするには、手動で予定ありに設定してください。Outlook では、非公開イベントと公開イベントともデフォルトのイベントは予定ありです。
Communications Express から Outlook 形式のファイルにイベントをエクスポートする場合、そのイベントを同じファイルから Outlook にインポートすることはできません。
Outlook と Communications Express では、定期的な仕事 (繰り返しの作業) の実装方法に互換性がありません。
Outlook では定期的な仕事は RFC 2445 に準拠しませんが、Communications Express は RFC 2445 に準拠するように特に設計されています。そのため、Outlook と Calendar Server で定期的な仕事 (繰り返しの作業) の情報を受け渡すときに問題が発生します。
Outlook にローカルで保存されている情報が、Calendar Server に保存されている情報と常に一致するとは限りません。たとえば、Sun Java System Microsoft Outlook 版 Connector は仕事 (作業) の繰り返しを扱う情報を Calendar Server に転送しません。定期的かどうかに関わらず Outlook で作成された仕事は、Communications Express で単一の仕事として表示されます。Communications Express で作成された仕事が Calendar Server からの繰り返し情報を使用するのは、その仕事が初めて Outlook クライアントで記述されたときだけで、Outlook 上の既存の仕事を修正しているときには使用しません。
これらの理由から、Outlook で表示される定期的な仕事と Communications Express で表示される繰り返しの作業には多くの異なる点があります。定期的な仕事 (繰り返しの作業) を扱うユーザーは Outlook か Communications Express のどちらか一方だけを選び、定期的な仕事 (繰り返しの作業) を扱う場合はこれらのクライアントを交互に使用しないようにすることをお勧めします。
メッセージが Outlook からリッチテキスト形式で送信された場合、メッセージの本文は書式なしのプレーンテキストになり、WINMAIL.DAT が添付ファイルとなります。
WINMAIL.DAT 添付ファイルには、リッチテキスト形式のメッセージとその他の添付ファイルが含まれます。このリッチテキスト形式は Microsoft 独自の形式であるため、WINMAIL.DAT 添付ファイルを読むことができるのは Outlook を使用した場合だけです。Communications Express およびその他すべてのクライアントでは、書式なしのテキストメッセージと WINMAIL.DAT 添付ファイルしか見ることができません。メッセージを送信する場合には、リッチテキスト形式ではなく HTML 形式で送信することをお勧めします。
Outlook の連絡先グループに外部 SMTP メールの受信者または別の連絡先グループが含まれる場合、その連絡先グループは Communications Express で表示されません。Communications Express では、これらの受信者にメールを送信できません。
Outlook は予定表のイベントと仕事 (予定表フォルダツリーの下にないすべての予定表フォルダ)、連絡先 (連絡先フォルダツリーの下にないすべての連絡先フォルダ)、メモ、および履歴を Messaging Server に保存します。データは Microsoft TNEF 形式で保存されるため、Communications Express はそれらをデコードして正しく表示することができません。