配備プロセスは、次の基本フェーズから構成されており、ソリューションライフサイクルと呼ばれます。
ビジネス要件の分析
技術要件の分析
論理アーキテクチャーの設計
配備アーキテクチャーの設計
配備の実行
配備の運用
配備フェーズは固定的なものではなく、配備プロセスは反復して行われます。
Calendar Server やその他の Java Enterprise System コンポーネントの配備プロセスの詳細については、『Sun Java Enterprise System 2005Q4 Deployment Planning Guide』を参照してください。
Calendar Server の配備計画を開始する前に、次のことを確認してください。
組織が Calendar Server を配備するのはなぜでしょうか
次のようにいくつかの理由が考えられます。
コストの削減:ユーザーごとの総所有コストが市販されている他のカレンダ製品を使用するより低くなります。
生産性の向上:カレンダユーザーは、自分の予定や作業を管理できるほか、組織内の他の職員との会議や約束を予定することができます。また、ユーザーはカレンダグループと、会議室や機器などのリソースを管理できます。さらに、カレンダを PDA などのモバイルデバイスや Microsoft Outlook と同期させることもできます。
スケーラビリティーおよび可用性の向上:Calendar Server は垂直と水平の両方向で拡大縮小します。組織が拡大すると、サーバーをアップグレードしたり、さらにサーバーを追加したりすることによって簡単に設定をアップグレードできます。
セキュリティーの向上:Solaris システムに Calendar Server を配備すると、その組織は、Windows 環境でよく見られる多くのウィルスや他のセキュリティー上の危険を回避できます。
高可用性 (HA) 設定:Sun Cluster ソフトウェアとの統合によって、Calendar Server で高可用性サービスが行えるように設定できます。ソフトウェアやハードウェアの障害が発生すると、Calendar Server は二次サーバーへフェイルオーバーします。
通常、Calendar Server の配備には、それぞれが異なる役割と責任を受け持つ何人かの人員が必要です。小規模な組織では、1 人でいくつかの役割を兼任することがあります。考慮すべき役割の中には次のものがあります。
プログラムマネージャは、Calendar Server 配備全体を監督し、その成功や失敗に責任を持ちます。
Calendar Server 管理者は、Calendar Server を管理するための毎日の管理業務を行い、さらに Calendar Server のインストールやアップグレードの責任者となる場合もあります。
パフォーマンスエンジニアは、試験的配備および本稼働における配備の Calendar Server のパフォーマンスをテストおよび監視し、配備条件を満たしているかを確認します。
開発エンジニアリングでは、Calendar Server のアプリケーションやプラグインを記述し、必要に応じて、Calendar Server のユーザーインタフェース (UI) をカスタマイズします。
マニュアルスペシャリストは、管理者やエンドユーザー向けにカスタマイズされたあらゆるマニュアルを執筆します。
教育およびトレーニングでは、実務講習と教材を開発します。
サポートスペシャリストは、試験的配備および本稼働における配備の両方をサポートします。
エンドユーザーは、Calendar Express Web クライアント、Communications Express Web クライアント、または Sun Java System Connector for Microsoft Outlook を使用することによって Calendar Server に接続できます。
サイトのエンドユーザーについて、次のことを確認します。
サイトには、全部で何人の Calendar Server のエンドユーザーがいますか。
エンドユーザーはどのようにして Calendar Server に接続しますか。Calendar Express を使用しますか。Communications Express を使用しますか。Microsoft Outlook を使用しますか。それともそれらのクライアントを組み合わせますか。
地理的な場所はいくつ含まれていますか。エンドユーザーはすべて同じまたは違うタイムゾーンにいますか。
エンドユーザーは、毎日、同じ時間に Calendar Server にログインしますか。
配備では、ピーク使用時のアクティブなエンドユーザーは何人いますか。
エンドユーザーベースはどのくらいの速さで拡張しますか。
Calendar Server エンドユーザーに特有のパフォーマンス要件は何ですか。
シングルサインオン (SSO) 要件は何ですか。
ユーザーの中に、NetscapeTM Calendar 4.x から移行しているユーザーがいますか。
エンドユーザー向けに Calendar Server UI のカスタマイズを計画していますか。
サイトにプロキシサーバーの使用を計画していますか。
エンドユーザーに特有のパフォーマンス要件は何でしょうか。例:
どのくらいのエンドユーザーの応答時間が許容されますか。
ピークロード時に予想されるパフォーマンスの低下を許容できますか。
配備で使用することを計画しているのはどのような構成ですか。Calendar Server の構成シナリオには、次のものが含まれます。
1 つの Calendar Server インスタンス
単一のフロントエンドサーバーと単一のバックエンドデータベースサーバー
LDAP CLD プラグインによる複数のフロントエンド/バックエンドサーバー
高可用性 (HA) 構成
複数のフロントエンドサーバーの設定を計画している場合、どのようにエンドユーザーの分散を計画するでしょうか。
複数のバックエンドデータベースサーバーの設定を計画している場合、どのようにデータベースの分散を計画するでしょうか。たとえば、サーバーを地理的に分散するなどの方法があります。
どのような拡張計画があるでしょうか。フロントエンドとバックエンドの両方についてはどうでしょうか。