Communications Express では、組織のホストドメイン構造をサポートしています。
この章では、ホストドメインを有効にするために Communications Express に加える変更について説明します。
この節では、ホストドメイン (仮想ドメインともいう) を有効にするために Communications Express に加える変更について説明します。
カレンダでホストドメイン設定を有効にするには、uwc-deployed-path/WEB_INF/config/uwcauth.properties ファイル内の virtual domain.mode パラメータを “y” に設定し、Calendar Server をホストドメイン用に設定する必要があります。Calendar Server をホストドメイン用に設定する方法については、『Sun Java System Calendar Server 管理ガイド』の第 5 章「ホストされたドメインの設定」を参照してください。
ドメインをプロビジョニングし、組織のツリー内にホストドメインエントリを作成する方法については、Sun Java System LDAP Schema v.1 用の『iPlanet Messaging Server 5.2 Provisioning Guide』の第 2 章「Provisioning Domains」を参照してください。
メールクライアントのインタフェースを各ドメイン用にカスタマイズする方法については、『Sun Java System Communications Express Customization Guide』の第 8 章「Customizing Communications Express for a Specific Domain」を参照してください。
ホストドメインを有効にするには、次のファイルを変更します。
uwc-deployed-path/WEB-INF/domain/personalstore.properties ファイル
uwc-deployed-path/WEB-INF/domain/defaultps/defaultps.xml ファイル
ドメイン関連の設定可能なパラメータは、次に示すファイルに格納されます。
uwcdomainconfig.properties
personalstore.properties
defaultps/defaultps.xml
lang/il8n.properties (たとえば en/i18n.properties)
Communications Express を配備すると、これらのファイルはデフォルトで uwc-deployed-path/WEB-INF/domain ディレクトリにコピーされます。
特定のユーザーセッションでは、ドメイン関連のプロパティーファイルは次の順序で検索されます。
uwc-deployed-path/WEB-INF/domain/ user\qs domain/property-files
uwc-deployed-path/WEB-INF/domain/ property-files
この節では、ホストドメインを作成するために実行する必要のある手順について説明します。
ドメイン名のディレクトリを uwc-deployed-path/WEB-INF/domain に作成します。
例: uwc-deployed-path/WEB-INF/domain/domain-name
uwc-deployed-path/WEB-INF/domain ディレクトリにあるドメイン関連の設定ファイルをこのディレクトリにコピーします。ドメイン関連のパラメータについては、「ホストドメインの設定」の節を参照してください。
uwc-deployed-path/WEB-INF/domain/domain-name ディレクトリ内のプロパティーファイルを後述のとおりにカスタマイズします。
Access Manager のログイン URL を Communications Express のドメイン固有の URL に従って作成できるようにするには、Access Manager の仮想ホスト名に、完全修飾の仮想ホスト名 uwc.isvirtualhostname を設定します。
たとえば、
ce.virtualdomain.com.isvirtualhostname=is.virtualdomain.com
であり、http://ce.virtualdomain.com/uwc から Communications Express にアクセスしている場合、
Access Manager の URL は次のように表示されます。
http://is.virtualdomain.com/amserver/UI/Login .
完全修飾の仮想ホスト名が Access Manager の仮想ホスト名にマップされていない場合、Communications Express は Access Manager のログイン URL を、uwcauth.identity.login.url に設定されている Access Manager の静的ログイン URL に基づいて作成します。
たとえば、uwcauth.identity.login.url=http://siroe.com:85/amserver/UI/Login であり、http://ce.varrius.com:80/uwc などのドメイン固有の URL から Communications Express にアクセスしている場合、Communications Express は IS のログイン URL を次のように作成します。
http://siroe.varrius.com:85/amserver/UI/Login
ここで、ドメインは varrius.com です。
ドメインが ce.varrius.com の場合、Communications Express は Access Manager のログイン URL を次のように作成します。http://siroe.ce.varrius.com:85/amserver/UI/Login .
Access Manager の設定に次の変更を加えます。
AMconfig.properties で、FQDN マッピングを定義します。デフォルトでは、AMconfig.properties ファイルは次の場所にあります。/etc/opt/SUNWam/config/AMconfig.properties
たとえば、Access Manager が仮想ホストから is.virtualdomain.com としてアクセスされている場合、FQDN マッピングは次のように表示されます。
com.sun.identity.server.fqdnMap[is.virtualdomain.com]=is.virtualdomain.com
service configuration -\> platform の下の cookie domains にある追加の Cookie ドメインフィールドに virtualdomain.com を追加します。
このあとの各節では、Communications Express 内のドメインで設定可能な次の設定について説明します。
uwcdomainconfig.properties ファイルは、カレンダおよびアドレス帳関連のユーザー設定のデフォルト値を保持します。この値は、ドメイン単位で設定可能です。これらのデフォルトユーザー設定値は、新規ユーザーが Communications Express のカレンダおよびアドレス帳に初めてアクセスするときに、動的に割り当てられます。
表 6-1 は、アプリケーション内のデフォルトユーザー設定を一覧表示しています。
表 7–1 uwcdomainconfig.properties ファイル内のデフォルトユーザー設定
「uwcdomainconfig.properties ファイル内のパラメータの設定」は、カレンダアプリケーションに関連したユーザー設定を一覧表示しています。
表 7–3 uwcdomainconfig.properties ファイル内のデフォルトのアドレス帳設定
パラメータ |
デフォルト値 |
説明 |
---|---|---|
uwc-user-sunAbExtendedUserPrefs-abName |
Personal Address Book |
デフォルトのアドレス帳の名前を指定します。 |
uwc-user-attr-sunAbExtendedUserPrefs-abDescription |
This is the personal address book. |
デフォルトのアドレス帳の短い説明を指定します。 |
uwc-user-attr-sunAbExtendedUserPrefs-abEntriesPerPage |
25 |
1 つのページに表示するアドレス帳エントリの最大数を選択します。選択可能なオプションは、次のとおりです。25、50、75。 |
uwc-user-attr-sunAbExtendedUserPrefs-abSearchDisplayColumn1 |
displayname |
第 1 列に表示する値を指定します。デフォルトでは、第 1 列には、連絡先またはグループの名前が表示されます。 |
uwc-user-attr-sunAbExtendedUserPrefs-abSerchDisplayColumn2 |
primaryemail |
アドレス帳の第 2 列に表示する値を指定します。 表示列名には、次の項目を設定できます。 displayname、company、title、primaryphone、workphone、homephone、faxphone、pagerphone、primaryemail、email2、email3、homeaddress、workaddress、weburl1、weburl2、calendarurl、freebusyurl、birthday、anniversary、ou、edit、viewcalendar。 |
uwc-user-attr-sunAbExtendedUserPrefs-abSearchDisplayColumn3 |
アドレス帳の第 3 列に表示する値を指定します。 表示列名には、次の項目を設定できます。 displayname、company、title、primaryphone、workphone、homephone、faxphone、pagerphone、primaryemail、email2、email3、homeaddress、workaddress、weburl1、weburl2、calendarurl、freebusyurl、birthday、anniversary、ou、edit、viewcalendar。 |
|
uwc-user-attr-sunAbExtendedUserPrefs-abSearchDisplayColumn4 |
edit |
アドレス帳の第 4 列に表示する値を指定します。 表示列名には、次の項目を設定できます。 displayname、company、title、primaryphone、workphone、homephone、faxphone、pagerphone、primaryemail、email2、email3、homeaddress、workaddress、weburl1、weburl2、calendarurl、freebusyurl、birthday、anniversary、ou、edit、viewcalendar。 |
personalstore.properties ファイル内のパラメータを変更して、アドレス帳ストア、企業ディレクトリ、および任意のリモートディレクトリを設定します。
表 6-4 は、personalstore.properties ファイルに格納されている設定を一覧表示しています。
表 7–4 personalstore.properties ファイルに格納されている設定
パラメータ |
デフォルト値 |
説明 |
---|---|---|
db.defaultpsrootpattern |
ldap:///piPStoreOwner=%U,o=%D,o=PiServerDb |
ユーザーの psRoot 値を動的に構成するために使用するパターンを指定します。psRoot は、ユーザーエントリが格納されている場所を特定します。 %U = ユーザーの uid ("jsmith") %D = ユーザーのドメイン ("siroe.com") %O = ドメインのもっとも重要な部分 ("siroe") |
db.xxx.class |
com.iplanet.iabs.ldap.plug.iLDAP |
プラグインを実装している Java クラスの名前を指定します。たとえば LDAP プラグインなどです。 |
db.xxx.urlmatch |
URL を次の形式で指定します。 ldap://host:port/DN このパラメータを基にして、xxx インスタンスを識別します。 この値は、defaultps.xml ファイルに格納されている「bookremoteurl」属性に対応していなければなりません。 |
|
db.xxx.configpath |
このインスタンスの LDAP 情報を含む設定ディレクトリへのパスを指定します。 相対パスの場合は、このファイルからの相対位置となります。 |
|
db.xxx.wildcardsearch |
ワイルドカード検索で指定される最小文字数を指定します。 |
|
db.xxx.randompaging |
false |
プラグインでランダムアクセスをサポートするか、または、各ページには先頭ページからアクセスしなければならないかを指定します。 false の場合は、正しいページが得られるまで検索プロセスが続行されます。 |
db.xxx.corporatedir |
false |
企業ディレクトリの場合は、この値を true にします。 |
db.useUserPsRoot |
false |
ユーザーの psRoot 値を使用するには、この値を true に設定します。この値が false に設定されていると、defaultserver 値が使用されます。 |
defaultps.xml ファイルには、ユーザーの初回ログイン時に LDAP ストアに作成された個人および企業アドレス帳のデフォルトの定義が含まれています。
各アドレス帳ノードにはアドレス帳定義があり、この定義は defaultps.xml ファイルが存在するドメイン内のユーザー用に作成されています。
次に示すのは、個人アドレス帳および企業アドレス帳の定義を含む defaultps.xml の XML セクションの例です。
<book booktype="abook"\> <bookoc\>piLocalBook</bookoc\> <entry entryID="pab"\> <displayname\>_Personal Address Book</displayname\> <description\>_This is your Personal Address Book</description\> </entry\> </books\> |
<book booktype="abook" bookremoteurl="ldap://corpdirectory"\> <bookoc\>piRemoteBook</bookoc\> <entry entryID="idirectory"\> <displayname\>_Corporate Directory</displayname\> <description\>_This is Corporate Directory</description\> </entry\> </book\> |
企業およびリモートのアドレス帳の場合は、対応する xxx インスタンスが personalstore.properties ファイルに存在しなければなりません。personalstore.properties ファイル内の db.xxx.urlmatch の値には、defaultps.xml ファイル内の bookremoteurl 属性の値を割り当てなければなりません。
新規のリモートアドレス帳を追加するには、次に示す項目を追加する必要があります。
新規のアドレス帳ノードを defaultps.xml ファイルに追加します。
新規の xxx インスタンスを personalstore.properties ファイルに追加します。
db_config.properties および xlate ファイルを格納するディレクトリを WEB-INF/config の下に作成します。
xlate ファイルには、LDAP スキーマと、連絡先またはグループのアドレス帳 XML スキーマとの間のフィールドマッピングが含まれています。
テーマファイルには、Communications Express に表示されるアイコンの論理名とデフォルトの場所が含まれています。このファイルで指定するパスを変更すると、イメージの場所を変更できます。デフォルトの theme.properties ファイルは、uwc-deployed-path/WEB-INF/skin にあります。
uwcdomainconfig.properties ファイルには、そのドメインでサポートされる言語のリストが含まれています。リスト内の各言語は、セミコロンで区切られています。Communications Express がドメインでサポートする言語のリストは、管理者が定義できます。
たとえば、en (英語)、de (ドイツ語)、fr (フランス語)、および ja (日本語) をドメイン siroe.com でサポートする場合は、そのドメインの uwcdomainconfig.properties ファイルの supportedLanguages を supportedLanguages=en;fr;de;ja のように設定します。
siroe.com の uwcdomainconfig.properties ファイルは、次の場所にあります。
WEB-INF/domain/siroe.com/uwcdomainconfig.properties
対応する i18n.properties ファイルに、ローカライズ可能な文字列を定義する必要もあります。例
uwc-common-options-preferredLanguage-en=English
uwc-common-options-preferredLanguage-de=German
uwc-common-options-preferredLanguage-fr=French
uwc-common-options-preferredLanguage-ja=Japanese
siroe.com の i18n.properties ファイルは、次の場所にあります。
WEB-INF/domain/siroe.com/locale/ i18n.properties
ユーザーの LDAP エントリに preferredLanguage 属性、つまりドメインの preferredLanguage 属性がない場合、ブラウザで指定されたヘッダー値と i18.properties ファイルが利用可能かどうかによって、ユーザーセッションで使用される言語が決まります。