Sun Java System Communications Express 6 2005Q4 管理ガイド

ホストドメインの設定

ドメイン関連の設定可能なパラメータは、次に示すファイルに格納されます。

Communications Express を配備すると、これらのファイルはデフォルトで uwc-deployed-path/WEB-INF/domain ディレクトリにコピーされます。

特定のユーザーセッションでは、ドメイン関連のプロパティーファイルは次の順序で検索されます。

Procedureホストドメイン

手順
  1. uwc-deployed-path/WEB-INF/domain/ user\qs domain/property-files

  2. uwc-deployed-path/WEB-INF/domain/ property-files

ホストドメインの作成

この節では、ホストドメインを作成するために実行する必要のある手順について説明します。

Procedureドメイン関連のプロパティーを特定のドメインに指定する場合は、次の手順を実行します。

手順
  1. ドメイン名のディレクトリを uwc-deployed-path/WEB-INF/domain に作成します。

    例: uwc-deployed-path/WEB-INF/domain/domain-name

  2. uwc-deployed-path/WEB-INF/domain ディレクトリにあるドメイン関連の設定ファイルをこのディレクトリにコピーします。ドメイン関連のパラメータについては、「ホストドメインの設定」の節を参照してください。

  3. uwc-deployed-path/WEB-INF/domain/domain-name ディレクトリ内のプロパティーファイルを後述のとおりにカスタマイズします。

  4. Access Manager のログイン URL を Communications Express のドメイン固有の URL に従って作成できるようにするには、Access Manager の仮想ホスト名に、完全修飾の仮想ホスト名 uwc.isvirtualhostname を設定します。

    たとえば、

    ce.virtualdomain.com.isvirtualhostname=is.virtualdomain.com

    であり、http://ce.virtualdomain.com/uwc から Communications Express にアクセスしている場合、

    Access Manager の URL は次のように表示されます。

    http://is.virtualdomain.com/amserver/UI/Login .

    完全修飾の仮想ホスト名が Access Manager の仮想ホスト名にマップされていない場合、Communications Express は Access Manager のログイン URL を、uwcauth.identity.login.url に設定されている Access Manager の静的ログイン URL に基づいて作成します。

    たとえば、uwcauth.identity.login.url=http://siroe.com:85/amserver/UI/Login であり、http://ce.varrius.com:80/uwc などのドメイン固有の URL から Communications Express にアクセスしている場合、Communications Express は IS のログイン URL を次のように作成します。

    http://siroe.varrius.com:85/amserver/UI/Login

    ここで、ドメインは varrius.com です。

    ドメインが ce.varrius.com の場合、Communications Express は Access Manager のログイン URL を次のように作成します。http://siroe.ce.varrius.com:85/amserver/UI/Login .

  5. Access Manager の設定に次の変更を加えます。

    1. AMconfig.properties で、FQDN マッピングを定義します。デフォルトでは、AMconfig.properties ファイルは次の場所にあります。/etc/opt/SUNWam/config/AMconfig.properties

      たとえば、Access Manager が仮想ホストから is.virtualdomain.com としてアクセスされている場合、FQDN マッピングは次のように表示されます。

      com.sun.identity.server.fqdnMap[is.virtualdomain.com]=is.virtualdomain.com

    2. service configuration -\> platform の下の cookie domains にある追加の Cookie ドメインフィールドに virtualdomain.com を追加します。

ホストドメイン用のパラメータの設定

このあとの各節では、Communications Express 内のドメインで設定可能な次の設定について説明します。

uwcdomainconfig.properties ファイル内のパラメータの設定

uwcdomainconfig.properties ファイルは、カレンダおよびアドレス帳関連のユーザー設定のデフォルト値を保持します。この値は、ドメイン単位で設定可能です。これらのデフォルトユーザー設定値は、新規ユーザーが Communications Express のカレンダおよびアドレス帳に初めてアクセスするときに、動的に割り当てられます。

表 6-1 は、アプリケーション内のデフォルトユーザー設定を一覧表示しています。

表 7–1 uwcdomainconfig.properties ファイル内のデフォルトユーザー設定

パラメータ 

デフォルト値 

説明 

uwc-user-attr-sunUCDefaultApplication 

 

ログイン後に表示されるページを指定します。 

Messenger Express を配備すると、デフォルトで「メール」ページがログインページとして表示されます。 それ以外の場合は、「カレンダ」ページが表示されます。カレンダが配備されていない場合は、「アドレス帳」ページが表示されます。 

uwc-user-attr-sunUCDefaultEmailHandler 

uc, desktop 

電子メールメッセージをアプリケーションから送信するためのデフォルトの電子メールクライアントを指定します。 

デフォルトの電子メールクライアントを Messenger Express またはブラウザのメールクライアントに設定できます。

uwc-user-attr-sunUCDateFormat 

M/D/Y 

日付に表示する日、月、および年の順序を指定します。 

選択可能なオプションは、次のとおりです。 

M/D/Y、D/M/Y、Y/M/D 

uwc-user-attr-sunUCDateDelimiter 

日付の区切り文字を指定します。

区切り文字とは、日付の日、月、年を区切る文字のことです。 

区切り文字には、カンマ (,)、スラッシュ (/)、またはハイフン (-) を指定できます。 

uwc-user-attr-sunUCTimeZone 

America/Los_Angeles 

カレンダを作成するタイムゾーンを指定します。

次の地域から任意の有効なタイムゾーンを選択できます。 

「北米および南米」、「ヨーロッパおよびアフリカ」、「アジアおよび環太平洋地域」。 

表 7–2 uwcdomainconfig.properties ファイル内のデフォルトカレンダ設定

パラメータ 

デフォルト値 

説明 

uwc-user-attr-icsExtendedUserPrefs-ceDefaultView 

dayview 

ログイン後にデフォルトのカレンダで表示するビューを指定します。選択可能なオプションは、次のとおりです。

dayview、weekview、monthview、および yearview。 

uwc-user-attr-icsExtendedUserPrefs-ceShowCompletedTasks 

false 

完了した作業を、カレンダの「作業」パネルに表示するかどうかを指定します。 

完了した作業をカレンダの「作業」ペインに表示する場合は、デフォルト値を「true」に変更します。 

uwc-user-attr-icsExtendedUserPrefs-ceDefaultCategory 

Business 

新しく作成する予定または作業のデフォルトのカテゴリを指定します。

選択可能なカテゴリは、次のとおりです。 

「記念日」、「約束」、「誕生日」、「仕事」、「朝食」、「クラス」、「電話会議」、「夕食」、「休日」、「昼食」、「会議」、「その他」、「個人用」、「セミナー」、「トレーニング」、「旅行」、「不在返信」、および「インタビュー」

uwc-user-attr-icsExtendedUserPrefs-ceDayHead 

1 日の開始時刻を時単位で指定します。 

uwc-user-attr-icsExtendedUserPrefs-ceDayTail 

18 

1 日の終了時刻を時単位で指定します。 

uwc-user-attr-icsExtendedUserPrefs-ceInterval 

PT1H0M 

(1 時間) 

1 日を分割する間隔を指定します。 

日次および週次のビューでは、1 日が 30 分間隔または 1 時間間隔に分割されます。 

デフォルトの分割値を PT0H30M (30分) に変更できます。 

uwc-user-attr-icsFirstDay 

カレンダで週の初めと見なす曜日を指定します。デフォルトでは、日曜日 (1) が週の始まり、土曜日 (7) が週の終わりと見なされます。 

uwc-user-icsExtendedUserPrefs-ceWeekEndDays 

1,7 

カレンダビューで週末と見なす曜日を指定します。 

デフォルトでは、日曜日 (1) が週の始まり、土曜日 (7) が週の終わりになります。 

数字をカンマ区切りにしたリストが、週末とみなす曜日を表します。 

uwc-user-attr-icsExtendedUserPrefs-ceIncludeWeekendInViews 

false 

カレンダの週次および月次ビューでの週末の表示を有効または無効にします。 

週末の曜日をカレンダの週次および月次ビューに表示する場合は、デフォルト値を「true」に設定します。 

uwc-user-attr-icsExtendedUserPrefs-ceSingleCalendarTZISD 

true 

カレンダをそのカレンダのタイムゾーンで表示するかどうかを指定します。 

カレンダをそのカレンダのタイムゾーンで表示しない場合は、デフォルト値を「false」に変更します。その場合は、すべてのカレンダが、「グローバルオプション」タブで指定したタイムゾーンで表示されます。 

uwc-usr-attr-icsExtendedUserPrefs-ceDefaultAlarmStart 

PT0H30M 

デフォルトで予定または作業のどれだけ前にアラームを送信するかを、時間数と分数で指定します。 

uwc-user-attr-icsExtendedUserPrefs-ceNotifyEnable 

false 

新しい予定が作成されるときに、内部の招待者に電子メールメッセージ (iCal 添付書類を含む) を送信するかどうかを指定します。 

有効な値は、次のとおりです。false、true。 

表 7–3 uwcdomainconfig.properties ファイル内のデフォルトのアドレス帳設定

パラメータ 

デフォルト値 

説明 

uwc-user-sunAbExtendedUserPrefs-abName 

Personal Address Book 

デフォルトのアドレス帳の名前を指定します。 

uwc-user-attr-sunAbExtendedUserPrefs-abDescription 

This is the personal address book. 

デフォルトのアドレス帳の短い説明を指定します。 

uwc-user-attr-sunAbExtendedUserPrefs-abEntriesPerPage 

25 

1 つのページに表示するアドレス帳エントリの最大数を選択します。選択可能なオプションは、次のとおりです。25、50、75。 

uwc-user-attr-sunAbExtendedUserPrefs-abSearchDisplayColumn1 

displayname 

第 1 列に表示する値を指定します。デフォルトでは、第 1 列には、連絡先またはグループの名前が表示されます。 

uwc-user-attr-sunAbExtendedUserPrefs-abSerchDisplayColumn2 

primaryemail 

アドレス帳の第 2 列に表示する値を指定します。 

表示列名には、次の項目を設定できます。 

displayname、company、title、primaryphone、workphone、homephone、faxphone、pagerphone、primaryemail、email2、email3、homeaddress、workaddress、weburl1、weburl2、calendarurl、freebusyurl、birthday、anniversary、ou、edit、viewcalendar

uwc-user-attr-sunAbExtendedUserPrefs-abSearchDisplayColumn3 

 

アドレス帳の第 3 列に表示する値を指定します。 

表示列名には、次の項目を設定できます。 

displayname、company、title、primaryphone、workphone、homephone、faxphone、pagerphone、primaryemail、email2、email3、homeaddress、workaddress、weburl1、weburl2、calendarurl、freebusyurl、birthday、anniversary、ou、edit、viewcalendar

uwc-user-attr-sunAbExtendedUserPrefs-abSearchDisplayColumn4 

edit 

アドレス帳の第 4 列に表示する値を指定します。 

表示列名には、次の項目を設定できます。 

displayname、company、title、primaryphone、workphone、homephone、faxphone、pagerphone、primaryemail、email2、email3、homeaddress、workaddress、weburl1、weburl2、calendarurl、freebusyurl、birthday、anniversary、ou、edit、viewcalendar

personalstore.properties ファイルの設定

personalstore.properties ファイル内のパラメータを変更して、アドレス帳ストア、企業ディレクトリ、および任意のリモートディレクトリを設定します。

表 6-4 は、personalstore.properties ファイルに格納されている設定を一覧表示しています。

表 7–4 personalstore.properties ファイルに格納されている設定

パラメータ 

デフォルト値 

説明 

db.defaultpsrootpattern 

ldap:///piPStoreOwner=%U,o=%D,o=PiServerDb 

ユーザーの psRoot 値を動的に構成するために使用するパターンを指定します。psRoot は、ユーザーエントリが格納されている場所を特定します。

%U = ユーザーの uid ("jsmith") 

%D = ユーザーのドメイン ("siroe.com") 

%O = ドメインのもっとも重要な部分 ("siroe") 

db.xxx.class 

com.iplanet.iabs.ldap.plug.iLDAP 

プラグインを実装している Java クラスの名前を指定します。たとえば LDAP プラグインなどです。 

db.xxx.urlmatch 

 

URL を次の形式で指定します。 

ldap://host:port/DN 

このパラメータを基にして、xxx インスタンスを識別します。 

この値は、defaultps.xml ファイルに格納されている「bookremoteurl」属性に対応していなければなりません。

db.xxx.configpath 

 

このインスタンスの LDAP 情報を含む設定ディレクトリへのパスを指定します。 

相対パスの場合は、このファイルからの相対位置となります。 

db.xxx.wildcardsearch 

 

ワイルドカード検索で指定される最小文字数を指定します。 

db.xxx.randompaging 

false 

プラグインでランダムアクセスをサポートするか、または、各ページには先頭ページからアクセスしなければならないかを指定します。 

false の場合は、正しいページが得られるまで検索プロセスが続行されます。 

db.xxx.corporatedir 

false 

企業ディレクトリの場合は、この値を true にします。 

db.useUserPsRoot 

false 

ユーザーの psRoot 値を使用するには、この値を true に設定します。この値が false に設定されていると、defaultserver 値が使用されます。 

defaultps.xml ファイルの設定

defaultps.xml ファイルには、ユーザーの初回ログイン時に LDAP ストアに作成された個人および企業アドレス帳のデフォルトの定義が含まれています。

各アドレス帳ノードにはアドレス帳定義があり、この定義は defaultps.xml ファイルが存在するドメイン内のユーザー用に作成されています。

次に示すのは、個人アドレス帳および企業アドレス帳の定義を含む defaultps.xml の XML セクションの例です。

個人用アドレス帳 XML


例 7–1 個人アドレス帳定義を含む XML セクション


<book booktype="abook"\>
<bookoc\>piLocalBook</bookoc\>
<entry entryID="pab"\>
<displayname\>_Personal Address Book</displayname\>
<description\>_This is your Personal Address Book</description\>
</entry\>
</books\>

企業ディレクトリ XML


例 7–2 企業アドレス帳定義を含む XML セクション


<book booktype="abook"
bookremoteurl="ldap://corpdirectory"\>
<bookoc\>piRemoteBook</bookoc\>
<entry entryID="idirectory"\>
<displayname\>_Corporate Directory</displayname\>
<description\>_This is Corporate Directory</description\>
</entry\>
</book\>

Procedure企業アドレス帳

企業およびリモートのアドレス帳の場合は、対応する xxx インスタンスが personalstore.properties ファイルに存在しなければなりません。personalstore.properties ファイル内の db.xxx.urlmatch の値には、defaultps.xml ファイル内の bookremoteurl 属性の値を割り当てなければなりません。

新規のリモートアドレス帳を追加するには、次に示す項目を追加する必要があります。

手順
  1. 新規のアドレス帳ノードを defaultps.xml ファイルに追加します。

  2. 新規の xxx インスタンスを personalstore.properties ファイルに追加します。

  3. db_config.properties および xlate ファイルを格納するディレクトリを WEB-INF/config の下に作成します。


    注 –

    xlate ファイルには、LDAP スキーマと、連絡先またはグループのアドレス帳 XML スキーマとの間のフィールドマッピングが含まれています。


グローバル GUI のカスタマイズ

テーマファイルには、Communications Express に表示されるアイコンの論理名とデフォルトの場所が含まれています。このファイルで指定するパスを変更すると、イメージの場所を変更できます。デフォルトの theme.properties ファイルは、uwc-deployed-path/WEB-INF/skin にあります。

uwcdomainconfig.properties ファイル内の言語の設定

uwcdomainconfig.properties ファイルには、そのドメインでサポートされる言語のリストが含まれています。リスト内の各言語は、セミコロンで区切られています。Communications Express がドメインでサポートする言語のリストは、管理者が定義できます。

たとえば、en (英語)、de (ドイツ語)、fr (フランス語)、および ja (日本語) をドメイン siroe.com でサポートする場合は、そのドメインの uwcdomainconfig.properties ファイルの supportedLanguagessupportedLanguages=en;fr;de;ja のように設定します。

siroe.comuwcdomainconfig.properties ファイルは、次の場所にあります。

WEB-INF/domain/siroe.com/uwcdomainconfig.properties

対応する i18n.properties ファイルに、ローカライズ可能な文字列を定義する必要もあります。例

uwc-common-options-preferredLanguage-en=English

uwc-common-options-preferredLanguage-de=German

uwc-common-options-preferredLanguage-fr=French

uwc-common-options-preferredLanguage-ja=Japanese

siroe.com の i18n.properties ファイルは、次の場所にあります。

WEB-INF/domain/siroe.com/locale/ i18n.properties

ユーザーの LDAP エントリに preferredLanguage 属性、つまりドメインの preferredLanguage 属性がない場合、ブラウザで指定されたヘッダー値と i18.properties ファイルが利用可能かどうかによって、ユーザーセッションで使用される言語が決まります。