Sun Java System Messaging Server 6 2005Q4 管理ガイド

MacMIME フォーマットの変換

Macintosh ファイルには、Macintosh 特有の情報を含むリソースフォークと、ほかのプラットフォームで使用できるデータを含むデータフォークの 2 つの部分があります。さらに、Macintosh ファイルの転送には一般に 4 種類の異なるフォーマットが使用されるため、Macintosh ファイルを転送するにはより複雑な処理が必要となります。Applesingle、Binhex、および Macbinary フォーマットは、Macintosh リソースフォークと Macintosh データフォークを 1 つにエンコードしたものから成り立っています。Appledouble フォーマットの場合は、リソースフォークとデータフォークがそれぞれ独立した部分として存在しています。このため、Macintosh 以外のプラットフォームでは、リソースフォーク部分を無視してデータフォーク部分のみを使用できる Appledouble がもっとも便利です。逆に、Macintosh への送信には、ほかの 3 種類のフォーマットが便利です。

MTA は、これらの Macintosh フォーマット間の変換を実行することができます。MTA は CHARSET-CONVERSION キーワードである AppledoubleApplesingleBinhex、および Macbinary によって MacMIME フォーマット部分をそれぞれ multipart/appledouble、application/applefile、application/mac-binhex40、または application/macbinary の MIME フォーマットに変換します。さらに、Binhex または Macbinary キーワードは、MIME Content-type: ヘッダーに X-MAC-TYPE および X-MAC-CREATOR パラメータを含む特定の MacMIME 以外のフォーマットへの変換も要求します。CHARSET-CONVERSION キーワードの Block は、MTA に対し、MacMIME フォーマット部分のデータフォークのみを抽出し、リソースフォークを破棄するよう要求します (ただし、このキーワードを使用すると一部の情報が失われるため、Appledouble キーワードの使用をお勧めする)。

たとえば、次の CHARSET-CONVERSION テーブルは、VMS MAIL メールボックスまたは GroupWise ポストオフィスに配信するときは Appledouble フォーマットに変換することと、メッセージルーターチャネルに配信するときは Macbinary フォーマットに変換することを MTA に指示します。

CHARSET-CONVERSION
   IN-CHAN=*;OUT-CHAN=l;CONVERT              Appledouble 
   IN-CHAN=*;OUT-CHAN=wpo_local;CONVERT      Appledouble 
   IN-CHAN=*;OUT-CHAN=tcp_internal;CONVERT   Macbinary

この場合、すでに MacMIME フォーマットが使用されている部分のみが Appledouble フォーマットに変換されます。Macbinary フォーマットへの変換は、すでにいずれかの MacMIME フォーマットになっている部分に適用されます。また、MacMIME フォーマットでない部分には、MIME Content-type: ヘッダーに X-MAC-TYPE パラメータと X-MAC-CREATOR パラメータが含まれている場合だけ適用されます。

Appledouble または Block フォーマットへの変換には、元の Macintosh ファイルに含まれる Macintosh クリエータおよびタイプ情報に基づいて Appledouble または Block フォーマットの部分のデータフォークに付ける MIME ラベルを指定するために、MAC-TO-MIME-CONTENT-TYPES マッピングテーブルが使用されることもあります。このテーブルのプローブには、format|type|creator|filename の形式が使用されます。format の値には SINGLE、BINHEX、MACBINARY のどれかが指定され、type の値には Macintosh タイプ情報 (16進)、creator の値には Macintosh クリエータ情報 (16進)、そして filename の値には実際のファイル名が指定されます。

たとえば、ims-ms チャネルにメッセージを送る場合に Appledouble フォーマットに変換し、MACBINARY または BINHEX 部分から MS Word または PostScript に変換されたドキュメントに特定の MIME ラベルを付けるには、次のテーブルが適切です。


CHARSET-CONVERSION 

  IN-CHAN=*;OUT-CHAN=ims-ms;CONVERT     Appledouble


MAC-TO-MIME-CONTENT-TYPES 

! PostScript 
    MACBINARY|45505346|76677264|*     APPLICATION/POSTSCRIPT$Y 
    BINHEX|45505346|76677264|*        APPLICATION/POSTSCRIPT$Y 
! Microsoft Word 
    MACBINARY|5744424E|4D535744|*     APPLICATION/MSWORD$Y 
    BINHEX|5744424E|4D535744|*        APPLICATION/MSWORD$Y

マッピングエントリのテンプレート (右側) に $Y フラグが設定されていない場合、指定したラベルは付けられません。MTA テーブルディレクトリ内の mac_mappings.sample ファイルには、その他の種類の添付ファイルに関するサンプルエントリが記載されています。

MacMIME 以外のフォーマットが使用されている部分を Binhex または Macbinary フォーマットに変換するには、X-MAC-TYPE および X-MAC-CREATOR MIME Content-type: パラメータ値が必要です。通常これらのパラメータ値を持たない部分にそれを強要するために MIME ラベルの変換を実行することも可能です。