Sun Java System Messaging Server 6 2005Q4 管理ガイド

グローバルオプション

現在のところ、SMS Gateway Server には、次の 3 つのカテゴリのグローバルオプションがあります。

グローバルオプションはすべて、設定ファイルの最上部 (どのオプショングループよりも前) に指定する必要があります。表 D–20 に、グローバル設定オプションをすべて示します。

表 D–20 グローバルオプション

オプション 

デフォルト 

説明 

「DEBUG」

6

生成される診断出力のタイプを選択します 

「HISTORY_FILE_DIRECTORY」

 

履歴データのファイルの絶対ディレクトリパスです 

「HISTORY_FILE_MODE」

0770

履歴データのファイルへの許可です 

「HISTORY_FILE_ROLLOVER_PERIOD」

30 分

1 つの履歴データのファイルに書き込むための最大時間です 

「LISTEN_CONNECTION_MAX」

 

すべての SMPP リレーおよびサーバーインスタンスでの最大同時受信接続数です 

「RECORD_LIFETIME」

3 日

履歴データアーカイブのレコードの存続期間です 

「THREAD_COUNT_INITIAL」

10 スレッド

最初のワーカースレッド数です 

「THREAD_COUNT_MAXIMUM」

50 スレッド

最大ワーカースレッド数です 

「THREAD_STACK_SIZE」

64K バイト

各ワーカースレッドのスタックサイズです 

スレッドチューニングオプション

各受信 TCP 接続はそれぞれが 1 つの SMPP セッションです。セッションの処理は、スレッドプールのワーカースレッドによって行われます。セッションの処理を I/O 要求が完了するまで待つ必要がある場合は、ワーカースレッドはそのセッションを保留し、ほかの処理を実行します。I/O 要求が完了すると、プール内の使用されていないワーカースレッドによってセッションが再開されます。

以下のオプションを使用して、ワーカースレッドのプールの処理を調整できます。「THREAD_COUNT_INITIAL」「THREAD_COUNT_MAXIMUM」「THREAD_STACK_SIZE」

THREAD_COUNT_INITIAL

(整数、> 0) ワーカースレッドのプールに最初に作成するスレッド数。この数には、メモリー内の履歴データ専用に使用されるスレッド (2 スレッド) を含みません。また、着信 TCP 接続の待機専用に使用されるスレッド (SMS Gateway Server が待機する TCP ポートおよびインタフェースアドレスペアにつき 1 スレッド) も含みません。THREAD_COUNT_INITIAL のデフォルト値は 10 スレッドです。

THREAD_COUNT_MAXIMUM

(整数、>= THREAD_COUNT_INITIAL) ワーカースレッドのプールに許可する最大スレッド数。デフォルト値は 50 スレッドです。

THREAD_STACK_SIZE

(整数、> 0) ワーカースレッドのプール内の各ワーカースレッドのスタックサイズ (単位: バイト)。デフォルト値は 65,536 バイト (64K バイト) です。

履歴データの調整

SMS メッセージのリレー時、受信側のリモート SMPP サーバーによって生成されるメッセージ ID は、メモリー内のハッシュテーブルに保存されます。このメッセージ ID とともに、元の電子メールメッセージについての情報も保存されます。その後メッセージ ID が SMS 通知によって参照された場合、この情報が取り出されることがあります。取り出された情報は、SMS 通知を適切な電子メール受取人に送信するために使用されます。

メモリー内のハッシュテーブルは、専用のスレッドでディスクに返されます。その結果ディスクファイルは「履歴ファイル」として参照されます。履歴ファイルは、次の 2 つの目的で使用されます。SMS Gateway Server を再起動した後にメモリー内ハッシュテーブルを復元するのに必要なデータを不揮発性の形式で保存するため、また、非常に長くなる可能性のあるデータをディスクに保存することによって、仮想メモリーを節約するためです。各履歴ファイルは、HASH_FILE_ROLLOVER_PERIOD 秒間のみ書き込まれます。この時間を過ぎると、ファイルは終了し、新しい履歴ファイルが作成されます。履歴ファイルの存続期間が RECORD_LIFETIME 秒を超えると、ファイルはディスクから削除されます。

履歴ファイルの調整には次のオプションが使用できます。「HISTORY_FILE_DIRECTORY」「HISTORY_FILE_MODE」「HISTORY_FILE_ROLLOVER_PERIOD」「RECORD_LIFETIME」

HISTORY_FILE_DIRECTORY

(文字列、絶対ディレクトリパス) 履歴ファイルの書き込み先のディレクトリへの絶対パス。ディレクトリパスが存在しない場合は作成されます。このオプションのデフォルト値は、次のとおりです。

msg_svr_base/data/sms_gateway_cache/

使用するディレクトリは、相応に高速なディスクシステム上に存在し、予測される保存量よりも大きい空き容量がある必要があります。このオプションをより適切な値に変更するには、「SMS Gateway Server のストレージ要件」を参照してください。

HISTORY_FILE_MODE

(整数、8 進値) 履歴ファイルに関連付けるファイル許可。デフォルトでは、0770 (8 進値) の値が使用されています。

HISTORY_FILE_ROLLOVER_PERIOD

(整数、秒) 現在の履歴ファイルが終了し、新しいものが HASH_FILE_ROLLOVER_PERIOD 秒ごとに作成されます。デフォルトでは、1800 秒 (30 分) の値が使用されています。

RECORD_LIFETIME

(整数、秒 > 0) 履歴レコードの存続期間 (単位: 秒)。この存続期間を過ぎたレコードは、メモリーから消去されます。この存続期間を過ぎた履歴ファイルは、ディスクから削除されます。デフォルトでは、259,200 秒 (3 日) の値が使用されています。メモリーに保存されているレコードは、メモリー内データの管理専用のスレッドによって一斉に消去されます。この消去は、HASH_FILE_ROLLOVER_PERIOD 秒ごとに実行されます。ディスク上のファイルは、新しい履歴ファイルを開く必要が生じたときに消去されます。

その他

その他のオプションには、次の 2 つがあります。「DEBUG」および 「LISTEN_CONNECTION_MAX」です。

DEBUG

(整数、ビットマスク) デバッグ出力を有効にします。デフォルト値は 6 であり、警告およびエラーメッセージが選択されます。

表 D–21 に、DEBUG ビットマスクのビット値を示します。

表 D–21 DEBUG ビットマスク

ビット 

値 

説明 

0-31 

-1

きわめて詳細な出力 

1

情報メッセージ 

2

警告メッセージ 

4

エラーメッセージ 

8

サブルーチン呼び出しのトレース 

16

ハッシュテーブル診断 

32

I/O 診断、受信 

64

I/O 診断、送信 

128

SMS から電子メールへの変換診断 (モバイルからの発信および SMS 通知) 

256

PDU 診断、ヘッダーデータ 

512

PDU 診断、本文データ 

10 

1024

PDU 診断、タイプの長さ値のデータ 

11 

2048 

オプション処理です。すべてのオプション設定をログファイルに送ります。 

LISTEN_CONNECTION_MAX

(整数、>= 0) すべての SMPP リレーおよびサーバーインスタンス全体に許可される最大同時受信 TCP 接続数。0 (ゼロ) の値は、接続数に関するグローバル制限はないことを示します。ただし、リレーまたはサーバー単位では、特定のリレーまたはサーバーインスタンスによって指定される制限がある場合があります。