Sun Java System Messaging Server 6 2005Q4 管理ガイド

増分バックアップされたメールボックスからのメッセージを復元するには

増分バックアップされたメールボックスからメッセージを復元する際に、そのメールボックスがメッセージを復元するサーバーに存在する場合は、imesrestore を実行するだけでメッセージを復元できます。ただし、増分バックアップされたメールボックスからメッセージを復元する際に、そのメールボックスがすでに存在しない場合は、別の復元手順に従う必要があります。

メッセージストアサーバーに存在しないメールボックスを復元するには、次の手順のいずれかを使用します。

増分バックアップを復元するためにこれらの手順に従う必要がある理由は、次のとおりです。メールボックスが削除または移行された場合、imsrestore ユーティリティーはバックアップアーカイブに保存されたメールボックスの一意の ID 有効期間およびメッセージの一意の ID (UID) を使用してメールボックスを再作成します。

以前は、imsrestore は削除または移行されたメールボックスを再作成するときに、新しい UID 有効期間をメールボックスに、新しい UID をメッセージに割り当てました。その場合、キャッシュにメッセージが入っているクライアントはメールボックスの UID 有効期間およびメッセージの UID の同期をとりなおす必要がありました。クライアントは、新しいデータを再びダウンロードする必要があり、その結果、サーバーの作業負荷が増大しました。

新しい imsrestore の処理では、クライアントのキャッシュの同期は維持され、復元処理は透過的に実行され、パフォーマンスに悪影響を及ぼすことはありません。

メールボックスが存在する場合、imsrestore は新しい UID を復元されたメッセージに割り当てるので、新しい UID は既存のメッセージにすでに割り当てられている UID と矛盾しません。UID の一貫性を保証するために、復元操作時に imsrestore でメールボックスをロックします。ただし、imsrestore は、新しい UID 値を割り当てる代わりに、バックアップアーカイブからのメールボックスの UID 有効期間とメッセージ UID を使用するようになったため、増分バックアップおよび復元を実行すると UID の一貫性が保てなくなる場合があります。

imsbackup ユーティリティーの -d 日付オプションを使用して増分バックアップを実行する場合、復元操作を完了するために imsrestore を複数回呼び出す必要がある場合があります。増分バックアップを実行する場合、最後のフルバックアップとその後のすべての増分バックアップを復元する必要があります。

復元操作間に新しいメッセージをメールボックスに配信できますが、この場合、メッセージの UID に矛盾が生じることがあります。UID の矛盾が生じないようにするには、前述の手順のいずれかを実行する必要があります。