solaris9 コンテナは、brands(5) で説明されているブランドゾーンフレームワークを使用して、Solaris 9 バイナリアプリケーションを変更することなく、最新の Solaris オペレーティングシステムカーネルを備えたマシンで実行できるようにします。
solaris9 ブランドには、Solaris 9 システムイメージを非大域ゾーンにインストールするために必要なツールが含まれています。このブランドでは、最新の Solaris オペレーティングシステムが稼働している SPARC マシンで、32 ビット および 64 ビットの Solaris 9 アプリケーションを実行できます。
solaris9 ブランドは完全ルート非大域ゾーンモデルをサポートします。Solaris 9 ソフトウェアの必須パッケージおよび追加パッケージのすべてが、ゾーン固有のファイルシステムにインストールされます。
zonecfg(1M) ユーティリティーは、solaris9 ブランドゾーンを構成するために使用されます。ブランドゾーンのインストールが完了したあとは、そのゾーンのブランドの変更や削除を行うことはできません。zoneadm(1M) ユーティリティーは、ゾーンのブランドタイプの報告およびゾーンの管理に使用されます。zlogin(1)ユーティリティーは、ゾーンにログインするために使用されます。
solaris9 ブランドのインストーラでは、インストール済み Solaris 9 システムのイメージからゾーンをインストールすることができます。このイメージとしては、完全な flash_archive(4)、cpio(1) アーカイブ (gzip(1) または bzip2(1) で圧縮される場合もある)、または pax(1) xustar アーカイブを使用できます。また、レベル 0 ufsdump(1M)、または Solaris 8 システムのルートディレクトリツリーの最上位パスも使用できます。標準の Solaris 9 配布メディアからゾーンをインストールすることはできません。zoneadm(1M) ブランド固有サブコマンドは、次の引数を受け入れます。
指定された Solaris 9 システムイメージをゾーンにインストールします。-u オプションまたは -p オプションのどちらかが必須で、-a オプションまたは -d オプションのどちらかが必須です。
インストール済み Solaris 9 システムの、flash_archive(4)、ufsdump(1M)、または pax(1) xustar アーカイブのパス。cpio アーカイブは、gzip(1) コマンドまたは bzip(1) コマンドを使用して圧縮される場合もあります。
インストール済み Solaris 9 システムのルートディレクトリのパス。
ゾーンのインストール後にシステム構成を維持します。
メッセージを表示せずにインストールします。
ゾーンのインストール後にゾーン上で sys-unconfig(1M) を実行します。
インストールプロセスの詳細情報を出力します。
solaris9 ゾーンはユーザーレベルの Solaris 9 アプリケーションだけをサポートします。Solaris 9 デバイスドライバ、Solaris 9 カーネルモジュール、または Solaris 10 専用のファイルシステム (委任された zfs(1M) データセットなど) は、solaris9 ゾーン内から使用することはできません。ただし、zonecfg で type=zfs として fs 資源を追加することはできます。
DTrace (dtrace(1M) を参照) などのネイティブな Solaris デバッグツールを、ゾーン内部で実行中の Solaris 9 プロセスに適用することができます。ただし、ツール自体は大域ゾーンで実行する必要があります。
ゾーンのインストールプロセスでは、物理から仮想への変換が自動的に実行されます。solaris9 ブランドゾーンを新しいホストに移行したあと、ゾーンが新しいホスト上で最適に実行されることを保証するために、この処理を再度実行する必要があります。新しいホストでの初回起動時にゾーンはこの状況を検出し、次のコマンドが実行されるまでゾーンは起動しません。
/usr/lib/brand/solaris9/s9_p2v zonename |