この節では、Directory Server 6.1 のリリース時点に発見された既知の問題点の一覧を示します。この一覧は、「Directory Server 6.0 の既知の問題点」の一覧を追補するものです。
複数バイトの名前を持つ Directory Server インスタンスは DSCC に登録できません。この問題を回避するには、インスタンスの作成時に使用した文字セットを使用します。
# cacaoadm list-params | grep java-flags java-flags=-Xms4M -Xmx64M # cacaoadm stop # cacaoadm set-param java-flags="-Xms4M -Xmx64M -Dfile.encoding=utf-8" # cacaoadm start |
Windows では、dsadm および dpadm コマンドによる出力とヘルプメッセージが、簡体字中国語および繁体字中国語にローカライズされていません。
この問題を回避するには、次のコマンドを使用してクラスパスを設定してください。
set CLASSPATH="C:Program FilesSunJavaES5DSEEds6libslapwcli.jar; C:Program FilesSunJavaES5DSEEds6libslapy.jar; C:Program FilesSunJavaES5DSEEds6libslapycli.jar; C:Program FilesSunJavaES5DSEEds6libslapycli_l10n.jar; C:Program FilesSunJavaES5DSEEdsee6libclip.jar; C:Program FilesSunJavaES5DSEEdsee6libjarcommon.jar; C:Program FilesSunJavaES5DSEEdsee6libjarcommon_cfg.jar; C:Program FilesSunJavaES5DSEEds6libslapwcli_l10n.jar; C:Program FilesSunJavaES5DSEEdsee6libclip_l10n.jar; C:Program FilesSunJavaES5DSEEdsee6libjarcommon_cfg_l10n.jar;" java -Dsun.directory.clip.arg0=dsadm -Dsun.directory.dcc.path.slapx=dsadm -classpath %CLASSPATH% com.sun.directory.slapy.cli.SlapyMain --help |
Windows では、Directory Server および Directory Proxy Server に対するアクセス権が設定されないので、管理者以外のユーザーがサーバーインスタンスやインストールを削除できます。この問題を回避するには、インスタンスおよびインストールフォルダのアクセス権を変更して、不正なアクセスを防止してください。
ネイティブパッチ配布では、アクセスログのフィルタリング用の日付選択に使用するミニチュアカレンダが、繁体字中国語に正しくローカライズされていません。
schema_push、repldisc、pwdhash、ns-inactivate、ns-activate、ns-accountstatus、mmldif、insync、fildif、entrycmp、dsrepair、dsee_deploy、dsadm show-cert、dsadm repack、および ldif コマンドの出力がローカライズされていません。
システムのロケールを変更してから DSCC を起動しても、ポップアップウィンドウのメッセージが選択したロケールで表示されません。
パスワード変更の拡張操作を使用して LDAP パスワードを変更した場合、pwdSafeModify を off にしていても、アカウントの現在のパスワードが要求されます。
ルート dn (たとえば、cn=directory manager) としてバインドした場合は、アカウントの現在のパスワードは要求されません。たとえば、cn=directory manager のようになります。
dsmig migrate-all old-instance-path new-instance-path を使用して Directory Server 5.1 インスタンスを移行すると、インスタンスが正しく移行されないことがあります。
この問題を回避するには、new-instance-path/config/schema/11rfc2307.ldif ファイルを編集して、
objectClasses: ( 1.3.6.1.1.1.2.9 NAME 'automount' DESC 'Standard LDAP objectclass' SUP top STRUCTURAL MUST ( cn $ automountInformation ) MAY ( description ) X-ORIGIN 'RFC 2307' ) |
という行を、次の行に置き換えます。
objectClasses: ( automount-oid NAME 'automount' DESC 'Standard LDAP objectclass' SUP top STRUCTURAL MUST ( cn $ automountInformation ) MAY ( description ) X-ORIGIN 'RFC 2307' ) |
古い Directory Server 5.2 99user.ldif ファイルにバージョン 6.0 で定義された属性が含まれている場合、dsmig migrate-schema old-instance-path new-instance-path コマンドを使用して Directory Server 5.2 スキーマを移行すると失敗します。
この問題を回避するには、古い Directory Server 5.2 99user.ldif ファイルに含まれているすべての Directory Server 6.0 属性を削除し、移行を最初からやり直します。
dsadm import –help がフランス語ロケールで完全に翻訳されていません。
Internet Explorer を使用しているときに「Directory Service Control Center オンラインヘルプの参照」をクリックしても、オンラインヘルプが表示されません。
ディレクトリサーバーの「サフィックス」タブの下にある「フィルタ」ドロップダウンメニューで、「レプリケートされている」というメニュー項目が、繁体字および簡体字中国語に翻訳されていません。
DSCC のサフィックスインデックスの属性ラベルが、日本語以外のロケールに翻訳されていません。
インターネットサービスプロバイダにより設定されている制限によっては、DSCC に長い ACI が表示されないことがあります。
Linux では、Directory Server インスタンスが、そのインスタンスの作成されたロケールとは異なるロケールで起動されると、複数バイト文字が正しく表示されません。
Directory Server インスタンスのオプションのレプリケーション設定で、「リフェラル」ラベルがフランス語ロケール用に翻訳されていません。
Solaris 10 で Service Management Facility (SMF) を使用してサーバーインスタンスを有効にした場合、システムをリブートしてもインスタンスが起動しないことがあります。
この問題を回避するには、次に示す + でマークされた行を /opt/SUNWdsee/ds6/install/tmpl_smf.manifest に追加します。
... restart_on="none" type="service"> <service_fmri value="svc:/network/initial:default"/> </dependency> + <dependency name="nameservice" grouping="require_all" \ + restart_on="none" type="service"> + <service_fmri value="svc:/milestone/name-services"/> + </dependency> <exec_method type="method" name="start" exec="%%%INSTALL_PATH%%%/bin/dsadm start --exec %{sunds/path}"... |
Directory Server Enterprise Edition Windows サービスは、システムの再起動時に複数のサーバーインスタンスの起動に失敗します。
HP-UX では、dsadm および dpadm コマンドで libicudata.sl.3 共有ライブラリが検出されない可能性があります。
この問題を回避するには、SHLIB_PATH 変数を設定します。
env SHLIB_PATH=${INSTALL_DIR}/dsee6/private/lib dsadm |
Solaris 10 にバンドルされている Sun Java System Application Server では、認証メカニズム用の SASL クライアント接続を作成できないので、共通エージェントコンテナと通信できません。
appserver-install-path/appserver/config/asenv.conf ファイルを編集して、AS_JAVA エントリを AS_JAVA="/usr/java" に置き換えることで、アプリケーションサーバーによって使用される JVM を変更します。アプリケーションサーバーのドメインを再起動します。
dsadm autostart によって、システムのリブート時にネイティブの LDAP 認証が失敗することがあります。
この問題を回避するには、リブートスクリプトの順序を逆にします。デフォルトの順序は /etc/rc2.d/S71ldap.client および /etc/rc2.d/S72dsee_directory です。
アプリケーションサーバーで Web Archive (WAR) ファイルを配備することによって html ソースコードが設定されている場合、DSCC バージョンのウィンドウにはこのソースコードが表示される可能性があります。この問題を回避するには、domain-path/domain-name/config/default-web.xml に次のエントリを追加します。
<mime-mapping> <extension>shtml</extension> <mime-type>text/html</mime-type> </mime-mapping> |
zip 形式の配布パッケージを使用したインストールが成功した場合でも、dsee_deploy コマンドによってエラーメッセージが表示されます。
passwordStorageScheme.5dsat マニュアルページには、次の詳細を追加する必要があります。
CRYPT パスワードストレージスキームでは、MD5、Blowfish、およびその他の強力なアルゴリズムがサポートされるようになりました。使用するアルゴリズムを指定するには、nsslapd-plugingarg() 引数内で次のように salt の形式を指定します。
nsslapd-pluginarg(): value
特定の salt 形式に対応して、値は snprintf 形式の文字列になります。たとえば、サポートされている形式には次のようなものがあります。
%.2s
$1$%.8s
$2a$04$%.22s
$md5$%.8s$
文字列の値が、オペレーティングシステムのサポートしていないアルゴリズムにマッピングしている場合、警告メッセージがログされ、31 のランダムな文字によって構成される salt によるデフォルトの UNIX アルゴリズムを使用して、ハッシュが作成されます。
dsee_deploy のマニュアルページでは、Directory Service Control Center のインストールおよびアンインストールに関する記述が間違ってます。これは zip 形式の配布パッケージを使用して直接インストールすることはできません。ただし、zip 形式の配布パッケージを使用してインストールを実行すると、WAR ファイルがシステム上にコピーされるので、これをアプリケーションサーバーによってさらに配備して、Directory Service Control Center を設定することができます。
HP-UX システムでは、ネイティブパッチを使用して正常にアップグレードしたあとに、DSCC によって Directory Server インスタンスを再起動することができません。
lockhart にロードされている一部の jar ファイルは、125310-02 および 125278-02 パッチの適用後にアップグレードできなくなります。
この問題を回避するには、次のコマンドを指定されている順序で実行します。
dsccsetup console-unreg dsccsetup console-reg |