Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.1 管理ガイド

ロールの安全な使い方

ロールを安全に使用するには、アクセス制御命令 (ACI) を設定して、該当する属性を保護する必要があります。たとえば、ユーザー A が、管理ロール MR を所有しているとします。管理ロールはスタティックグループと同じで、nsRoleDN 属性をエントリに追加することによって、各メンバーエントリにロールを明示的に割り当てます。MR ロールは、コマンド行からアカウントの無効化を使用して、ロックされています。つまり、ユーザー A の nsAccountLock 属性は「true」として計算されるので、ユーザー A はサーバーにバインドできません。ただし、ユーザーがバインド済みで、MR ロールに関して現在ロックされているという通知を受けたとします。ユーザーが nsRoleDN 属性に書き込みアクセスできないようにする ACI が存在しなければ、ユーザーは自身のエントリから nsRoleDN 属性を削除し、自身のロックを解除できます。

ユーザーが nsRoleDN 属性を削除できないようにするには、ACI を適用する必要があります。フィルタを適用したロールを使用する場合、ユーザーが属性を変更してフィルタが適用されたロールを放棄することを防ぐために、フィルタの一部を保護する必要があります。フィルタが適用されたロールで使用されている属性をユーザーが追加、削除、または変更できないようにする必要があります。同様に、フィルタ属性の値を計算する場合、フィルタ属性の値を変更できるすべての属性を保護する必要があります。入れ子のロールには、フィルタを適用したロールと管理ロールが含まれることがあるため、入れ子のロールに含まれる各ロールについても上記注意点を考慮する必要があります。

セキュリティー目的で ACI を設定する詳細な手順については、第 6 章「Directory Server のアクセス制御」を参照してください。