Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.1 管理ガイド

グループまたはロールへの条件付きアクセスの許可

多くの場合、ディレクトリへのアクセス特権をグループやロールに与える場合、それらの特権が、特権ユーザーになりすました侵入者から保護されていることを確認する必要があります。したがって、多くの場合、グループまたはロールへの重要なアクセス権を与えるようなアクセス制御規則には、数多くの条件が付けられます。

たとえば、Example.com 社では、ホスティングサービスの提供先企業である Company333 および Company999 に対して、それぞれ Directory Administrator ロールを作成しました。Example.com 社では、侵入者からデータを保護するために、それぞれの企業が各自でデータを管理し、独自のアクセス制御規則を決定することを求めています。

このため、Company333 と Company999 は、ディレクトリツリーのそれぞれのエントリに関してすべての権限を持っていますが、このアクセス権を行使するには次の条件を満たす必要があります。

これらの条件は、各社の ACI である「Company333」と「Company999」に示されています。これらの ACI の内容は同等なので、「Company333」という ACI だけを次に示します。

ACI「Company333」

Company333 に対して、前述した条件に従ったディレクトリの自社のエントリへのすべてのアクセス権を与えるには、LDIF で次のような文を作成します。


aci: (targetattr = "*") (version 3.0; acl "Company333"; allow (all)
 (roledn="ldap:///cn=DirectoryAdmin,ou=Company333,
 ou=corporate clients,dc=example,dc=com") and (authmethod="ssl")
 and (dayofweek="Mon,Tues,Wed,Thu") and (timeofday >= "0800" and
 timeofday <= "1800") and (ip="255.255.123.234"); )

この例では、ACI を ou=Company333,ou=corporate-clients,dc=example,dc=com エントリに追加することを仮定しています。