Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.1 管理ガイド

第 16 章 Directory Proxy Server のツール

Sun JavaTM System Directory Proxy Server には、Directory Proxy Server のインスタンスの登録と管理を行うためのブラウザインタフェースとコマンド行ツールがあります。このブラウザインタフェースは、Directory Service Control Center (DSCC) と呼ばれています。この章では、DSCC やコマンド行による Directory Proxy Server の管理に必要な基本タスクについて説明します。

特殊なタスクの実行に DSCC を使用するか、コマンド行を使用するかを決定するには、「DSCC を使用する場合とコマンド行を使用する場合の判断」を参照してください。

管理フレームワークの詳細は、『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.1 配備計画ガイド』「Directory Server Enterprise Edition の管理モデル」を参照してください。

この章の内容は次のとおりです。

Directory Proxy Server を管理するために DSCC を使用する

この節では、Directory Proxy Server の管理目的で、DSCC にアクセスする方法について説明します。

ProcedureDirectory Proxy Server の管理目的で、DSCC にアクセスする

  1. Directory Server の場合と同じ方法で DSCC にアクセスします。

    「DSCC にアクセスする」を参照してください。

  2. 「プロキシサーバー」タブをクリックして Directory Proxy Server を表示し管理します。

    次の図に Directory Proxy Server の最初のウィンドウを示します。

    図 16–1 Directory Proxy Server の最初の DSCC ウィンドウ

    画面キャプチャーに示されているのは、DSCC に登録済みの Directory Proxy Server です。

  3. Directory Proxy Server インスタンスをクリックして、その該当のサーバーを表示または管理します。


    注 –

    DSCC の使い方の詳細は、オンラインヘルプを参照してください。


Directory Proxy Server のコマンド行ツール

Directory Proxy Server の操作に使用するコマンド行ツールは、dpadm および dpconf と呼ばれています。これらのコマンドの使用方法については、dpadm(1M) および dpconf(1M) のマニュアルページを参照してください。

この節では、dpadm コマンドと dpconf コマンドの場所について説明します。また、環境変数、これらのコマンドの比較、これらのコマンドを使用する際の参照情報の入手先についても記載します。

Directory Proxy Server コマンドの場所

Directory Proxy Server のコマンド行ツールは、デフォルトでは次の場所にあります。


install-path/dps6/bin

インストールパスはオペレーティングシステムによって異なります。すべてのオペレーティングシステムのインストールパスのリストは、「デフォルトのパスとコマンドの場所」にあります。

dpconf に対する環境変数の設定

dpconf コマンドには、環境変数によってプリセットできるオプションが必要です。コマンドを使用する際にオプションが指定されていない場合や、環境変数が設定されていない場合は、デフォルト設定が使用されます。環境変数は次のオプションに対して設定できます。

-D userDN

ユーザーバインド DN。環境変数: LDAP_ADMIN_USER。デフォルト: cn=Proxy Manager

-w password-file

ユーザーバインド DN のパスワードファイル。環境変数: LDAP_ADMIN_PWF。デフォルト: パスワードのプロンプト。

-h host

ホスト名または IP アドレス。環境変数: DIR_PROXY_HOST。デフォルト: localhost

-p LDAP-port

LDAP ポート番号。環境変数: DIR_PROXY_HOST。デフォルト: サーバーインスタンスが root として実行中の場合は 389、サーバーインスタンスが通常のユーザーとして実行中の場合は 1389

-e, --unsecured

dpconf がデフォルトでクリア接続を開くように指定します。環境変数: DIR_PROXY_UNSECURED。この変数が設定されていない場合、dpconf はデフォルトでセキュリティー保護された接続を開きます。

詳細は、dpconf(1M) のマニュアルページを参照してください。

dpadmdpconf の比較

次の表に、dpadm コマンドと dpconf コマンドの比較を示します。

表 16–1 dpadm コマンドと dpconf コマンドの比較

 

dpadm コマンド

dpconf コマンド

目的 

Directory Proxy Server のローカルインスタンスのプロセスやファイルを管理すること 

Directory Proxy Server のローカルやリモートのインスタンスを設定すること 

ユーザー 

オペレーティング システムのユーザー 

LDAP ユーザー 

ローカルまたはリモート 

コマンドはインスタンスに対してローカルでなければなりません。つまり、コマンドは、サーバーが実行中のホストで実行する必要があります。

コマンドはインスタンスに対してローカルにすることができますが、ネットワーク上のどの場所からも実行できます。

コマンドの使用例 

Directory Proxy Server のインスタンスを作成します。 

Directory Proxy Server のインスタンスを起動および停止します。 

証明書データベースを管理します。 

Directory Proxy Server のインスタンスの設定を変更します。 

データビューを作成します。 

データソースプールの負荷分散を設定します。 

サーバーの状態 

サーバーは稼動中でも停止していてもかまいません。 

サーバーは動作している必要があります。

コマンドがサーバーインスタンスを識別する方法 

インスタンスパスを指定することで識別します。インスタンスパスは相対でも絶対でもかまいません。 

ホスト名か IP アドレスと、ポート番号を指定することで識別します。 

コマンドは、LDAP ポート (-p) または LDAPS セキュアポート (-P) を使用します。コマンド行にポート番号が指定されていない場合は、PROXY_PORT 環境変数が使用されます。環境変数が設定されていない場合は、デフォルトポートが使用されます。

dpconf による複数の値を持つプロパティーの設定

Directory Proxy Server のプロパティーによっては、複数の値をとることがあります。複数の値を指定するには、次の構文を使用します。


$ dpconf set-container-prop -h host -p port \
 property:value [property:value]

たとえば、my-view という LDAP データビューに複数の書き込み可能属性を設定するには、次のコマンドを入力します。


$ dpconf set-ldap-data-view-prop -h host1 -p 1389 \
 writable-attr:uid writable-attr:cn writable-attr:userPassword

すでに値が含まれている複数値プロパティーに値を追加するには、次のコマンドを入力します。


$ dpconf set-container-prop -h host -p port \
 property+:value

すでに値が含まれている複数値プロパティーから値を削除するには、次のコマンドを入力します。


$ dpconf set-container-prop -h host -p port\
 property-:value

たとえば、前述の例で、書き込み可能属性のリストに sn を追加するには、次のコマンドを入力します。


$ dpconf set-ldap-data-view-prop -h host1 -p 1389 \
writable-attr+:sn

書き込み可能属性のリストから cn を削除するには、次のコマンドを入力します。


$ dpconf set-ldap-data-view-prop -h host1 -p 1389 \
writable-attr-:cn

dpadmdpconf に関するヘルプ情報を得るには

dpadm コマンドと dpconf コマンドの使用方法については、dpadm(1M) および dpconf(1M) のマニュアルページを参照してください。