『クイックスタートガイド 』へようこそ。このガイドでは、Enterprise Server を起動して使用するためのサンプルとなる手順について説明します。
このマニュアルに含まれる手順を使用する前に、GlassFish Communications Server ソフトウェアをインストールしておく必要があります。
ここでは、次の内容について説明します。
ここでは、 ドメイン管理サーバー (DAS) の起動、管理コンソールへのログイン、ログファイルの確認、ノードエージェントの起動などの基本的なタスクについて説明します。手順は、それらを完了させるために必要な順序で示されます。
ドメイン管理サーバーを起動するには、デフォルトドメイン domain1 を起動します。
PATH 環境変数に、as-install/bin/ ディレクトリを追加します。
次のコマンドを入力してサーバーを起動します。
asadmin start-domain domain1
ユーザー、管理パスワードおよびマスターパスワードの入力を求められた場合は、インストール時に使用したユーザー名とパスワードを入力します。
起動プロセスが完了すると、次のメッセージが表示されます。
ドメイン domain1 が起動しました。
各ドメインには、エンタープライズ、クラスタ、開発者という、それぞれに対応するプロファイルがあります。domain1 はデフォルトプロファイルで作成されます。このデフォルトプロファイルは、asadminenv.conf ファイルで定義される AS_ADMIN_PROFILE 変数で定義されます。プロファイルの詳細は、『Sun GlassFish Enterprise Server 2.1 管理ガイド』の「プロファイル」を参照してください。domain1 が開発者プロファイルで作成された場合、管理コンソールにログインしたときに、クラスタリングやノードエージェントといった機能は使用できません。クラスタやサーバーインスタンスを使用するには、create-domain コマンドを使用してクラスタプロファイルのドメインを作成します。ドメインの作成方法については、asadmin create-domain --help or see create-domain(1) と入力してください。
ドメイン管理サーバーを起動するには、デフォルトドメイン domain 1 を起動します。
エクスプローラウィンドウまたはデスクトップで「マイ コンピュータ」を右クリックします。
「プロパティ」を選択して「システムのプロパティ」ダイアログを表示します。
「詳細設定」タブをクリックします。
「環境変数」をクリックします。
「ユーザー環境変数」領域で次の操作を行います。
新しい環境変数 AS_ADMIN_USER を追加して、インストール時に割り当てた管理ユーザー名にこの変数を設定します。
「OK」をクリックして変更を確定し、開いている残りのウィンドウを閉じます。
「プログラム」メニューの「管理サーバーの起動」をクリックして、Enterprise Server を起動します。
コマンドプロンプトウィンドウが開き、管理パスワードおよびマスターパスワードの入力を求められた場合は、インストール時に使用したパスワードを入力します。
サーバーが起動していることを示す次のメッセージがウィンドウに表示されます。
Starting Domain domain1, please wait. Log redirected to domain_dir\domain1\logs\server.log...
起動プロセスが完了すると、次のようなメッセージが追加で表示されます。
Domain domain1 started.Press any key to continue ...
各ドメインには、 エンタープライズ、クラスタ、開発者という、それぞれに対応するプロファイルがあります。domain1 はデフォルトプロファイルで作成されます。このデフォルトプロファイルは、asadminenv.conf ファイルで定義される AS_ADMIN_PROFILE 変数で定義されます。プロファイルの詳細は、『Sun GlassFish Enterprise Server 2.1 管理ガイド』の「プロファイル」を参照してください。domain1 が開発者プロファイルで作成された場合、管理コンソールにログインしたときに、クラスタリングやノードエージェントといった機能は使用できません。クラスタやサーバーインスタンスを使用するには、create-domain コマンドを使用してクラスタプロファイルのドメインを作成します。ドメインの作成方法については、asadmin create-domain --help or see create-domain(1) と入力してください。
任意のキーを押してメッセージウィンドウを閉じます。
管理コンソールは、さまざまな管理作業および設定作業を単純化するブラウザインタフェースです。通常、管理コンソールは次の作業に使用されます。
アプリケーションの配備および配備解除
アプリケーションの有効化、無効化、および管理
リソースおよびその他のサーバー設定の構成
ログファイルの選択と表示
管理コンソールの使用法については、オンラインヘルプまたは『Sun GlassFish Enterprise Server 2.1 管理ガイド』を参照してください。
ブラウザを開き、次の URL を入力します。
http:// hostname:4848
ブラウザをサーバーと異なるシステムで実行している場合は、hostname の部分を、ドメイン管理サーバーを実行しているシステムのホスト名または IP アドレスで置き換えます。
4848 は管理コンソールのデフォルトのポート番号です。インストール時にポート番号を変更した場合や、別のポート番号でドメインを作成した場合は、その番号を代わりに使用します。
「不明な認証局により認証された Web サイト」などのメッセージを示すポップアップウィンドウが表示された場合は、「OK」をクリックします。
このメッセージが表示されるのは、セキュア伝送プロトコルで、管理コンソールのサービスを提供するために使用するドメイン管理サーバーが使用する自己署名の証明書をユーザーのブラウザが認識しないためです。
ログインウィンドウが表示されたら、管理ユーザー名とパスワードを入力します。
「ログイン」をクリックします。
左側の区画では、用意されたツリーを使用して、管理する項目を選択します。右側の区画では、「共通操作」見出しの下に、さまざまな管理タスクが表示されています。
Enterprise Server インスタンスとドメイン管理サーバーは、注釈の付いたログをファイルシステム上に作成します。デフォルトでは、すべてのエラー、警告、また有用な通知メッセージがログとして記録されます。
右側の区画の「共通操作」から、「ログファイルを検索します」をクリックして、ログビューア用の新しいブラウザウィンドウを起動します。
ログビューアウィンドウで、「インスタンス名」ドロップダウンリストから「server」を選択し、「検索」をクリックします。
ドメイン管理サーバーの最近のログファイルエントリが表示されます。
メッセージをスキャンして、サーバーの起動時に問題が検出されたことを示す「WARNING」メッセージ、または「 SEVERE」メッセージを探します。
ログビューアは、いつでも閉じることができます。クラスタを作成し、アプリケーションを配備したあとで、いずれかの操作に失敗していないかどうかログファイルを調べます。ログビューアを使用して、ドメイン内で実行されている任意の Enterprise Server インスタンスのログファイルを表示します。
「ノードエージェント」は、 管理ドメインに含まれる各マシン上で実行される軽量プロセスです。ノードエージェントは、ホスト上のサーバーインスタンスの起動および停止を管理します。また、ドメイン管理サーバーとやり取りして、新しい インスタンスを作成します。
ノードエージェントは、クラスタプロファイルまたはエンタープライズプロファイルのドメイン上でのみ使用できます。開発者ドメインのみを実行している場合は、ノードエージェントを作成して使用する前に、クラスタプロファイルでドメインを作成する必要があります。ドメインの作成方法については、asadmin create-domain --help と入力するか、create-domain(1) のマニュアルページを参照してください。
マシンが属する各 の管理ドメイン用として、1 台のマシンに 1 つのノードエージェントが必要です。デフォルトのノードエージェント hostname が、インストール中に作成される場合があります。作成されていない場合は、create-node-agent(1) コマンドを使用して、ノードエージェントを作成します。
管理コンソールでノードエージェントが起動していないことを確認し、端末ウィンドウで、次のコマンドを入力します。
asadmin start-node-agent nodeagentname
nodeagentname 変数を、作成したノードエージェントの名前に置き換えます。ポート 4848 のデフォルトドメイン (domain1) がクラスタプロファイルまたはエンタープライズプロファイルで実行されていない場合は、--port オプションを使用してクラスタまたはエンタープライズドメインのポートを指定します。
パスワードの入力を求められた場合は、マスターパスワードを入力します。
ノードエージェントが起動し、ドメイン管理サーバーに接続します。
ノードエージェントを起動する前に、ドメイン管理サーバーが実行されていることを確認します。クラスタインスタンスの server.log ファイルを確認して、ノードエージェントやクラスタインスタンスの起動に関連する問題を特定します。
Windows でノードエージェントまたはクラスタを起動するときに問題が発生する場合は、『Sun GlassFish Enterprise Server 2.1 リリースノート』を参照して、問題の解決方法を検討してください。
ノードエージェントが起動したら、管理コンソールに表示することができます。
ここでは、ドメイン管理サーバーを起動し、サーバーが正常に実行されていることを確認しました。また、管理コンソールにログインし、ログビューアを使用しました。ノードエージェントを起動しました。ここでクイックスタートを終了してもかまいませんし、次のセクションに進むこともできます。
管理コンソールを使用して、開発者ドメインにクラスタサポートを追加することができます。
管理コンソールにログオンします。ログオンの方法については、「管理コンソールにログオンする」を参照してください。
左側の区画で Application Server をクリックします。
「一般」タブで「クラスタサポートを追加」をクリックします。
「クラスタサポートを追加」ページが表示されます。このページの情報を確認して「OK」をクリックします。
「再起動が必要です」ページで「インスタンスの停止」ボタンをクリックして、ドメインを停止します。
ドメインのインストールされているマシンにログインして、次のコマンドを実行します。 as-install/bin/asadmin list-domains 。ドメインが停止したことを確認します。
次のコマンドを実行します。 as-install/bin/asadmin start-domain <domain-name>
再起動されたドメインはクラスタ化をサポートしています。
再起動されたドメインにクラスタ化機能が表示されない場合は、ドメインを停止して、ドメインのインストールされたマシンを再起動し、手順 7 に示されたようにドメインを再起動します。
Enterprise Server には、バンドル版の Java DB サーバーが含まれています。起動するには次の手順に従います。
データベースをインストールしたユーザーとしてログインしていることを確認します。
asadmin start-database を実行します。
start-database コマンドの詳細は、start-database(1) のマニュアルページを参照してください。
管理者が複数のホストで実行されるサーバーインスタンスとクラスタを管理できるように、Enterprise Server は次のツールを提供します。
ブラウザベースのグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) 管理コンソール。管理コンソールを開くには、ブラウザで http:// hostname:4848 にアクセスします。
asadmin ユーティリティーなどのコマンド行ツール。コマンド行ツールの一覧を表 1–1 に示します。asadmin ユーティリティーは as-install /bin にあります。
プログラム可能な Java Management Extensions (JMXTM) API
これらのツールは「ドメイン管理サーバー」と呼ばれるサーバーに接続します。このサーバーは、すべての管理タスクに介在する特別に指定されたインスタンスです。ドメイン管理サーバー (DAS) は、使用するインタフェースに関係なく、管理コマンドを検証し、実行するためのセキュリティーで保護された単一のインタフェースを提供します。
「ドメイン」とは、設定データ、配備されたアプリケーション、指定された管理者によるマシンの集合体です。ドメイン定義は、複数のアプリケーション、スタンドアロンのインスタンス、およびクラスタの動作を記述し、その制御を可能にし、複数のマシンに配布することができます。DAS をインストールすると、domain1 という名前のデフォルトドメインが常にインストールされます。このマニュアルでは、デフォルトドメインを使用します。
Enterprise Server は管理コンソールに加えて、管理機能を実行するためのさまざまなコマンド行ツールを提供しています。ツールを起動するには、コマンドウィンドウでツールの名前を入力します。表 1–1 に、ツール名 (左列) とそれぞれの説明 (右列) を示します。
表 1–1 コマンド行ツール
ツールの名前 |
説明 |
---|---|
appclient |
アプリケーションクライアントコンテナを起動し、アプリケーション JAR (Java アーカイブ) ファイルにパッケージ化されたクライアントアプリケーションを呼び出します。 |
asadmin |
Enterprise Server ソフトウェアを設定するためのサブコマンドのセットを提供する Enterprise Server 管理ツールを起動します。 |
asant |
Jakarta Ant ツールを起動して、反復性のある開発および配備タスクを自動化できるようにします。 |
asapt |
Java EE 注釈付きの Java ソースをコンパイルします。wsimport コマンドがこのツールから自動的に呼び出されます。 |
asupgrade |
Enterprise Server ソフトウェアをアップグレードするための Enterprise Server 管理ツールです。 |
capture-schema |
データベースからスキーマ情報を抽出し、サーバーでコンテナ管理による持続 (CMP) に利用できるスキーマファイルを生成します。 |
jspc |
JSP ページをコンパイルします。 |
package-appclient |
アプリケーションクライアントのコンテナライブラリおよび JAR ファイルをパッケージ化します。 |
schemagen |
Java クラスで参照する名前空間ごとにスキーマファイルを作成します。 |
verifier |
DTD を使用して Java EE 配備記述子を検証します。 このツールには、グラフィカルユーザーインタフェースもあります。GUI を表示するには、-u オプションを指定します。 一部の Windows システムでは、同じ名前のドライバベリファイアユーティリティーを起動します。Enterprise Server の verifier を起動するには、as-install/bin ディレクトリから操作する必要があります。 |
wscompile |
サービス定義インタフェースを取得して、JAX-RPC 用のクライアントスタブまたはサーバー側スケルトンを生成します。または、指定したインタフェース用の WSDL (Web Services Description Language) 記述を生成します。 |
wsdeploy |
JAX-RPC を使用する Web サービスアプリケーションの、実装に固有ですぐに配備できる WAR ファイルを生成します。 |
wsgen |
Web サービスエンドポイントクラスを読み取り、Web サービスの配備と呼び出しに必要なすべてのアーティファクトを生成します。 |
wsimport |
SEI (サービスエンドポイントインタフェース)、サービス、wsdl:fault および soap:headerfault タグからマップされた例外クラス、wsdl:message タグから派生した非同期応答 Bean、JAXB 生成値型などの JAX-WS ポータブルアーティファクトを生成します。 |
xjc |
ソース XML スキーマを Java プログラミング言語の JAXB コンテンツクラスの集合に変換またはバインドします。 |
Windows でこれらのコマンド行ツールを実行するには、PATH と呼ばれる環境変数が as-install /bin/ ディレクトリを指していることを確認します。
asadmin サブコマンドを実行するには、すべてのサブコマンドに asadmin を接頭辞として付けるか、as-install/bin/ ディレクトリに asadmin プロンプトを入力します (asadmin と入力して Return キーを押す)。
『クイックスタートガイド』の次の学習ステップは、次の章に示されています。
サンプルのクラスタを作成する手順を説明します。ドメインを開発者プロファイルで実行している場合は、次の章に進んでください。
サンプル Web アプリケーションを配備する手順を説明します。クラスタ機能を有効にしたドメインを使用している場合は、エンタープライズアプリケーションをクラスタに配備するための手順を実行できます。
Enterprise Server の学習や使用に他のリソースも利用できます。以下にその内容を示します。
as-install/docs/about.html の製品詳細情報
as-install/samples にあるサンプルアプリケーション
『Sun GlassFish Enterprise Server 2.1 Reference Manual』 (マニュアルページ)
『Sun GlassFish Enterprise Server 2.1 Application Deployment Guide』
The Java EE 5 Tutorial
Enterprise 向けの Java BluePrints ガイドライン