「セッション持続性」では、Java EE アプリケーションでのセッション持続性の必要性について説明しました。Application Server では、高可用性セッションストアとして高可用性データベース (HADB) を使用します。HADB は Sun GlassFish Enterprise Server with HADB に含まれますが、配備では独立したホストで実行できます。HADB は、HTTP セッションおよびステートフルセッション Bean データの高可用性データストアを提供します。
この分離型アーキテクチャーには、次のような利点があります。
高可用性クラスタ内のサーバーインスタンスを疎結合し、高性能の Java EE コンテナとして機能させることができます。
サーバーインスタンスの停止および起動が、ほかのサーバーやその可用性に影響を及ぼしません。
HADB は、たとえばシングルプロセッサやデュアルプロセッサの、比較的安価なマシンの異なるセット上で実行できます。複数のクラスタがこれらのマシンを共有できます。配備のニーズに応じて、Application Server と同じマシン上で HADB を実行する (共存) か、異なるマシン上で実行する (独立層) かを選択できます。この 2 つの選択肢の詳細は、「共存トポロジ」を参照してください。
状態管理の要件の変化に合わせて、既存のクラスタやその内部のアプリケーションに影響を及ぼすことなく、HADB システムにリソースを追加できます。
HADB は Application Server による使用のために最適化されており、汎用データベースなどのアプリケーションによる使用は想定されていません。
HADB のハードウェアおよびネットワークシステムの要件については、『Sun GlassFish Enterprise Server 2.1 リリースノート』の「ハードウェアとソフトウェアの要件」を参照してください。HADB で必要なその他のシステム設定手順については、『Sun GlassFish Enterprise Server 2.1 高可用性 (HA) 管理ガイド』の第 10 章「高可用性 (HA) データベースのインストールと設定」を参照してください。