高可用性を実現するための 1 つの方法は、システムにハードウェアやソフトウェアの冗長性を追加することです。あるユニットに障害が発生すると、冗長なユニットが引き継ぎます。これは、耐障害性とも呼ばれます。一般に、高可用性を最大化するには、システム内に存在する可能性のあるすべてのシングルポイント障害を特定して取り除きます。
冗長性のレベルは、システムが耐える必要のある障害クラス (障害の種類) によって決定されます。障害クラスのいくつかの例を次に示します。
システムプロセス
マシン
電源装置
ディスク
ネットワーク障害
ビル火災またはその他の予防可能な災害
予測できない天災
重複したシステムプロセスによって、単一のシステムプロセス障害や単一のマシン障害に耐えることができます。重複した、ミラー化された (ペアになった) マシンを異なる電源装置に接続することにより、単一の電源障害に耐えることができます。ミラー化されたマシンを個別のビル内に保持することにより、単一のビル火災に耐えることができます。ミラー化されたマシンを地理的に離れた場所に保持することにより、地震などの天災に耐えることができます。
「パフォーマンス目標の確立」で説明したように、可用性を向上させるために、HADB ノードは常にデータ冗長ユニット (DRU) で使用されます。
スペアノードを使用すると、耐障害性が向上します。スペアノードは必須ではありませんが、最大限の可用性を実現します。
フェイルオーバー容量の計画では、サーバーまたはプロセスに障害が発生した場合にシステムがデータをシームレスに復元して処理を続行できるようにするには Application Server 配備にサーバーやプロセスをどれだけ追加する必要があるかを決定します。システムが過負荷になると、プロセスまたはサーバー障害が発生して、応答時間の低下や、場合によってはサービスの完全な停止を引き起す可能性があります。このような状況に対して準備することは、配備を成功させるために重要です。
容量 (特に、ピーク負荷時の容量) を維持するには、既存の配備に、Application Server インスタンスを実行しているスペアマシンを追加します。
たとえば、それぞれ 1 つの Application Server インスタンスを実行している 2 台のマシンから成るシステムを考えてみます。これらのマシンが合わせて、1 秒あたり 300 要求のピーク負荷を処理しています。これらのマシンの 1 つが使用不可になった場合は、マシン間の負荷分散が均一であると仮定すると、システムは 150 の要求しか処理できません。したがって、ピーク負荷時の要求の半分はサービスを受けられなくなります。