Sun GlassFish Enterprise Manager Performance Advisor 1.0 インストールおよびクイックスタートガイド

Performance Tuner の使用法

Tuner は、Enterprise Server の配備の必要性に適したサーバー設定を推奨します。推奨される設定は、サーバーの最適な設定に役立ちます。特定の要件がある場合は、より詳しい調整が必要です。Tuner は、Enterprise Server のリソースとスループットの要件に対して、統計分析を実行します。システムの動的な検査は行いません。

Tuner は、同種クラスタと異種クラスタの両方で使用できます。クラスタが同種であるかどうかは、オペレーティングシステム、ハードウェア、物理メモリー、およびコア (論理 CPU) の条件に基づきます。同種クラスタでは、クラスタのコンポーネントインスタンスを実行するすべてのマシンで、すべての条件が一致します。同種でないクラスタでは、これらの値が異なります。同種でないクラスタでは、低い値から始めて、より強力でリソースの多いハードウェアで実行する特定のコンポーネントインスタンスで、これらの値を増加していきます。

システムプロパティーは、クラスタ内にある各サーバーインスタンスの設定を変更します。Tuner は、いくつかのシステムプロパティーを設定します。システムプロパティーの詳細は、次のドキュメントを参照してください。


注 –

クラスタを調整する前に、Tuner が調整可能な設定の計算に使用する重要なデータを収集できるように、すべてのインスタンスが稼働中であることを確認してください。


    Tuner を使用するには、次の手順に従います。

  1. 管理コンソール の左の区画で、「チューナー」ノードを選択します。

  2. 要求された情報を入力します。必要な場合は、システム管理者に問い合わせてください。

    • 「調整する設定」 — ドロップダウンリストからサーバーまたはクラスタの名前を選択します。

    • 「コアの数」 — マシンごとの利用可能な論理 CPU (プロセッサスレッド) の数を指定します。デフォルトは 1 です。

      マシンの CPU の合計数を指定する必要はありません。実行する各 Enterprise Server インスタンスで使用に割り当てる数だけを指定します。

      Sun SPARC Enterprise T5440 (http://www.sun.com/servers/coolthreads/t5440/) では、論理 CPU (プロセッサスレッド) の数は psrinfo などのコマンドで返されます。Sun SPARC Enterprise T5440 は、最大 256 のプロセッサスレッドを使用できます。詳細は、ハードウェアベンダーのデータシートを参照してください。

    • 「使用可能な最大ヒープメモリー」 — Enterprise Server の JVM サーバーインスタンスで使用するヒープメモリーのサイズを指定します。デフォルトは 1024M バイトです。Tuner が最適でないと判断した場合、指定したヒープメモリーの値は適用されません。

    • 「データベースアクセスの割り当て時間」 — 割り当て時間を、「低」 (0 ~ 10%)、「中」 (10 ~ 20%)、または「高」 ( 20% 以上) のいずれかに指定します。デフォルトは「中」です。

      これは、調整中のインスタンスまたはクラスタに配備されたプライマリアプリケーションで消費したデータベース層の時間です。クラスタに複数のアプリケーションを配備している場合は、すべてのアプリケーションがデータベース層で消費した時間の合計になります。Web または EJB 要求ごとの消費時間も考慮してください。

    • 「ガベージコレクションの方針」 — 「最大ピークスループット (高 GC 停止時間)」または「低 GC 停止時間 (低ピークスループット)」のいずれかを指定します。デフォルトは、「最大ピークスループット」です。

      この方針は、JVM のガベージコレクションの実行方法を決定します。明らかに、ガベージコレクションは最小限の時間で実行するべきですが、必ずしもそれが可能であるとは限りません。Enterprise Server の JVM は、多数の短い GC 停止を実行するように設定したり、少数の比較的長い GC 停止を実行するように設定することができます。少数の GC 停止を実行する方針では、スループットは一般的に大きくなり、要求の 1 ~ 2% で遅延が感じられます。

    • 「セキュリティーマネージャーを無効にしますか ?」 - Java Platform セキュリティーマネージャーを無効にするかどうかを指定します。セキュリティーマネージャーを無効にすると、パフォーマンスが向上する場合がありますが、システムのセキュリティーが低下する可能性があります。デフォルトは「はい」です。

    • 「アクセスロガーを無効にしますか ?」 - アクセスログの記録を無効にするかどうかを指定します。アクセスログの記録を無効にすると、パフォーマンスが向上する場合があります。ただし、一部のシステム情報が削除されます。デフォルトは「はい」です。

    • 「Sun の CoolThreads (Niagara) サーバーで実行していますか ?」— サーバーインスタンスが CoolThreads TM テクノロジを備えた Sun サーバー上で動作している場合は、このボックスにチェックマークを付けます。デフォルトは「いいえ」です。詳細は、http://www.sun.com/servers/index.jsp?cat=SunCoolThreadsServers&tab=3 を参照してください。

  3. 「次へ」ボタンを選択します。

  4. 提案された変更内容を確認します。

  5. 一部の変更のみを適用する場合は、適用する変更の「現在の設定」、「提案された設定」、および「手動で適用」列のテキストを確認します。

    たとえば、変更により JVM オプションが追加または削除される場合は、「現在の設定」または「提案された設定」列に変更されるオプションが表示され、「手動で適用」列に次のテキストが表示されます。


    Go to the JVM Settings page for the configuration, select the JVM Options tab, 
    select the Add JVM Option button, and enter the JVM option. Or use one of these 
    commands: asadmin create-jvm-options or asadmin delete-jvm-options

    「手動で適用」列に表示される asadmin コマンドの詳細は、『Sun GlassFish Enterprise Server 2.1 Reference Manual』を参照してください。

  6. 次のいずれかのボタンを選択して、変更を確認するか取り消します。

    • すべての変更を受け入れる場合は、「確認」を選択します。

    • すべての変更を拒否する場合は、「取消し」を選択します。

  7. 手順 6 で「取消し」を選択した場合は、手順 5 で確認した変更を手動で適用します。

    たとえば、-Xmx512m オプションを削除するには、次の asadmin コマンドを使用します。ハイフンをバックスラッシュでエスケープし、オプションを引用符で囲む必要があります。


    asadmin delete-jvm-options "\-Xmx512m"
  8. 調整した設定を使用する各サーバーインスタンスまたはクラスタを再起動します。


注 –

クラスタにサーバーインスタンスを追加する場合は、クラスタの設定を再調整してください。