この節では、Message Queue version 4.4 のインストールに関連した問題について説明します。
メッセージキュー 4.4 は、メッセージキュー 4.2 および 4.1 と同様に、新しいインストーラでインストールされます。このインストーラでは、JDK、NSS、JavaHelp など、Message Queue に必要な Java Enterprise System (Java ES) 共有コンポーネントもインストールされます。
新しい Message Queue インストーラと、以前のバージョンの Message Queue で使用されていた古い Java ES インストーラは、同じ製品レジストリを共有しません。Java ES でインストールされた Message Queue を削除したあと、Message Queue インストーラで メッセージキュー 4.4 をインストールすると、Java ES 製品レジストリが矛盾した状態になる場合があります。その結果、Java ES アンインストーラを実行すると、Java ES でインストールしなかったとしても、メッセージキュー 4.4 とそれが依存する共有コンポーネントが意図せずに削除されることがあります。
Java ES インストーラでインストールした Message Queue ソフトウェアをアップグレードする最善の方法は、次のとおりです。
Java ES アンインストーラを使用して、メッセージキュー とその共有コンポーネントを削除します。
Message Queue インストーラを使用して、メッセージキュー 4.4 をインストールします。
次に示す問題は、すべてのプラットフォームでのインストールに影響します。
「インストールの準備完了」画面で、製品名が「Sun Java System Message Queue 4.3」ではなく「mq」と表示されます。(バグ 6650841)
インストーラが Message Queue 4.3 のインストールを処理中で、「進行状況」画面が表示されているときは、「取消し」ボタンがアクティブになります。ここで「取消し」ボタンを選択すると、インストールが完了しないか、破棄されます。 (バグ 6595578)
インストーラの「概要」画面には、クリックするとログまたは概要ページビューアが開くリンクがいくつか含まれています。「閉じる」というラベルの付いたボタンの代わりに、ウィンドウの閉じるボタン「X」を使用してこのビューアウィンドウを閉じた場合、このビューアウィンドウを再度表示することができません。(バグ 6587138)
回避方法: 「閉じる」というラベルの付いたボタンを使用してウィンドウを閉じます。
コンピュータシステムに古いバージョンの Message Queue および NSS/NSPR があると、インストーラの「アップグレード」画面で、アップグレードが必要なものとして Message Queue だけが表示され、NSS と NSPR のアップグレードも必要であることは触れられません。実際には、関連ソフトウェアもすべてアップグレードされ、「インストールの準備完了」画面では正しい情報が示されます。(バグ 6580696)
「JDK の選択」画面の JDK のリストが、「JDK を選択」オプションが選択されていない場合でもアクティブになります。(バグ 6650874)
Message Queue アンインストーラを使用する場合、「削除」の代わりに「取消し」をクリックすると、一部のインストーラファイルが削除され、以後のアンインストールが失敗します。(バグ 6760416)
登録が省略されるサイレントインストールを実行したあとに、インストーラを登録のみのモード (installer -r) で実行すると、「ファイルの途中終了」エラーにより登録が失敗します。(バグ 6767988)
Open Message Queue がインストールされているコンピュータで Message Queue 4.3 インストーラを実行すると、「Error reading previous session data from Config-State.」という警告メッセージが表示される場合があります。(バグ 6764305)
回避方法: メッセージは良性で、インストールが完了すると再度発生することはありません。または、/var/install/config/mq/InstallDirectory.xcu ファイルを削除すると、メッセージを回避することができます。
JDK がインストールされていないコンピュータで Message Queue の ZIP ベースのインストーラを実行すると、「Invalid root in registry key HKLM\SOFTWARE\JavaSoft\Java Runtime Environment\CurrentVersion」というエラーメッセージが表示されます。(バグ 6764358)
回避方法: インストーラを実行する前に、JDK をインストールします。
「インストールの準備完了」画面の「インストール」ボタンをクリックする前に、Message Queue インストーラによって mqInstallHome ディレクトリが作成されます。(Bug 6595590)
Message Queue をインストールせずに、Message Queue をテキストモード (installer -t -r) で登録しようとすると、NullPtr 例外がスローされます。(バグ 6760991)
回避方法: Message Queue をインストールしてからインストールの登録を行います。
Message Queue を Windows にインストールするときは、次の制限事項に注意してください。
Windows プラットフォームにインストールされた Message Queue 4.3 のディレクトリ構造は、これまでのリリースのディレクトリ構造と異なります。『Sun GlassFish Message Queue 4.4 Installation Guide』の「Installed Directory Structure」を参照してください。
インストーラは、Message Queue 用のエントリを「スタート」>「すべてのプログラム」メニューに追加しません。(バグ 6567258)
回避方法: 管理コンソールを起動するには、『Sun GlassFish Message Queue 4.4 Administration Guide』の「Starting the Administration Console」で説明されているようにコマンド行を使用します。
インストーラは、IMQ_HOME\mq\bin ディレクトリを PATH 環境変数に追加しません。(バグ 6567197)
回避方法: ユーザーは Message Queue ユーティリティー (IMQ_HOME\mq\bin\command) を起動するときに、このエントリを PATH 環境変数に追加するか、フルパス名を指定する必要があります。
インストーラは、Message Queue がインストールされたことを示すために Windows レジストリにエントリを追加しません。(バグ 6586389)
インストーラは、メッセージキュー ブローカを Windows サービスとして追加しません。
回避方法: imqsvcadm コマンドを使用して、メッセージキュー ブローカを Windows サービスとして手動で追加します。
JDK がインストールされていない場合、インストーラが「Invalid root in registry key HKLM\\SOFTWARE\\JavaSoft\\Java Runtime Environment\\CurrentVersion」というエラーをスローします。(バグ 6764358)
回避方法: このエラーが表示された場合は、JDK をインストールしてから操作を続行します。
回答ファイルを使用してサイレントモードで実行すると、インストーラはすぐに返されます。インストールは行われますが、ユーザーにはサイレントインストールがいつ実際に実行されたかを知る方法がありません。(バグ 6586560)
Windows で、インストーラをテキストモード (installer –t ) で実行しようとすると、エラーメッセージが表示されます。このメッセージは、インストーラが英語以外で実行されていても、英語で表示されます。テキストモードは Windows ではサポートされていません。(バグ 6594142)
オペレーティングシステムが別のドライブにインストールされている場合でも、インストーラは Message Queue を C:\ にインストールします。(バグ 6673511)
Windows でのインストールおよびアンインストールでは、ユーザーが実行できる bat ファイルはありません。また、ユーザーが Windows コントロールパネルの「プログラムの追加と削除」を使用してアンインストールすることもできません。(バグ 6673417)
Windows Vista では、コマンドプロンプトから管理者としてインストールを実行しなければ、Message Queue を C:\Program Files にインストールできません。(バグ 6701661)
回避方法: 管理者としてコマンドプロンプトからインストールするには、次の手順に従います。
1. 「スタート」 -> 「すべてのプログラム」 -> 「アクセサリ」の順にクリックし、「コマンド プロンプト」をポイントします。
2. 「コマンド プロンプト」を右クリックします。
3. 「管理者として実行」をクリックします。
4. ディレクトリを Message Queue 4.2 のインストールイメージに変更します。
5. installer.vbs を実行します。
アンインストーラを予行モード (uninstaller -n) で実行すると、アンインストールが誤って実行されます。(バグ 6719051)
回避方法: 次のコマンドを使用して、サイレントインストールを実行します。
uninstaller -s
インストーラのホームページで「Install Home」の文字列がローカライズされません。(バグ 6592491)
Message Queue の ZIP ベースのアンインストーラが、Windows 2003 でハングアップします。(バグ 6764370)
回避方法: mqInstallHome ディレクトリを手動で削除します。
インストーラを予行モード (installer –n ) で実行すると、「概要」画面にいくつかのエラーメッセージが表示され、「未完了」のインストール状態も表示されます。これは誤りで、誤解を招きます。予行モードでは、何もシステムにインストールされません。後でサイレントインストールの実行に使用できる回答ファイルが作成されるだけです。(バグ 6594351)
回答ファイルを使用してサイレントモード (installer -a filename -s) でインストーラを実行すると、Sun Connection への登録が実行されません。(バグ 6710268)
テキストモードでインストーラを実行している場合、Sun Connect 登録用のユーザー名またはパスワードを入力したり、オンラインアカウントを作成したりするときに、ユーザー名やパスワードの訂正にバックスペースキーを使用できません。(バグ 6673460)
回避方法: バックスペースキーの代わりに Control-H キーを使用するか、または dtterm や xterm のような別の端末エミュレータを使用します。
インストーラの「アップグレード」画面に、インストールされている既存の メッセージキュー またはインストーラエンジンのバージョンが正しく表示されない場合があります。(バグ 6679765)
テキストモードでインストーラを実行しているときに、無効なユーザー名とパスワードで Sun Connection に登録しようとすると、登録できないことを示すメッセージが表示され、Null ポインタ例外がスローされて、インストーラが終了します。(バグ 6666365)
次に示す問題は、Linux プラットフォームでのインストールに影響します。
Redhat Linux 5 では、C クライアントアプリケーションの実行に必要な compat-libstdc++ ライブラリが、メッセージキュー の配布に含まれていません。したがって、メッセージキュー インストーラではこのライブラリをインストールできません。C クライアントを開発および実行している場合は、このライブラリを手動でインストールする必要があります。
通常、compat-libstdc++ RPM は使用している Linux のバージョンのインストールメディアにあります。次のコマンドを使用してインストールできます。
rpm -ivh compat-libstdc++-x-x.x.x.x..rpm
x はバージョン番号を表します。
ライブラリが正常にインストールされたかどうかを確認するには、次のコマンドを使用します。
rpm -qa | grep compat-libstdc++
「JDK 選択」パネルで、スクロールリストに項目が 1 つしか表示されません。このため、リスト内のほかの JDK を選択することが難しくなります。(バグ 6584735)
JDK が現在のもので、ユーザーが「JDK 選択」画面で「Java(TM) SDK のデフォルトバージョンをインストールして使用します。」を選択した場合、インストーラはその JDK をインストールしようとし、パッケージをインストールできないというレポートを返します。この問題があっても、インストールは正常に完了します。(バグ 6581310)
現在インストールされている JDK が JDK 1.5.0_15 (メッセージキュー インストーラによって標準でインストールされるバージョン) より新しいバージョンの場合、メッセージキュー アンインストーラはデフォルトの IMQ_JAVAHOME ディレクトリを見つけることができず、エラーを返します。(バグ 6673415)
回避方法: メッセージキュー アンインストーラを実行する前に、次のコマンドを使用して JDK 1.5 を手動でインストールします。
# cd installImage/Product/UNIX/LINUX/X86/2.4/Packages
# rpm -i --force jdk-1.5.0_15–linux- arch.rpm
arch は i586 か amd64 のいずれかです。
インストーラを予行モード (installer –n ) で実行すると、「概要」画面にいくつかのエラーメッセージが表示され、「未完了」のインストール状態も表示されます。これは誤りで、誤解を招きます。予行モードでは、何もシステムにインストールされません。後でサイレントインストールの実行に使用できる回答ファイルが作成されるだけです。(バグ 6594351)
64 ビット Linux では、Message Queue インストーラのテキストモードは動作しません。(バグ 6771303)
回避方法: 端末ウィンドウからリモートでインストールしている場合は、リモートディスプレイソフトウェアを使用して、GUI モードでインストーラを実行する必要があります。
インストーラには、メッセージキュー のバージョン情報が不明瞭な形式で表示されます。(バグ 6586507)
Solaris プラットフォームの場合は、次の表を参照して、インストーラに表示される メッセージキュー のバージョンを判別してください。
表 1–12 バージョン文字列の読み換え
Solaris OS でインストーラに表示されるバージョン |
対応する Message Queue のリリース |
---|---|
4.3.0.0 |
4.3 |
4.2.0.0 |
4.2 |
4.1.0.2 |
4.1 Patch 2 |
4.1.0.1 |
4.1 Patch 1 |
4.1.0.0 |
4.1 |
3.7.2.1 |
3.7 UR2 Patch 1 |
3.7.0.2 |
3.7 UR2 |
3.7.0.1 |
3.7 UR1 |
3.6.0.0 |
3.6 |
3.6.0.4 |
3.6 SP4 |
3.6.0.3 |
3.6 SP3 |
3.6.0.2 |
3.6 SP2 |
3.6.0.1 |
3.6 SP1 |
3.6 SP4 のパッチリリースの場合 (たとえば、3.6 SP4 Patch 1)、インストーラで表示されるリリース文字列は同じままです。厳密なバージョンを判別するには、コマンド imqbrokerd -version を実行する必要があります。
Linux のプラットフォームの場合、インストーラで表示されるバージョン番号は次の形式になります。
majorReleaseNumber.minorReleaseNumber-someNumber
たとえば、3.7–22 のようになります。これにより、3.7 リリースの 1 つであることだけはわかりますが、どの特定のバージョンかはわかりません。インストールされている メッセージキュー のバージョンを判別するには、次のコマンドを実行します。
imqbrokerd -version.
次に示す問題は、ローカリゼーションの問題に関係しています。
インストーラを英語以外のロケールでテキストモード (installer –t) で実行すると、マルチバイト文字が文字化けします。 (バグ 6586923)
インストーラの「進行状況」画面で、進行状況のバーに見慣れない文字が表示されます。ツールヒントは、英語以外のロケールではハードコードされています。(バグ 6591632)
テキストモード (installer –t) は Windows ではサポートされていません。Windows でテキストモードでインストーラを実行すると、エラーメッセージが表示されます。このメッセージは、インストーラが英語以外のロケールで実行されていても、ローカライズされません。(バグ 6594142)
インストーラの「ライセンス」画面には、インストーラが実行されるロケールに関係なく、英語のライセンステキストが表示されます。(バグ 6592399)
回避方法: ローカライズされたライセンスファイルにアクセスするには、LICENSE_MULTILANGUAGE.pdf ファイルを検索してください。
インストーラの使用方法に関するヘルプテキストがローカライズされていません。(バグ 6592493)
インストーラの概要 HTML ページに表示される文字列「None」は、英語でハードコードされています。(バグ 6593089)
インストーラをドイツ語のロケールで実行すると、ほかのロケールでは表示される開始画面のテキストが正しく表示されません。(バグ 6592666)
インストーラの「Install Home」画面に表示される文字列「Install Home」がローカライズされていません。その文字列は、英語以外のロケールでインストーラを実行しても、英語で表示されます。(バグ 6592491)
テキストモード (installer –t) でインストーラを実行すると、どのロケールでインストーラを実行するかに関係なく、英語の応答選択肢「Yes」および「No」が使用されます。(バグ 6593230)
インストーラの「JDK 選択」画面の参照ボタンのツールヒントは、英語でハードコードされています。(バグ 6593085)