Sun GlassFish Enterprise Server v2.1.1 管理ガイド

Web サービスのセキュリティー保護

Enterprise Server 上に配備された Web サービスをセキュリティー保護するには、アプリケーションの配備先コンテナ、またはそのアプリケーションがサービスを提供する Web サービスエンドポイントのいずれかに対し、SOAP レイヤーメッセージセキュリティープロバイダとメッセージ保護ポリシーをバインドします。Enterprise Server のクライアント側コンテナで SOAP レイヤーメッセージセキュリティー機能を設定するには、クライアントコンテナ、またはクライアントアプリケーションによって宣言されたポータブルサービス参照のいずれかに対し、SOAP レイヤーメッセージセキュリティープロバイダとメッセージ保護ポリシーをバインドします。

Enterprise Server のインストール時に、SOAP レイヤーメッセージセキュリティープロバイダが Enterprise Server のクライアント側コンテナとサーバー側コンテナ内に設定され、コンテナまたはコンテナ内に配備された個々のアプリケーションまたはクライアントからバインドして利用できるようになります。インストール中、プロバイダにはある単純なメッセージ保護ポリシーが設定されます。このポリシーをコンテナまたはコンテナ内のアプリケーションまたはクライアントにバインドした場合、すべての要求メッセージと応答メッセージに含まれるコンテンツのソースが、XML デジタル署名によって認証されるようになります。

Enterprise Server の管理インタフェースを使えば、既存のプロバイダをバインドして Enterprise Server のサーバー側コンテナから利用できるようにしたり、プロバイダが適用するメッセージ保護ポリシーを変更したり、別のメッセージ保護ポリシーを備えた新しいプロバイダ設定を作成したりできます。アプリケーションクライアントコンテナの SOAP メッセージレイヤーセキュリティー設定でも、これと同様の管理操作を実行できます。それらについては、「アプリケーションクライアントのメッセージセキュリティーの有効化」で定義しています。

Enterprise Server では、メッセージレイヤーセキュリティーはデフォルトで無効になっています。Enterprise Server のメッセージレイヤーセキュリティーを設定するには、「メッセージセキュリティーのための Enterprise Server の設定」に要約されている手順に従ってください。Enterprise Server 上に配備されたすべての Web サービスアプリケーションを Web サービスセキュリティーで保護するには、「メッセージセキュリティーのためのプロバイダの有効化」の手順に従ってください。

上記の手順 (Enterprise Server の再起動が必要な場合もあり) を実行し終わると、Enterprise Server 上に配備されたすべての Web サービスアプリケーションに Web サービスセキュリティーが適用されるようになります。

アプリケーション固有の Web サービスセキュリティーの設定

アプリケーション固有の Web サービスセキュリティー機能を (アプリケーション構築上で) 設定するには、そのアプリケーションの Sun 固有の配備記述子内で message-security-binding 要素を定義します。これらの message-security-binding 要素は、特定のプロバイダまたはメッセージ保護ポリシーを Web サービスエンドポイントまたはサービス参照に関連付けるために使用されます。また、この要素を修飾することで、それらのプロバイダやポリシーが対応するエンドポイントまたは参照サービスの特定のポートやメソッドに適用されるようにすることも可能です。

アプリケーション固有のメッセージ保護ポリシーの定義については、『Sun GlassFish Enterprise Server v2.1.1 Developer’s Guide』の第 5 章「Securing Applications」を参照してください。