すべての管理ドメインは、そのドメインの機能を特定するプロファイルに関連付けられます。Enterprise Server には次のプロファイルが用意されています。
開発者: このプロファイルは、ドメインが開発環境で実行されており、開発中のアプリケーションに NSS キーストア機能やクラスタ化機能 (負荷分散やセッション持続など) が必要でない場合に使用します。
クラスタ: このプロファイルは、クラスタを作成する必要があるが、高可用性データベース (HADB) や NSS キーストアは必要としない場合に使用します。
クラスタプロファイルおよび開発者プロファイルでは、DAS はデフォルトで非セキュリティー保護モードに設定されます。asadmin コマンドを実行するときに、必要な場合は常に --secure=false を使用してください。DAS をセキュリティー保護モードに設定するために変更を行なっている場合は、このフラグを使用しないでください。
エンタープライズ: このプロファイルは、HADB や NSS を必要とする場合に使用します。このプロファイルは、HADB および NSS を個別にインストールする場合、または Java Enterprise System (JES) などのエンタープライズ製品の一部として Enterprise Server をインストールする場合にのみ使用できます。Enterprise Server でエンタープライズプロファイルを使用する方法については、「Using the Enterprise Profile」を参照してください。
ドメインは、事前に設定されたランタイムをユーザーアプリケーションに提供します。プロファイルにより、インストールされた Application Server 自体の実行バイナリと、実行環境の設定を区別しやすくなります。つまり、プロファイルにより、Enterprise Server の 1 つの実行バイナリを使用して、特定のニーズに合った異なるドメインを作成できます。たとえば、場合によっては最新の Java EE 仕様を理解するために Enterprise Server を使用する開発者もいます。そのような開発者には、厳格なセキュリティー設定は必要ありません。一方、本稼動環境でアプリケーションを配備するユーザーには、当然ながらセキュリティー保護された環境が必要です。
表 1–1 に、各プロファイルで使用できる機能の一覧を示します。
表 1–1 各プロファイルで使用できる機能
機能 |
開発者プロファイル |
クラスタプロファイル |
エンタープライズプロファイル (Sun GlassFish Communications Server では使用不可) |
---|---|---|---|
セキュリティーストア |
JKS |
JKS |
NSS |
クラスタ化/スタンドアロンインスタンス |
使用不可 |
利用可能 |
利用可能 |
セキュリティーマネージャー |
無効 |
有効 |
有効 |
HADB |
使用不可 |
使用不可 |
利用可能 |
負荷分散 |
使用不可 |
利用可能 |
利用可能 |
ノードエージェント |
使用不可 |
利用可能 |
利用可能 |