メークファイルには、最終的な実行可能プログラムだけでなく、プログラムの各モジュールの構築方法も記述されています。Sun WorkShop の構築ツールでは、UNIX の make ユーティリティを視覚的に利用して、プログラムのコンパイル処理を監視し、プログラムが常に最新のソースからコンパイルされるように管理することができます。「構築」ウィンドウでプログラムの構築を開始すると、プログラムのメークファイルが読み込まれ、そこに記述されているコマンドが実行されます。
構築ツールは、make コマンドの機能を発展させた、フレキシブルなツールです。このツールを利用すると、ワークステーションの処理能力がぐんと向上します。また、大型プログラムの構築処理を複数のプロセッサに分散させたり、マルチプロセッサシステムの場合は複数の CPU に処理を分散させることもできます。
構築ツールには、次のような特長があります。
メークファイルの規則やマクロを拡張する
生産性を高め、エラーを削減する
構築ツールでの作業は、コマンド行から make コマンドを発行する場合と比べて、次のような点で有利です。
高級言語で記述されたメークファイルのターゲット名をメニューに記憶し、アクセスを簡便化することができる
構築の進捗状況を視覚化することができる
「構築」ウィンドウに表示された構築エラーから、エラーが含まれているソースファイルをテキストエディタで開くことができる
ダイアログボックスで、構築に使用する make オプション、メークファイルのマクロ、環境変数を変更することができる (メークファイルはユーザーが作成)