dbx よりもグラフィカルインタフェースの方が扱いやすい場合は、デバッガ (Sun WorkShop の「デバッグ」ウィンドウ) を使用します。dbx は、プログラムの実行中にプログラムの動作に関する詳細情報を取得し、通信プロトコルを使って、この情報をデバッガに渡します。デバッガでは、GUI のボタンをクリックするだけで、ほとんどのコマンドを実行することができるため、デバッグを簡単に行うことができます。
また、デバッガからエディタを開いてプログラムを編集できるため、ツールを変更する手間が省けます。
デバッガの修正継続 (Fix and Continue) 機能を利用すると、ソースコードを変更した後、ファイルを再度コンパイルしてプログラムの実行を継続することができます。このとき、デバッガを終了させる必要はありません。また、プログラムのリンクや読み込みを再度行う必要もありません。
実行時検査 (Runtime Checking、RTC) によって、検出の難しいメモリーアクセスエラーやメモリーリークを開発段階で検出することができます。この検査は、シングルスレッドのアプリケーションでもマルチスレッドのアプリケーションでも有効です。実行時検査によって、アプリケーション内の実行時エラーが自動検出されると、デバッガがプログラムの実行に割り込み、関連するソースコードを表示します。ここで、検出されたバグを修正することができます。
科学計算や数値計算を行うソフトウェア開発者は、一般に、大量のデータを扱っています。このような場合は、計算結果を「見て確認する」ことができれば、解析処理の能率が上がります。そこで、Sun WorkShop では、デバッグ時にデータを画像表示する手法を採用し、大量の複雑なデータセットの調査と理解、結果のシミュレート、対話形式による計算手順の指示を可能にしました。この処理を行っている間に、必要に応じて、指定したブレークポイントや時間間隔でデータを更新することもできます。