lint フィルタは、プロジェクト固有のポストプロセッサ (後処理) です。典型的な例では awk スクリプトや類似のプログラムを使用して lint の出力を読み取り、ユーザーのプロジェクトが特に問題ないと判断したメッセージを捨てます。たとえば、時々または常に無視される値を返す文字列関数などです。lint オプションと指令だけでは出力に対して十分な制御が与えられない時は、lint フィルタを使用するとカスタマイズされた診断レポートを作成することができます。
lint の 2 つのオプションはフィルタを開発する際に特に役立ちます。
-s を指定して lint を呼び出すと、複合診断が問題の発生ごとに表示される単純な一行メッセージに変換されます。この解析されたメッセージ書式は awk スクリプトによる分析に適しています。
-k を指定して lint を呼び出すと、ソースファイルに書き込まれたコメントが出力されるので、プロジェクトの決定を文書化したり後処理の動作を指定するのに便利です。コメントが予想される lint メッセージを示していて、報告されたメッセージがそれと同一であった場合、メッセージは除かれます。-k を使用するときは、NOTE(LINTED [<メッセージ>]) 指令をコメントしたいコードの前の行に挿入してください。ここでの <メッセージ> は、lint が -k を指定して呼び出された時に出力されるコメントです。
/* LINTED [<メッセージ>]*/ のあるファイルに対して -k が使用されない場合の lint の動作については、表 5-6 を参照してください。