この節では、C++ コンパイラを使って C++ プログラムのコンパイルと実行をどのように行うかを簡単に説明します。コマンド行オプションの詳しい説明については、第 3 章「C++ コンパイラオプション」を参照してください。
この章のコマンド行の例は、CC の使用方法を示すためのものです。実際に出力される内容はこれと多少異なる場合があります。
C++ アプリケーションを構築して実行するには、基本的に次の手順が必要です。
エディタで C++ソースファイルを作成する。このソースファイルには、表 2-1に列挙されている接尾辞のいずれかを使用します。
コンパイラを起動して実行可能ファイルを作成する
実行可能ファイルの名前を入力してプログラムを実行する
demo% cat greetings.cc #include <iostream> int main() { std::cout <<“Real programmers write C++!”<< std::endl; return 0; } demo% CC greetings.cc demo% a.out Real programmers write C++! demo%
この例では、ソースファイル greetings.cc を CC でコンパイルしています。デフォルトでは、実行可能ファイルがファイル a.out として作成されます。プログラムを起動するには、コマンドプロンプトで実行可能ファイル名 a.out を入力します。
従来、UNIX コンパイラは実行可能ファイルに a.out という名前を付けていました。しかし、すべてのコンパイルで同じファイルを使用するのは不都合な場合があります。そのファイルがすでにあれば、コンパイラを実行したときに上書きされてしまうからです。次の例のように、コンパイラオプションに -o を使用すれば、実行可能出力ファイルの名前を指定できます。
demo% CC -o greetings greetings.C
この例では、-o オプションを指定することによって、実行可能なコードがファイル greetings に書き込まれます (プログラムにソースファイルが 1 つだけしかない場合は、ソースファイル名から接尾辞を除いたものを出力ファイル名にすることが一般的です)。
あるいは、コンパイルの後に mv コマンドを使って、デフォルトの a.out ファイルを別の名前に変更することもできます。いずれの場合も、プログラムを実行するには、実行可能ファイルの名前を入力します。
demo% greetings Real programmers write C++! demo%